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その2

◇◇◇◇◇◇ その2

 M企画は表向きは政府の統計業務を請け組織ということになっている。静奈と涼子は、二人のために急遽設置された、M企画信州諏訪支所に配属された。この支所の支所長はもちろん東谷健一である。


「静奈さん、私たち二人は結婚します。」

 涼子と健一は働き始めてまだ半年しか経っていないというのに大胆に宣言した。


「ええ~、それは、びっくり~、でも、なんかそんな気はしてたんだ~、おめでとう。」

 結婚宣言を聞いた御鏡静奈は二人の幸せを心からのお祝いした。涼子が高校生の時からお互いに好意を感じていたことは周囲には丸わかりであった。しかし、健一は、教師という立場上、涼子が高校を卒業し短大生になるまで待ってから、正式にお付き合いを申し込み、しばらく後にプロポーズ、婚約ととんとん拍子に話が決まったのであった。


 涼子は、もし健一が静奈が好きだったらどうしよう、女神様がライバルではとても勝ち目がない、と悩んだのであるが、

「そんなわけ、ないでしょう~。」

静奈の一言で悩みは吹き飛んでしまったのである。


 婚約中のカップル二人にとっては、静奈が、小姑のごとく邪魔をしているかのように世間には映ったかもしれない。しかし、健一と涼子二人の本務は、この静奈にふりかかる様々な困難を取り除き、本来静奈が持っている力をいざというときにいかんなく発揮できるように環境を整えることである。とはいえ、目を離すとすぐにふらふらとどこかに行ってしまう静奈をサポートするのはなかなか大変な仕事であった。


 翌年、東谷健一と玉川涼子は盛大に結婚式を挙行し、無事夫婦になることができた。内閣総理大臣や某国大統領からの祝電が読み上げられたことは、面白い余興だったと今でも語りぐさになっている。

 静奈からこれでもかという位祝福してもらったのはいうまでもない。これぞ本物の神の祝福である。幸せにならないほうがおかしいであろう。やがて、涼子は妊娠、無事に男の子を出産し、純一と命名された。



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