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第46話:襲撃

うわああああ遅くなってなんてレベルじゃないいいい!!

誠に申し訳ございませんんんんん!!



「ぎえぇ!」

「うがぁ!」

「ぐぎゃあ!」



森に住む狩人ウルを仲間に加えた一行は破竹の勢いでイビル達を倒していっていた。

狩りで生計を立てるウルによって、効率的な罠の運用法を学んだことでより多く素早く敵戦力を殲滅していけたのだ。


「直接殺すような仕掛けならもっと手早いんだけどねー」

「それは駄目だ、事情は話したろ?」

「分かってるけどさー」


あくまでとどめは太陽の力。そのため、罠は足止めや少々のダメージを与える程度に留まっている。ウルも、ソラ達からその意図を聞いて罠を調整している。



「にしてもなぁ、最近めっきり敵の数減ってへんか?」



ヤマトがぽつりと呟いた。捜索隊の編成が一時十数体だったのが、今はせいぜい五、六体。隊自体の数も減ってきている。



「ふむ……いよいよチャンスといったところかもしれんのう」

「じいちゃん、それってつまり……!」

「うむ……


攻め時じゃな」



ついにソラ達に好機が訪れた。敵戦力が大きく減った今、頭であるマスターイビルのメディストルを探しだして倒す絶好のチャンスである。

森に入ってから既に半月近くが経過している。その間の長きに渡るゲリラ戦が、遂に実を結んだのだ。


「奴らが再び戦力を整える前に、迅速に行動せねばならん。但し、散開は危険じゃ。よって、早速夕暮れから動き出そう。夜が開ける前に探し出し、メディストルを討つ。よいな!」

「「「おう!」」」

「はい!」

「あいよー」






―――――――――――


「…………」


夜も大分更け、月が高く昇っている。当初の作戦通りメディストルに夜襲をかけんとするソラ達は、メディストルの本陣を探していた。

そんな中、何か思うところがあるのか、ウルは草むらの中で立ち止まり、物思いに耽っていた。



「何してんだ、ウル?」

「え?あ…ソラ…」



ソラが、背後から声をかけた。ウルは一瞬驚いたが、すぐに普段の調子を取り戻し、勢いよく敬礼して答える。



「なんでもないッスよ隊長!」

「…本当か?何か……無理してないか?」

「!」



ウルは態度を繕ったものの、ソラにはそれが、何かを隠しているように思えたらしい。心配させまいとしたものの、かえって逆効果だったようだ。

誤魔化しても仕方ない、ウルはそう思い、口を開いた。


「ちょっと……まだ実感が湧かないというか……いきなりこんなことになってまだついていけてないというか……ついこないだまで、私は普通に狩りで暮らしていて、それは変わらないものだと思ってたから……」


そう語るウルの表情は、あまり見たことのないものだった。

ひょっとしたら、出会ってからの短い間ではあるが、日常から非日常へ急落したことへの不安を、さっきのような振る舞いで押し殺してきたのだろうか。

そう思うと、ソラは何だかいたたまれないというか、複雑な心境だった。


「悪い……俺達が、厄介事を持ち込んじまったばっかりに……」

「……何言ってんのさ!ソラが悪いわけじゃないじゃーん」


ウルはぱっと明るくなった。それが、重く責任を感じているソラを気遣っていることは想像に難くなく、ソラは申し訳ない気持ちになりつつも、ウルを探しにきた要件を伝えた。



「ヤツが見つかったんだ、一緒に来てくれ」

「!……了解」





――――――――――


「遅かったやんけ」

「悪い悪い」



ソラとウルが、とある茂みに到着した頃には、既に他の全員は揃っていた。皆、膝立ちの体勢で草陰に隠れるように気配を殺している。



「……で、ヤツは?」

「あそこや」



ソラは、ヤマトが目線で示した茂みに空いた穴を覗く。すると、その先には、あの老人のイビル……メディストルがいた。

傍らには、あの騎士のイビル、アイアクロスが控えており何かを話している様子だ。

今のところ、こちらには気づいてないらしい。


「遂に追い詰めたぜ…今度こそ逃がさねぇ…!」


思い返せば因縁深い相手だ。海底都市での戦いやクレスのイビル化……メディストルの明かしたイビル誕生の秘密は、ソラ達が太陽の力を使う修行をしたきっかけでもある。

その因縁に、今夜、決着をつける。


「幸い周りに他のイビルはおらんようじゃな」

「つまり……やるなら今か!」


セルビスとアルエは周りを確認し、今こそ絶好の好機であることを認識する。



「みんな」



クレスが全員に呼びかけた。


「前にも言ったけど、あの騎士とは私が戦う。だからみんなはメディストルをお願い」


「ああ……わかった!」



クレスの言葉にソラが応え、周りの皆も強く頷いた。



「ワシの合図で一斉に飛び掛かる。そしてクレスはなんとかあの騎士を弾き飛ばしてくれ。

他はソラを残してメディストルの機動力を奪い、ソラが太陽の力で止めを刺す。

それでよいな?」


「「「「「了解!」」」」」



各々、自分の武器に手をかける。因みにウルの武器は、細長い竹の先に鏃を取り付けた簡素な槍。弓を失ったため即座に作ったものだ。



「いくぞ、3……」



目標を見据え、



「2……」



固唾を飲む。



「1……」






「ゼロ」





最後のカウントは、こちらを見つめるメディストルによって数えられた。






「「「「「!!?」」」」」


メディストルの視線から、こちらの居場所がバレていることは明白だった。

こうなれば強行突破しかないと、ソラは剣を抜く。


が、飛びかかろうとしたその時、周りからいくつもの爆音、そして風切り音が聞こえてくる。風切り音はソラ達を囲い込むように高速で近づいてきて・・・



「まずい!砲撃だ!」





連続する激しい衝撃音と爆音と共に、火炎が木々を薙ぎ倒していくように燃え広がる中、「ヒェーーッヒェッヒェッヒェッ」というメディストルの高らかな笑い声が響いていた。



――――――――――――――


「うう・・・気づかれるなんて・・・!」


なんとか爆撃を回避し、ようやく落ち着いたクレスは、作戦が見破られていたことに毒づくと、すぐに異変に気づいた。


「!・・・皆は・・・?」


周りには、仲間が誰もいなかったのだ。砲撃から逃れるべく無我夢中で走り続けた結果、分断されてしまったことにクレスは気づく。おそらくメディストルの狙いはこれだったのだ。


(まずい・・・!ソラはともかく、あとの四人は太陽の力を持ってないから切り札がない!ましてやウルは武器すら持ってないし、私もポータブルサンがいつまで持つか・・・!)


目盛りを見てみると、7割ほど残っており、とりあえずは行動する時間はある。だが、戦闘で無駄に消費することは避けたい。


(とにかく、みんなと合流しないと・・・!)


なるべく気配を消しつつ、その場から離れようと動き出すクレス。



ガシャッ、ガシャッ・・・


「えっ?」


しかし、踏み出したと同時に聞こえてきた、明らかにクレスのものではない重厚な足音。

その音が自分の背後から聞こえてきたことを察したクレスは、ゆっくりと後ろを向く。







「・・・あなたは・・・!」





鎧に身を包み、大剣を携える騎士のイビル、アイアクロスが、そこに立っていた。




ある程度展開の見通しが立ってきたので、今後はもう少しスムーズに更新出来ると思います。今回は半年近くもの間を空けてしまい申し訳ありませんでした。

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