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第31話:老人、セルビス


地面に倒れ伏した、アルエにじいちゃんと呼ばれたその人物はむくりと立ち上がると、自分を冷ややかな目で見る孫娘アルエを見て、目に涙を浮かべた。




「おおアルエ……大きくなったの「いや今更綺麗に来ても第一印象最悪だぞ」




アルエのツッコミを受け、ちぇっ、などとおよそ老人らしくない舌打ちをしたかと思うと、いつの間にやら涙も引っ込んでいた。隠す気もない行動を見ると、かなり軽い性格のようだ。




「こ……これが……お前のじいちゃん……?」




離れたところから一連のやり取りを見ていた三人のうち、ソラがアルエに尋ねた。




「ああそうだ」



「よろしゅうなー♪」







「「「…………」」」







三人はただただ、呆然とするしかなかった。







「ホ、ホンマに偉大な武人やったんか……?」


「何を言う!ワシの弓矢捌きを見たじゃろう!」


「いや、まぁ……うん」





確かに先ほど犬を倒した鉄矢の実力はかなりのものだが、本当に目の前の老人が撃ったものだったのだろうか……?イメージが出来ないのだ。この物腰軽く風格が感じられない老人が、あの正確無比な射撃をおこなったことが……。本当に偉大な武人、実力者なのか、三人はまだ疑っていた。




「ハァ……全く最近の若い者はこれだから……世界をまるで分かっとらんわい」




わざとらしく溜め息をついてぼやく老人に対し、三人はいや無人島に住んでいるくせに何を言っているんだとツッコミたい気持ちを抑えた。







「『闇のセルビス』という名を聞いたことはないかの?」






闇のセルビス……その名を聞いたソラとヤマトの表情が、驚きに変わった。




「まさか……数多の戦いの裏で暗躍し、伝説の隠密と言われてたという……」


「ピンポーン♪それがワシじゃよ」






その昔、この世界に戦争が起こっていた頃、闇のセルビスという凄腕の雇われ隠密が各地で諜報暗殺護衛伏兵を遂行していたという。しかし、その姿を知る者は誰もおらず、作り話であると唱える者もいた。


その伝説的な隠密が……









「ワシの偉大さが分かった?のう?のう??」











……本当にこの老人なのか……?








「いーかげん信用せんかぁ!!」




とうとう怒り出したセルビス。しかし……




「そうは言ってもなぁ」


「信じ難いわなぁ」


「……スケベだし」




冷めた様子の三人。特にクレスの目が冷たい。




「ぐ……まぁスケベは否定出来んがな……こんな島でずっと一人でおると餓えるわい」


「何言ってんだジジイ」




オープンに言ってしまうスケベジジイ。この小説規制には引っ掛からないだろうか。




「まぁ、立ち話もなんじゃ。とりあえずワシの家に来んか?」




ソラ達に近づきながら提案するセルビス。歩みを止めるつもりがなさそうなところを見ると、もはや決定事項のようだ……














「おぬしの力についてもそこで聞くわい」



「!!?」









ソラとすれ違う瞬間、彼にしか聞こえないくらいの小さな声でボソリと呟く。その言葉とそれに込められた威圧感に一瞬怯み、ばっと振り返るが、老人は既に先ほどのように軽い立ち振舞いに戻り、鼻唄混じりで森の奥へと進んでいた。



かくして一行はセルビスの家へと歩を進めていった。






―――――――――――



巨大な木の切り株の中をえぐり抜いて改造した小屋のようなものこそ、セルビスの家であった。


木で出来ているため意外としっかりしており、中は暖かく、おそらく手製であろう木の枝を使ったテーブルや椅子、石積みの暖炉、果ては獣の皮を剥いでこさえた絨毯まであり、まさしく子供向けファンタジーに出てきそうな家だった。


ソラ達四人は木の椅子に腰かけている。




「ホレ、温まるぞ」




セルビスはそれぞれに、こちらも木製の皿を渡した。皿には薄い色の、具がないスープ。おそらくダシのみで作ったものだろうが、ダシがよく効いたスープは味も悪くなく、何より一晩中小舟で旅し、犬との戦闘もあって疲弊しきった体に、温かい物は染み渡った。




「じいちゃん、話があるんだけ「飲んだら今日は休め」


……ってオイ」




アルエが話を切り出した瞬間、それを遮るようにセルビスが言う。




「長旅じゃったろう、とりあえず休め、明日への活力をつけるためにな」


「話を聞い「布団も用意したでな。ゆっくりしていくがいい」



「じいちゃ「さて……ワシも寝るかのう」











セルビスが自室の方向に体を向けた瞬間、突如バンッ!!!!という音が響き、皆静まりかえった。











「……話を……聞いてくれ」








音の発信源であるソラが、机を叩いた手をワナワナと震わせ、セルビスの背を睨み付けながら言った。






「今、化け物が世界中に広がりつつあるんだ」


「あぁ、やはりか」


「あんた、今まで黒い化け物に襲われたことがあったか……?」


「……あったなぁそういえば」


「……殺したか?」


「火の粉を払っただけじゃよ」




ソラは強い口調でセルビスに投げかけるが、セルビスは背を向けたまま、飄々とした口調を変えない。




「あんたは知らないだろうが、あれは罪のない生き物の成れの果てなんだよ」


「ほほう」



「かと言って、放っておけば世界は飲み込まれちまう」


「そりゃあどうしたもんかのう……」



「…………!!」





睨み付けるだけだったソラの表情が怒りを露にしたそれに変わった。椅子から机を飛び越え、剣を抜き、背後から首越しに刃を突きつける。脅迫の体勢だ。



これまでずっと見ていたクレス、ヤマト、アルエもさすがに驚き、ソラを止めようと立ち上がるが、




「手を出すな下がってろっ!!!」




ソラの怒声によって静止させられた。




「ジジイ、こっちは真剣なんだよ……!」


「…………」


「わかってんだろ……俺の力のことを……!」


「…………」




今度は黙ったっきりのセルビス。しかし、こちらの突きつけた剣に怯えている様子はない。こちらの言動に呆れてすらいるように見えた。





「黙ってんじゃねぇよ!!!!」





その態度に、ソラは無性に腹が立ち、怒りを爆発させた。


















「……で、どうするってんじゃ……」




















セルビスの纏う空気が、変わった。






学業バイト芝居学業バイト芝居学業バイト芝居学業バイト芝居学業バイト芝居学業バイト芝居学業バイト芝居学業バイト芝居…………



……書くのはともかく構想練る時間を下さい(泣)



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