第16話:タツノミヤの冒険(1)
今回は少し短めです。
第16話です。どうぞ。
「伝説の海底都市、タツノミヤだ!!」
「これが……タツノミヤ……」
皆、目の前に広がる遺跡に驚きを隠せない。
海底都市の存在など、伝説上のものだとしか思ってなかった。
しかし、目の前に広がるそれは明らかに古代都市の遺跡。
「これが伝説の海底都市タツノミヤ……わくわくしてきた!!」
アルエは目を輝かせ、もう冒険モードだ。
「海底都市……私もわくわくしてきたかも……」
海中をよく知らないクレスも冒険モードに。
「「おーい、戻って来ーい……」」
ソラとヤマトがつぶやくが……アルエとクレスの目は光を失わない。
「「!!」」
ソラ、ヤマトは何かの気配を感じ、そっちを向いた。
そこには、今まで多く戦った猿型のイビルが一体こちらを見ていた。
「どぉりゃぁっ!」
「ぐあ!」
瞬時にヤマトが刀を一本投げつけ、イビルを倒し粒子にした。
「何事だ!」
「どうしたの!?」
浮かれコンビが騒ぎに気付いたようだ。
「イビルがいやがった。猿みたいな奴の方だ」
ソラが説明する。
「「イビル!?」」
「……そうか……ここ…敵地だったんだ……」
「はぁ……イビルいるんだ……」
一瞬にして二人のテンションは地に落ちた。
「いつになったら普通に戻るのかな……?」
「さっきの奴…あの半魚人やなかったな…どういうこっちゃ」
「ああ…それは分からねー…だが、これだけの広さの都市だ。大量にいるんだろうな。」
改めてここが敵地であることを認識した四人は、タツノミヤに足を踏み入れることにした。
広大であることと、少しでも敵に見つからないようにするため、ソラとクレス、ヤマトとアルエの二手に別れて動くことに。
お互いの健闘を祈り、二組はそれぞれタツノミヤに乗り込んだ。
ヤマト、アルエは遺跡の柱に隠れながら、見張りのように配置されているイビルを暗殺しながら進んでいた。
叫ぶ隙も与えないように確実に急所を狙う。
「さて…ここはどの辺なんや?」
「もう随分進んだと思うが…
!!」
アルエは上からのイビルの視線を感じとり、その方向に苦無を投げた。
「ぐあ!」
苦無は遺跡の上にいたイビルの喉に突き刺さり、見事イビルを始末した。
「な、何事だ!?」
……聞きたくない声が聞こえた。
「しまった!上にまだいたのか!」
「アホ!早よ隠れな!」
「いたぞ!!」
「「うわあぁぁ!!」」
ヤマトとアルエがイビルに見つかった頃、ソラとクレスは柱の陰でポータブルサンのチャージをしていた。
二人も、なるべく無駄な戦闘を避けるため、隠れながら、時にイビルを倒しながら進んでいる。
「今の居場所の把握が出来ねーな……」
「同じような遺跡が迷路みたいに続いてるもんね…」
一度遺跡の上に登ればある程度の居場所は分かるだろうが、隠れるのが困難になる。見つかった時厄介なことになってしまう。
「あ、目盛りが満タンになったよ」
「よし、じゃあ行くか」
と、二人が動き出そうとした瞬間……
「曲者らしいぞォ!!」
イビルの声が響いた。
「やべぇ、見つかったか!?」
「隠れなきゃ!」
二人は柱の陰から体がはみ出ないように隠れる。
すると、三体のイビルが走って来た。イビルは口々に、
「相手は青バンダナとガキの二匹だぁ!!」
「急げェ!!」
と叫びながら、ソラとクレスに気付くことなくそのまま走り去っていった。
「ヤマトとアルエ!?見つかっちまったのか!」
「私達も行かなきゃ!」
しかし、走り出そうと柱から出ようとした時、クレスが不覚にもつまずいてバランスを崩し、壁に寄りかかったが、壁が人二人分の面積分、回った。
なんと偶然壁が隠し回転扉になっていた。体重をかけたクレスは扉に吸い込まれる。
「きゃあぁ!」
「クレス!」
クレスを吸い込んだ回転扉は、なぜか一度閉まった後動かなくなった。叩いても蹴っても開かない。
「くそ!なんで開かねーんだよ!仕方ねぇ、どこかに入れる場所があるはずだ!」
ソラは遺跡周囲の探索を始めた。焦りのため、ヤマトとアルエのことは完全に頭から外れていた。
回転扉に入ったクレスだったが、その先に床がなかったため、3メートルほど落下し体を打った。
「いたた……一人になっちゃったな……」
まだ痛む体をちょっと起こし、周りを見ると、そこには、電球が点き鉄パイプが並びコードが引かれ、パイプから時々煙がプシューと吹き出す、太古の遺跡とは思えない機械的な風景が広がっていた。。
まるで何かの工場のような……
「ここは一体…?」
クレスはしばらく呆けていたが、とにかく動かなくては話にならない。
ポータブルサンもチャージしたばかりとはいえ、イビルと遭遇しては消費することになる。なるべく早くソラと合流しなければならない。
体の痛みが引いてきたのを確認し、クレスも動き始めた。
次の更新はいつになるやら……
ええい、弱音を吐くな菊一文字!
頑張ります。