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第15話:腹の中にて


時間が欲しい。色々な事に束縛される日々に涙…



帰宅部で暇過ぎた高校生活が懐かしい菊一文字です。



第15話です。どうぞ。





「おーい!みんな無事なのかー?」




真っ暗闇の中響いたその声は、ソラのものだった。




「……ソラ?ソラ!近くにいるんだ!」


「この声…クレスか!」



「おーい!ここやここや!」


「私はここだ!みな、無事のようだな!」



声を頼りに四人が集まる。






船で海に出て、渦潮のあった場所までやって来た四人だったが……



―――――――――――



「あの蛇が出たら、まず勝ち目はない。あっという間に口の中だろう。だから、口の中に入ったら中で暴れて、喉潰してやるんだ。」


「そんな上手くいくとは思えへんけどなぁ……


……ん?潮の流れが変わりおったで」



「!!来るぞ、渦潮が!」



全員の注意が下に向く。


すると、周りが突然暗くなった。



「なんだこれは……渦潮が現れる兆候なの…………………」



最後まで言いかけたソラが前を向いた瞬間絶句した。



目の前には、あの巨大蛇の上顎があったのだ。後ろには下顎。四人はオチを察した。










ゴクン






―――――――――――




「分かったかな読者諸君?」


「開き直んなやソラ!どうすんねんこの状況!」


「とにかく、こう真っ暗じゃ動けないよ。明かりつけるね」



クレスはそう言うとポータブルサンを光らせた。まだ目盛りに余裕はある。


改めて周りを見渡すと、肉の壁だらけである。あまりいい気分にはなれない。



「口の方に行こうぜ。脱出するんだ。」


「口?どっちや?」







……………







「とにかく行くぞ!仮に方向が逆だったとしてもそっちから出られる!」



「「「え――!?」」」



開き直るソラを筆頭に、進み始める。







大蛇の体内をしばらく歩いていると、周りに生物の体には含まれていないものがあることに気付いた。





木くずである。





「これって…まさか…」



クレスが顔を青くして呟いた。




そして、クレスの思った通り。更に進んだ先には…………






船の残骸と、無惨にも、五体バラバラに引き裂かれた男の死体が三体。



そう、ソラ達四人の前に大蛇に飲まれたものである。


不幸なことに、この船は噛み砕かれたらしい。




四人は少し吐き気を覚えながらも、合掌し彼らの冥福を祈った。



不意にアルエが口を開いた。



「これが……イビルとやらが人々にもたらす影響か……」



……一瞬、場が静まる。



「ああ……奴らは、ワイらの大切なモンを平気で奪いよる。それも……笑いながらな……」



ヤマトが答えた。



彼もまた、タイタン達同志を、一日にして失った、奪われたのだ。



「そんな奴らの好き勝手には……させん!」


「ああ!」



アルエとヤマトは、イビルに対し新たな怒りに燃え上がる。奴らを倒すことを誓った。







それを聞き、わずかに顔を俯せたクレスに気付いたのは、ソラだけだった。







四人は大蛇の中を、口の方に向かっていると信じながら、ポータブルサンを照射し続けるクレスを気遣い時折休んで光を補給しながら進む。



どれくらい時間が経ったのか分からない。




しかし、始まりがあれば終わりは来る。



一行はようやく大蛇の牙と舌を発見した。


それはつまり、四人が大蛇の口、即ち出口に到達したことを意味する。




「やっと見つかったなぁ!これで蛇の体内からオサラバや!」


「ちょっと待て!もしまだ海の中だったら…この口を開けた瞬間大洪水だぜ!」



確かにその通り。今大蛇がどこにいるか分からないため、迂闊に開けるのは怖い。



「何か確認する手は無いかな……」


「「「「うーん……」」」」





……………………………



「あ、そうだ」



全員が一斉にソラを見た。


「頬に小さい穴開けて水が入って来ないか確認しよう。」




なんという強引な手だ。だが小さな穴なら水の侵入も遅いはずだし、蛇を刺激して海上に動かすという効果も期待出来る。


他に策があるわけでもないので、三人も承諾した。





ソラは剣を抜き、大蛇の頬に向き直った。そして、剣を両手で弓を引き絞るようにゆっくりと引き、腰を落として止まる。






「うおおお――っ!!」



雄叫びと共に、剣が大蛇の頬に突き刺さった。








刺さった剣を頬から抜く。すると……











「水が……入って来ない?」



「ここが陸上やちゅうんか?」



「ソラ、刺した穴から外見れないかな?」



「ん、ちょっと見てみるか。えーと……」




とソラが穴を覗こうとした瞬間だった。突然地面が上がりさっきまで地面だったのが壁に。口が天井に変わった。


大蛇が頭を上げたらしい。





四人「うわぁァァァ!」




四人は腹の方へ落ちていくが、ソラ、ヤマトは剣、アルエは苦無を咄嗟に肉の壁に突き刺し、クレスはソラが手を掴んで落下を防いだ。



しかし、大蛇はもがくように頭を揺らしていて、その影響は当然中にいるソラ達にも及ぶ。



「うおぉお……オエ…」


「えっ!ち、ちょっとソラ吐きそう!?その位置で吐かないで…」


「くそっ!ワイらが剣ぶっ刺したからのようやな…!黙らせたるしかないな」


「待てヤマト!ワタノツチを殺す気か!?レビタの、タツノミヤの守護神を!!」



「知るか!このまま死んでたまるかいなぁ!!」



「やめろおォォォ!!」




アルエの制止も聞かず、ヤマトは自分の刺した剣に乗り刃の弾性を利用して飛ぶともう一本の剣を抜き、上の方の肉の壁に突き刺した。










ヤマトの剣が肉を貫くと、大蛇は頭を揺らす動きを止め、断末魔を上げ完全に静止した。ヤマトは見事脳天を貫いたようだ。





すると、四人の周囲の肉の壁が一気に黒い粒子になり、拡散し跡形もなく消滅した。





「「「「え!?」」」」






支えを失った四人は転落し地面に体を打った。特にヤマトは一番痛かったらしい。





「痛ぁ……あ、あれ?ここは……」



最初に顔を上げたクレスがそう言うと、あとの三人も顔を上げ、絶句する。




周りは海であり、魚も泳いでいる。日の光が少しだけ射し込んでいて美しい。


だからこそ不思議である。何故四人は海の中で水の重みも感じず浮遊もせず、普通に呼吸も出来るのか。足は海底の地についているらしいが……



「どうなってんだ?幻か、夢か?」



ソラが言ったその時、クレスがソラの頬をつねる。



「痛たたたたたた!!!な、何すんだ!!」


「幻でも夢でもないんだね。ふふ♪」



満面の笑みを浮かべるクレス。かなり楽しそうである。




「……なんか、いつもとテンション違うな…」



「アッパースカイは雲の上だから、雲海はあっても水の海はないの。上から見るのは出来たから海は知ってたけど、こうして海の中を見るのは初めてなんだ♪」



「俺達も初めてなんだよな…呼吸しながら海の中見るの……」



ソラの提示した謎を無視し、クレスは周りの魚に目を輝かせていた……。


「ん?」


そんなクレスを見ていたソラは、ある不審な点に気付いた。



「おいクレス、何に手を当ててんだ?」



「え?……あっ」



クレスは今、まるでガラスでもあるかのように手を空間に当てている。ここは海の中なのに。



「そうか……何かに覆われてるから海の影響を受けないのだな。つまり、ここには何か人工的なものがあった訳だ。あの大蛇はそこに帰ろうと……」


とアルエが推理する。


「お――い!ちょっと来てみい!」



ヤマトが、三人からいつの間にか離れたところから声をかける。






ヤマトの呼びかけに、三人が集まる。



「下、見てみい。」









「なっ!」

「あっ…」

「おお…!」






崖から見下ろしたところには、なんと石造りの遺跡のようなものが大きな一つの町のように広がっていた。




正に古代都市である。崩れているものもあったが、多くの建物はまだ形を残していた。






「アルエ、もしかしてこれ……」






「ああ……















伝説の海底都市、タツノミヤだ!!」









遅くても二ヶ月に一話投稿、を胸に執筆します。


これからもよろしくお願いします。

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