第14話:海と渦潮
すみません!本当にすみません!
今まで執筆の暇が無く、今日まで投稿出来ませんでした!
大変遅くなりました!
第14話です。
「月の者よ…」
あ……この声は……イシスの森の時の……
「………海底………」
海底……?
「……イビル達が太古の海底都市に……」
太古の海底都市……?はるか昔に沈んだの……?
「………そこに………」
えっ……
…そ…そんな………!
―――――――――――
「お、起きたかクレス、おはよう」
既にソラ、ヤマト、アルエの三人は起床し、机の上に置いてあるパンをかじっていた。クレスも机の前に座る。
無言だった。
「どうしたんだクレス?」
隣に座っているソラが尋ねた。
ヤマトとアルエも、心配そうにクレスを見る。
少し間を置いてクレスが口を開いた。
「また聞いたの……夢の中で……」
「海底都市に…イビルがいるんだって」
「海底都市…?そんなのがあるのか?」
「ちょっと想像できひんな…」
クレス、ソラ、ヤマトの三人がそんな問答をしている中……
「…………!」
ただ一人、アルエだけは何かを感づいたようだった。
その様子に、ソラが気付いた。
「アルエ?まさか、何か思い当たることがあるのか?」
「うむ、このレビタの町にある古い伝説に、古代海底都市『タツノミヤ』というものがある。だが、誰も見たことがない想像上のものだ。レビタは港町だから創られた伝説と言われている。まさか、実在するというのか…?」
「古代海底都市か…面白そうやけど、クレスの夢が本当やとしても、誰も見たことないなら場所も行き方も分からへんな……」
全員、う―むと首を傾げる。ふと、アルエが思い出したように言った。
「先日のイビルは海から現れた。入り口は間違いなく海にある訳だ。奴らの歩いてくる軌跡から海底都市の場所を読めないだろうか…」
「歩いてくる軌跡なんてどうやって判断すんねん。海の中やろ」
「そ、それは…お…泳いで??」
「行けるわけないやろ!」
目の前の景色は青。
ザザーンという音が聞こえる。
海底都市を探る方法が浮かばない四人は、とりあえず海へやって来た。
もちろん何も出来ないので、四人はただ並んで座って目の前に広がる青い景色をぼーっと眺めていた。
ソラ「………………」
クレス「………………」
ヤマト「………………」
アルエ「………………」
目は虚ろで口は開き、なぜか体育座りで並ぶ四人は部外者から見ればただの阿呆の集団だろう。
「……どうしようか――……」
ソラが口だけ動かして言った。
「「「…………」」」(クレス、ヤマト、アルエ、全く動かない)
「…………」
(ソラ、何も言わなくなった)
………駄目だ。半ば屍になってる。
いや、ただ一人、クレスだけは違った。クレスだけ、目は何かを思い詰めているようだった。
海底都市を探す方法ではない何かを……
『………そこに………』
あの夢で告げられたこと、それが頭の中で渦巻いている。
そんなクレスの心理状態を、もはや半分屍になっている三人の阿呆が気付くはずもなかった。
「……あ!」
ふと、クレスがある光景に反応した。
「「「ん〜…?」」」
三人も反応したが相変わらず間抜け面だった。
「なんか…向こうに変な波紋が見えない?」
クレスが水平線を指差して話しかける。それを聞いて三人は少し覚醒したようだ。
「どれどれ……?
………お、本当だ」
屍から少し覚醒したソラが確認する。
確かに、四人から見える水平線ギリギリのところに、円形状に形作る波紋がある。自然の力にしては、はっきりしすぎている。
「何なんだろう……
よっと」
不思議に思い、もう少し高いところから見えないかと思ったソラは、近くの木に登り、その波紋の中心に目を向けた。
「!!?」
波紋の中心を見た瞬間、ソラの頭が完全に覚醒した。
「でけェ渦潮が現れてやがる!!」
「「「!!?」」」
聞いた瞬間、全員が覚醒した。
「……あ!?」
ソラはまた何か見つけたようだ。
その視線の先には……
渦潮に捕まった漁船。
「何が起こっとるんやソラ!詳しく教えんかい!」
ヤマトが叫ぶがソラには全く届いてない。
ソラは、流れに逆らえず螺旋状の軌道を描きながら渦潮の中心に近づいていく漁船に釘付けだった。
漁船が渦潮の中心に到達したその時だった。
渦潮の中心から大きな水柱が立ったと思いきや、巨大な蛇の頭が現れ、漁船を飲み込んでしまった。
蛇の頭は漁船を飲み込むと、すぐに引っ込んでいった。
蛇の頭は、ソラだけでなくクレス、ヤマト、アルエの三人にも視認出来た。
漁船は見てなくても、驚きと恐怖を感じるには十分だった。
「い、一体なんやったんや今のは!?」
ヤマトは腰を抜かしていた。かつてライオンと戦ったことはあっても、巨大な蛇なんて見たこともない。
「あれはまさか……タツノミヤを守ると言われている海蛇の神……『ワタノツチ』!?
ただの伝説だと思っていたのに……!!」
アルエが驚く。そして…
「実在していたんだ!」
キラキラキラキラキラ…
その瞳は眩しかった。
「ワタノツチがいるってことは、海底都市タツノミヤが実在する可能性があるってことだ!みんな、行こう!」
「「「待て待て待て――!!」」」
アルエの暴走にも驚いたソラ、クレス、ヤマトの三人だった。
とはいえ、クレスの見た夢が真実なら、海底都市タツノミヤは実在する可能性が高い。さらに、そこには天地神明の翼の一枚があるかもしれない。
行くしかない。
四人は一旦町に戻り、小船を買った(アルエ支払い)。
九歳くらいの子供が金を出す姿を見て、ソラ、クレス、ヤマトの三人は涙を流した。
(うう……本当にすまない……)
船を買ったはいいが、既に蛇も渦潮も消え、どこに行けばいいか分からない。
が、次の渦潮を待つなんて呑気にする余裕もない。一刻も早く敵地を叩かねば、レビタの町からイビル達の恐怖が消えない。
とりあえず、渦潮があったところの中心に行くことにした。
町人から見れば、異様な光景だろう。漁師でもないのに、巨大な蛇が出た危険な海に繰り出す若者四人(内一人子供)。
時々港から、「早まるな―!」なんて声も聞こえた。
やがて、船は渦潮があった場所に辿り着いた。
「あの蛇が出たら、まず勝ち目はない。あっという間に口の中だろう。だから、口の中に入ったら中で暴れて、喉潰してやるんだ。」
などという打ち合わせをしていると……
ゴクン
今回、約4ヶ月もの間が空いてしまい、すみませんでした。
しかし、次話もいつ出来るか全く分かりません。本当に申し訳ありません。が、必ず投稿します。
今後、こんなに間が空かないことを心がけるつもりです。よろしくお願いします。