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 「いい加減にしなさいよ!!何にも見えないじゃない!」

 シナーラの呟きを聞きとがめて、ヴァーサが今度ははっきりと士官候補生達を怒鳴りつけた。その勢いに士官候補生たちは鼻白んだ。少し離れたところにいたグァヤスも慌てて側へ寄って来る。そこへエスメラルダがごくさり気なくヴァーサを無視して話しかけた。

「何が見えるのですか?シナーラ」

「あ、サグレス達のボートが戻って来てるんです……」

「そうですか。様子はどうですか?」

 グロリアもグァヤスも目を凝らすが、その目には水面と水平線しか写らない。ヴァーサが後ろでイライラと甲板を蹴っている音が聞こえるが誰も取り合わなかった。

 シナーラは再び海に目をやった。その頃にはボートらしき影が皆にも見て取れるようになっていた。ボートを見ると情勢が悪いと判断したのか、ヴァーサは静かにその場を離れて行く。慌てて取り巻きの一部が後を追うが、何人かはその場に残って海面を覗き込んでいる。その様子を伺っていたラディックはくすくす笑った。

 シナーラは更に目を凝らす。櫂を握るイーグルが見える。そして……

「サグレスが何か小さな物を持っています……鐘だと思います」

「鐘?」

「船にあるヤツみたいなのです。あ、鷹の絵と文字が書いてあるみたいです」

 それを聞くとエスメラルダの顔が緊張した。


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