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教会にて 1

 僕たちは門番のところに到着して、門番の人たちに止められる。


「ドラーク様ですね。仕事ですので、身分を証明できるものの提示をお願いします」

「あぁ、これだ、確認頼む」


 その言葉に対して、父さんがポーチからコインを取り出す。

 門番がそれを確認すると父さんに向かって敬礼を見せる。


「お仕事お疲れ様です。本日はどのような御用件で?」

「俺の息子の教会での祝福を受けなきゃいけなくてな」

「ドラーク様のお子様ですか。お二人目でしたね。では、どうぞお通りください」

「おう。仕事ご苦労さん」


進み始めた父さんに僕は後ろからついていく。まさか、父さんって有名人なのか!?

確認しなければ!!


「父さん、まさか父さんは有名人だったりするの? ほぼ、顔パスだったし」

「ん? あぁ、何度もここの門は通っているからな。顔も知られたらしい。それになぜか、ここの辺境伯の兵士からしたら、確かに有名人扱いらしい。騎士学校にも行かずに実力だけで騎士になったとかで」

「でも、もしも父さんより強くても今はそういうことはできないよね?」

「あぁ、それはそれ、これはこれらしい。迷惑なことだ」


 父さんがため息ついてる。そういう対応されるのが意外と面倒なのかな?



 そういうこともあったが、無事教会まで到着する。


 教会は意外とこじんまりしているみたいで、権威みたいな見栄は存在しないみたいだ。


「そういえば父さん、教会は権力が強いとかそういうのはあるんですか?」

「アーサー、いきなりどうした?権力の話なんてお前ぐらいの子が言う言葉じゃないぞ」


 ミスった。なまじ前世の記憶があるから、みんなからしたら、なんでその言葉が出てくるのか疑問になってしまうんだよな。


「な、なんとなくそういう風に感じただけで……」

「そうか、確かに教会は権力は強くない。というか、落ちてしまったというのが正しいな」

「落ちた? まさか、『人魔大戦』で何かがあったとか?」

「よくわかったな、教会の最高権力たちがやらかしてな。最大規模の治癒術師が集まる機関が戦争に治癒術師を出そうとはしなかった」


 な!? そんなんじゃ戦争にならないだろ。もしかしたら、敵対組織ってことになるぞ!


「理由は、戦争による取り分を増やそうとしたためらしい。まぁ、そのせいで3国から国直属の騎士隊が総本山に勢ぞろいで向かったら、この件にかかわった教会の人物や、別件で裏取引していた人物を教会内部の人らが全部追い出したらしいぞ」

「別件のものまで……その中心人物はかなり思い切りがよすぎな気が」

「あぁ、聖母と呼ばれるような人だ。レイア・オーグスト。何回か話したことがあるけどな。あれはすごい、いい意味で尋常じゃねぇ」


 あれ? 父さん、顔が引きつっていますよ!


「父さん、そんなに?」

「心の中で考えてることがばれるから、相手は隠し事ができない。そして、心の中が見えているのだと悟らせない精神力がある」

「え? でも父さんはなんで知ってるの?」

「本人から暴露されたからな。あのときはびびった。『変に言いふらすとあなたの首はありませんからね』って笑顔で言われてびびんないわけないだろ。そしてそれがお前にも適用になるから気をつけろよ」


 

 あれ、もしかしたらかなりまずい情報をきいてしまったのか?


「父さん。まじ?」

「そうだが、まぁ大丈夫だろ。お前はそこら辺はしっかりしてるからな。ただ、家族でも知ってるのは俺とお前だけだ。エミルが知るとぽろっと口にだしそうだからな。カールも同じ理由だ」

「まぁ、確かにそうかもしれないけど」

「それよりもだ、もう教会に着いたんだから行くぞ」


 そのまま父さんは教会の中に入っていくのでついていかなければ。

 てか、それよりも。とかの話じゃないよ。今の話は封印するしかあるまい。



 そして、教会の中に入り、父さんが司祭に語りかけている。

 そのまま司祭に奥の部屋へ連れて行かれる。

 

 そこは机の上に紙が置いてあるだけで他に何もない部屋だった。


「では、始めてしまいましょう。アーサー君でしたね、この紙を手にとって目をつぶっていてください」


 僕は司祭に言われたように紙を受け取り目をつぶる。


「では、『生と死をつかさどる神よ。汝が子アーサー・エクセルの進む道に祝福を』 ではアーサー君もう目を開けて大丈夫ですよ」


 司祭に言われたので、目を開けてみると、紙に文字が書かれているのがわかる。


 これがギフトを調べるための手段なのか?

 

 内容は



  属性 氷 風


  ギフト 敵意察知



 と書かれている。


「属性が2つかつ1つは上位属性か。それでギフトがあるとは」


 父さんがなぜか頭を抱えている。


「父さん。なんかまずいことあった? てか上位属性?」


 さすがに気になり、父さんに聞いてみる。司祭はなんかびっくりした顔してるし。


「そうか、エミルは上位属性を教えてなかったか。まずそれを説明するか」

「お願い父さん」

「火の上位は炎、火が燃やす属性として、炎は溶かす属性。水の上位は氷、水を凍らせられる。風の上位は雷、空の自然現象といわれている。土の上位は、金属性で金属を作りだせるってわけだ。さすがにかなり魔力を消耗するらしい」


「そして、上位はかなり希少だ。俺はアーサーと同じ氷属性を持っているやつは一人ずつ見たが、国直属の存在だったな。他の上位属性は見たことはないな。特に雷は英雄の象徴として伝えられているし、金属性は一人だけ存在していた記録が残っている。」



 ここにきて新事実発覚だ。てか、雷と金属性は現存していないみたいな言い方なんですけど。


「アーサーの場合は上位の氷だから、使い方とすれば、氷そのものを作り出すか、水に干渉して氷にすることができる。そして、上位属性が得意だと下位属性も得意属性に含まれる」


「ということはだ。アーサーは水と氷、そして風の属性の3つを持っているといえる。そしてこれはかなりまれだ。そして、ギフトも持っている。」


 たぶんこのギフトは戦闘には使えないが、暗殺、不意打ちに強いギフトだろう。

 ギフトについては、確かに戦闘には使えないだろうけど、もしかしたら、毒殺さえ回避できるかもしれない。

 信用しすぎるのもいけないが、初めてゴブリンを見つけた時の感覚は、このギフトによるものだったのか。


 そして、父さんが口を閉じてしまったので見ていると、一旦目をつぶってから話し始める。


「これら全部をもつ人間は聞いたことがない。まあ、うわさで、あの人物はそうなんじゃないか? とか、うわさはあったりするが、基本的にギフトは他人に開示しないからな。で、ここからが本題だ」


 父さんが司祭さんの何かを確認してから、また僕に話し始める。



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