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魔法の発動



 それからまた一カ月がたつと、兄も体内魔力を動かせるようになってきていて、そろそろ体の外に魔力を放出できるところまできた。

 

 あと兄さんは、魔法の練習を始めた少し後に剣術の訓練を始めた。まだ素振りしかしていないけど、父さんと母さんが言うには、なかなか筋がよさそうらしい。

 僕も兄さんの訓練を見てみたけど、さすがに剣道とは違うものに見える。魔物を切るための剣術だからだろうか、しっかり振り抜いていた。


 ちなみに僕はさすがに3歳なので剣術は習っていない。というか、一回剣を持たせてもらったが、持ち上げられなかった。てか、本物の剣ってかなり重い!それも思ったより大きいし。



 魔法のほうは属性を乗せる手前まではできるようになった。兄さんより早いのは剣術の訓練の時間も魔法の訓練にあけたりしているためだと思う。


 あと、体内魔力を早く動かせるようになれば、魔法の発動が速くなると母さんが言ってたし、体内の魔力だまりから何回も魔力を取り出していくと使える魔力が増加するらしい。

 ちょっとは魔力が増えているのは感じることができている。





 そして今日は魔法の発動の練習をすることになった! 今は兄さんと一緒に母さんのお話を聞いているところだ。


「それで、魔法の発動なんだけど、カールの得意属性は風だからアーサーも一緒に風属性の練習をしようかね。」

「「はい、母さん」」


「まずは体内から魔力を取り出し、自分の前にかざした手のひらに集める。そして、緑色の風のイメージを乗せる。それを前に飛ばすと、ひとまずは魔法が完成するはずだね。魔法としては突風の魔法のイメージで二人ともやってみな」


 そう言われて、僕は体内から魔力を取り出し、手のひらまで持っていく。たぶんここまでで5秒以上はかかっている。そして、手のひらに集まった魔力に自分の風のイメージを乗せる。そうすると自分の魔力が変化していくのがわかる。

 元々の魔力であるかなり薄い靄が少しずつ緑色になってきている。これが風属性の魔力ってことなのか?それにしても、全体が緑色になるまで10秒近くかかった気がする。そしてこれを飛ばせばいいのか?


 そして僕はその魔力を突風を意識して前方の木のほうに飛ばす。

 そうすると、自分の魔力が前に飛んだ感触を感じた。そう確実に飛ばした。飛ばしたことは飛ばしたんだけれども……



 結果は木が揺れた! 揺れたことには揺れた。


 ただ、そよ風並みに弱かった。

 


 そのことにびっくりして、兄さんのほうを見ていると今魔法を飛ばすところらしい。そして兄さんの魔法も発動したが……そよ風だった。


 兄さんもそれに声が出なかったようで、口が開いたままになっている。だから兄さん、ピンポン玉がすっかり入りそうな位口があいてますよ。


「どうだい、魔法そのものは実感しただろ?」


 母さんが声を掛けてきてくれた。

その声に兄さんと僕がそちらを振り向いてうなずく。


「まぁ、初心者はそんなもんなのさ。さすがの威力の弱さにびっくりしたみたいだね。魔法を教える前にも見せたけど、同じものをまた、それも今回は倍の時間をかけて見せるから見ときな」


 そういえば、母さんの魔法ってまりょくを感じることができないときにしか見てないから、しっかり魔法を見るのも初めてだ。


 母さんの手のひらを見ていると魔力が集まって、うすい靄がどんどん濃くなっている。かなり濃くなった思ったら、球体が他の魔力が形をかえ定規のようになり、濃い緑色の魔力に変化してしまった。

 そしてその魔力がかなりの速度で飛んでいき、この前と同じように木の枝を断ち切った。


「二人ともちゃんと見てたかい? 見てたならわかると思うけど、あんたたちが集めた魔力よりもっと多くを集めて圧縮、私の場合はそのあと切断しやすいように形を変えて、しっかり属性を注ぎ込む。そして最後は飛ばすだけさ。一応はそれだけでこんな風になるよ」


「ちなみにあたしだと、この魔法は7秒ぐらいで発動できるね。かなりの魔法士だと、たぶん4秒ぐらいで発動させることができるかもしれないね。あ、あとあたしぐらいに魔力を込めるとあんたたちは一発も放てないで魔力枯渇するね。まぁ魔力が枯渇したからって気絶するわけでもなく、だるくなるだけだから一回やってみな」


 それを聞いてからもう一回魔力を集めてみる。どんどん集めているが集まる速度も遅くて、母さんぐらいまでまだ遠い。

 集めて、少しずつ圧縮。それを繰り返していた。


「うぅ!」

 いきなりめまいがして倒れそうになった!


 なんとか倒れなくて済んだが、めまいのせいで手のひらに集めてた魔力が霧散してしまったみたいだ。体もいつも折井重たく感じる。


 また、兄さんのほうを見てみると、兄さんも僕と同じことが起きたみたいでだるそうにしながら母さんに話しかけようとしているところだった。


「母さん、これが魔力枯渇?」

「そうだよ。体内の魔力だまりから全部取りだしてしまっても、その状態にはならないけど、体内から魔力を全部出してしまうと、めまいが起きで体が一時的にだるくなってしまうのさ。で、その影響で集めた魔力もどっかに行っちまうってわけさ。」


「まぁ、いろいろ言うことはあるんだけど、魔法は訓練すればするほど魔法速度も、魔法効率も上がっていくわよ。元々は実践クラスの威力になるまでは、早くて2年はかかるからね」

「そんなにかかるのか」


「あとは、その得意属性を持っている場合に限り、そのものに魔力をまぶしてやることによって、攻撃に使えるほどスピードは出ないが操ることができる。」


 まじか。そこまで得意属性って関係してくるのか。



 兄さんが母さんとお話をしている。

 それにしても、魔法が実用化になるまでかなり時間がかかるな。気長になっていくしかないのか。





 それと、体も大きくなってきて僕も村の兄さんと一緒に外で遊ぶようになり始めた。でも、僕は元々、前世の記憶があるから童心に帰るのにかなり抵抗があるけど、童心にかえらなければ。



 僕に全く、有無を言わせないで連れていくのは、さすがにやりすぎなのが最初びっくりしていたが、何回もそういう場面があればあきらめがついて、ついて行くだけになっていた。




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