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片林小学校球技部  作者: 里雪怜菜
出会い
3/3

2

 流星の説明を一言で言うと、『バスケをやっていたら、いきなり大学生の人が割り込んできた。』となる。

 つまり、こいつらの願いは大学生を追い返してほしい。大学生からしたら、小学生を追い出して欲しい。・・・ということになる。

・・・全く、なんで一緒にやるって選択肢がないんだよ。・・・

「で、流星おじさん。どうやって追い出すの?」

 宇輪がひとごとのように訊いてくる。そもそも俺が巻き込まれたのはこいつのせいだというのに・・・。

「まあ・・・。とりあえず、勝負をすればいいだろ。」

「勝てるの?」

「おそらく。」

 宇輪が不安そうな目を向けてくる。が、それを無視して四人で集まって会議している大学生集団に近づく。

「おい、ここは勝負で決めるべきではないか?」

 わえざと上から言う。こういう時は、仕立てに出たら負け。

「あ・・・いや。外人さんと喧嘩は国際問題に・・・。」

・・・未だに俺のことを謎の外人アロンソ・キハーダだと思ってるのか。っていうか、件かぐらいで国際問題に発展するのかこのアホ。・・・

「いや、別に勝負が喧嘩とは限らないし。」

「あ、そうですよね。それなら、急いでこのバカ起こします。」

 そう言うと、今まで全員にシカトされていたソラ君を起こしにかかる。

「え・・・、そいつがやるの?」

「え・・・勝負ですよね。必要ですよね。」

「まぁ・・・そうだな。」

 要するに、ソラ君がこの五人の中のトップということか。

 待つこと、三十秒。ようやくソラ君が起き上がる。

「よし、じゃあ準備はいいな。」

「ん?何が。」

 目が覚めたばかりのソラ君は混乱しているのか、全く今の状況についていけてない。

「とりあえず、俺と勝負だ。ほら、一歩前に出て。」

 言われるがままに、ソラ君が一歩前にでる。

「せーの、最初・・・

 手を振りかぶる。

 ソラ君が慌てて腕を動かす。

・・・っから。」

 ソラ君がが出したのはグー。そして、俺の手は、パー。

「・・・はい、俺の勝ち。バイバイ。」

「「「え~!」」」

 なんで、みんなから不満の声が出るんだろうか。

「おじさん・・・勝負って。」

「・・・うん。じゃんけんだけど。」

「おい!、勝負ってバスケじゃないのか。」

「そんなことは一言も言っていない。」

 ああ・・・。勝手にバスケだと思ったからソラ君をわざわざ起こしたのか。どんまい。そんなめんどいことするわけないし。

「約束は約束だろ。お前たちは俺にじゃんけんという”勝負”に負けたんだ。」

「ふざけんな。」

 大学生の一人が殴りかかってくる。・・・が、軽く躱して足を引っ掛ける。

「おいアキラ・・・殴るな。国際問題に発展する。」

 いや、だから発展しないから。

「は、何言ってんだ。こいつは、さっきあのガキが『おじさん』って読んだのに答えただろうが。つまり、こいつはアロンソ・キハーダとかいう外人じゃなくて日本人だ。」

・・・正解。でも気づくの遅すぎ。自分で気づけよ。

「「「え~」」」

 おい・・・、気づいてたのアキラさんだけかよ。

「日本人なら容赦はしねぇ!」

・・・おい、おい!!・・・

 アキラがまた殴りかかってくる。それを、なんとか避ける。

「平和主義でいこう、平和主義で。」

「なら、バスケで勝負しろ。」

 えっと・・・そこは出て行けじゃないんだ。

「了解。」

 アキラの殴りかかってきた腕を重いおっきり引っ張ってわざと背中を地面に叩きつける。

「ルールはお前らはこいつらに合わせてミニバスのやつ、俺たちはお前らに合わせて普通のルールな。ハンデとして、こっちは俺以外のやつはメンバー変更何回でもあり。12点先取したほうが勝利・・・でいいか?」

「・・・ああ。」

「じゃあ、作戦会議10分の後に試合開始。もちろん、先攻は俺たちだぞ。」

「わかった。」

・・・ああ。まためんどくさいことになったなぁ。・・・


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