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俺とあいつの変わった日常2  作者: 龍聖
第一章 新しい日常の始まり
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第9話 休み明けの日常

 土日が明け、月曜日になった。今日から授業が本格的に始まる。

 今日から授業が始まるとはいえ、入学して初めの授業というものは先生の自己紹介と自分の自己紹介をするだけだ。だからこんなのは授業とは言わないのだろうと俺は思う。

 でもまあ、入学したての初めの授業は俺は嫌いではない。というより、ほとんどの人が嫌いではないだろう。なにせ授業とは言わず、ほとんどがレクリエーション扱いだからだ。基本的に学生というのは、授業を面倒に思い、嫌っているのがほとんどだから。

 だと思い、期待していたのだが…


「えー、じゃあ湊」

「え、あ、はい!」

「教科書の5ページを読め」


 現代国語の授業。自己紹介をすると思っていたのだが、いきなり授業が始まった。念のために教科書は一応持ってきてはいたけどね。正確には、美緒に持たされたの間違い。

 教科書持たないで行こうとしたら「なんで教科書入れてないの!入れなきゃダメだよ!」と頬をぷっくりさせて怒られた。可愛いと思ってしまったのはここだけの秘密だ。

 美緒が可愛いなあと考えながら教科書を読んでいると、チャイムが鳴り、授業の終わりを告げた。


「はい、じゃあ今日はここまで。挨拶はいりません」


 授業が終わり、昼休み。やっと終わったという開放感でつくえに突っ伏して寝ていると後ろから誰かに抱きつかれる感触がくる。


「みーなと!お昼食ーべよ!」


 可愛い声を出して後ろから寝ている俺に抱きついてきたのは美緒だ。わかっていたけどさ、こういうことを教室でされると恥ずかしいからやめて欲しい。


「わかった、食べるから離れて」

「えー、いやよ」

「いや、俺が食べづらいからさ」


 美緒には困ったものだ。ここ最近ずっとこんな感じで俺にくっついてきている。この前のあれが原因なのはわかっているけど、それでもあからさまにここまでくっつかれてしまうと恥ずかしいし。

 美緒とこんな感じでいちゃいちゃ?しているとニヤニヤしながら蓮と結衣が歩いてくる。


「いやあ、お熱いねえ、お二人さん」

「ここまでいちゃいちゃされると流石の私も嫉妬しちゃうなあ」


 俺も好きでいちゃいちゃしているわけではないので否定をしておく。


「いや、好きでいちゃいちゃしてるわけじゃないけどな」

「とはいっても、お前まんざらでもないみたいだし?結衣もそう思うよな?」

「まあねー。私から見ても湊くんは結構美緒ちゃんにデレデレしてると思うなあ」


 勘弁してくれ。蓮と結衣から見たら、俺と美緒がいちゃいちゃしてるようにしか見えないらしい。いや、確かにしてるかもしれないけど、それでもしてないと言いたい。…してないよな?

 で、ここまで話が進んでてあいつが来ないわけがないんだよ。


「みーなーとー?君は何をしてるのかなあー?」

「え、いや、その、弁解をさせて貰えないでしょうか…?」

「却下します」


 そう言って現れたのは葵だ。顔は笑ってるけど、目とオーラが笑っていなかった。

 俺が弁解をさせてほしいと交渉したらニコニコしながら却下された。ああ、俺の命もここまでか。さよなら、俺の高校生活。


「湊くんモテモテだねー」

「だよな、ほんと羨ましいぜ。俺だってイケメンだし?優しいし?モテていいと思うんだけどな」

「いや、蓮くんは自分でイケメンとか、優しいとか言っている間は無理なんじゃないかな…」

「え!?結衣、それはちょっと酷くね!?」


 隣は隣で茶番をしている。蓮の自称イケメンは今に始まったことじゃないけどな。


「ねえ美緒?湊から離れてもらえないかな?」

「そういう葵こそ湊から離れてくれない?湊は私のだからさ」

「いや、湊は私のものだよ?」


 1つ言われてもらうと、俺はまだ誰のものでもないし、誰かのものになる気もない。それと、俺の腕を両方向に引っ張らないで欲しいね。腕がちぎれそう。

 そんなこんなでやっぱり俺の日常はいつも賑やかだった。

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