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閑話休題 美女とゾンビ

このお話は「鬼灯」とはなんの関係もない話ですが、同じゾンビつながりのショートショートということで挿入してあります。「鬼灯」とはなんの関係もありません(大事なことなので繰返しておきます^^;)


 青白い炎がフワフワゆらめく店先の暖簾をくぐると辛気臭い声が出迎える。

「いらっしゃい。おや、お久しぶりですねぇ」

「今日は酔いたい気分でね」

 俺は苦く笑う。

「日本酒なら上善如流血、洋モノならファイアボール、最近流行りの魔ッ狩りとかはいかがです?」

「熱燗で逝きたいんだけど……」

「だったら、腐正宗がおススメですね。刺身は活きがいいのが入ってますよ」

 オヤジは嬉しそうにドロリと垂れ下がった眼球をほころばせた。


 お通しの絶望の酢の物をつまむ。今日は絶望が豊漁らしい。お通しと言うよりも、ほとんど一品料理と言って良いくらいの量だ。


「随分浮かない顔ですねぇ」

 店のオヤジが活きの良い嘆きの刺身をトンと置きながら呻く。

「タナカのやつが、クリアしたんだ」

「へぇぇ、そりゃめでたい。あんな課題をクリアできるゾンビが居るんですねぇ」

 オヤジが驚く。俺だって驚きだ。


 ゾンビは正しく成仏する為に、それぞれに課された課題をクリアしないと逝けないことになっている。俺はタナカと同じ課題を出されていた。

 オヤジがサービスしてくれた号泣のから揚げを口にしながら、俺は途方に暮れる。


 真実の愛を得ろなんて……どうしろってんだよ。ゾンビなんだぜ?


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