いつかのだれかのはなし
今回、シリーズものにチャレンジしてみます。
この話はエピソード0 絵本風に書きました。
とある天上の国にやさしいかみさまがいました。
かみさまはがんばっている人が大好きで、
そういう人が、幸せになれないのは悲しい。
かみさまの仕事はがんばったひとを前の思い出を持ったまま、
新しい人生で幸せにすることでした。
ある日、かみさまはとてもきれいなたましいのひとをみつけました。
そのひとは、他人のためにたくさん努力できるやさしさを持ってました。
でも心無い友人モドキに騙されてころされてしまいました。
かみさまは悲しんで、そのひとにしるしをつけて新しい世界に送りました。
しるしのこは次の世界でも努力したけど、
わるいやつが台無しにしてしまいます。
かみさまはまた別の新しい世界に送ります。
種族をかえ、性別をかえ、何度も何度も転生しても、
しるしのこは酷い目に遭います。
その度に、しるしのこのたましいは傷つきました。
とうとう1000回目の人生も裏切られ、傷だらけのしるしのこに、
かみさまは泣きながら訊きました。
「どうしてもきみを幸せにしたいのに、僕はきみを傷つけてばかりだ。
どうしたらきみをしあわせにできる?」
すると、しるしのこはいいました。
「やっとあなたにあえた。わたし、ずっと言いたかったことがあるの。」
続けてしるしのこはいいます。
「確かにさいごはつらかった。でもぼくがいろんなことを頑張れたのはしあわせだったの。
幸せは、あなたのとなりでごろごろしながらさがすよ。」
かみさまは驚いたけど、がんばったしるしのこの願いをかなえました。
いま、かみさまは仕事をやめて、相棒と一緒に、
疲れちゃった人のために、いこいの場所をつくっています。
そこにはいつも、いっぴきのねこがそっとよりそっているのです。
しるしのこの一人称がいくつかあるのは、転生の影響です。
次回、転生者になやむ者の話。




