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少しずつでもエドワルド様との仲を進展させたいなんて思っていたあの頃の私に喝をいれたい。
少しずつでもなんていわず、すぐにでも仲を進展させるべきだったわ。
あれから、三年があっという間に経過してしまった。
もうお兄様達は明日から全寮制の王立学園に行ってしまう。
おかしい。本当なら今ごろは、ほぼほぼ両想いみたいになってる予定だったのに……なんで?
この国では、正式な婚約を結ぶのは学校を卒業してからと決まっているが、それでもある程度は親の素振りやお互いの相性などを鑑みて、この二人が結婚するんだろうなって雰囲気が出来上がってることがほとんどだ。
何を間違ったのかしら? 私、それなりにどころかめちゃくちゃあなたに気があるわよアピールしてきたはずなのに、エドワルド様の私に対する扱いは、王族に対するものか親友の妹に対するそれ。
私の勉強が早く終わって訓練場に見学に行く時は、必ずタオルと飲み物を手渡ししたり、今日も格好良かったですって言ってみたり、公爵領の魔物にも負けないように魔法を頑張っていますって言っているのに……
ありがとうございます、恐れ入ります、そうですかってただただ淡々と返されてしまう。
私って、この国で一番の美少女じゃないの?! もうちょっとこう……照れたり、もしかして俺に気がある? みたいな態度取ってくれてもいいのに!
まさか、やっぱり私のことが嫌いとか? もしくは見た目が好きじゃないとか?
それとなく、お兄様に探りを入れたら……
「エドがミリーのことを嫌いかって? なんで? 誰かに何か言われたの?」
「いえ、そういうわけでは……」
「うーん、そんなことないと思うよ。この間だって『ミリアリア様の婚約者選びは荒れそうだな。我儘も落ち着いて、あれだけ可愛いんだから国中、いや近隣諸国からも縁談の申し込みが来そうだな』って、言ってたくらいだし」
え、なにそれ。何がどうなって、そんな話になったのかしら。いえ、そんなことより! あれだけ可愛いって言っていたの? キャー、可愛いって! 可愛いって! と、なると私のことも見た目も嫌いではないんでしょうけど……
もう、外堀から埋めるしかないと思って、夕食の席でお父様に、私、将来結婚するならエドワルド様がいいわって、言ったらお父様はただ、お嫁……お嫁にいってしまう……って、ショックを受けてその話は記憶から消してしまったみたいだし。
それならと思って、同年代の子らが集まる時にはエドワルド様って素敵よね。って話したら、周りからはドン引きされた。もしくは、魔法を暴走させてしまった件を知っている人は、助けてもらったから気を使っているのだと思われているみたい。
最終手段のエドワルド様のご両親とたまたまお会いする機会があった時には、いかにエドワルド様が素敵かをお話して、エドワルド様のお嫁さんになる人が羨ましいわってお話したのに! エドの良さを分かってくれてありがとう。って……それだけ!
なんで???
お父様やエイガ公爵の間で、きっと私がエドワルド様のことを好きだろうから、内々で縁談をって話にならないの?
お父様もお母様も、ご自分たちが恋愛結婚だったから私やお兄様にもある程度なら自由に結婚相手を選んで良いよって言っていたのに。
どうしてかしらと、思わずライザに聞いてみる。
「恐らくですが……ミリアリア様とエドワルド様の容姿があまりにも釣り合っていないからではないでしょうか?」
「嘘でしょ。そんなことって、そんなことって!」
「失礼ですが、私も正直、初めてお聞きしたときはなぜエドワルド様を? いくら助けて頂いたからといって、わざわざエドワルド様を選ばなくても……と思ってしまいました。もちろん、今ではそんな事は思っていませんよ!」
これはなかなかハードルが高そうだわ……
あーあ、『学園に行っても、私以外の人に目移りしちゃダメですよ!』『まさか、俺にはミリアリア様しかいませんよ』とかやり取りしたかったのに……
でも、これは本当に困ったわ。学園に入って、エドワルド様を好きになる女性もいるかもしれないし、エドワルド様だって好きな人ができるかもしれない……
お兄様に頼むのは恥ずかしいけど、学園では変な女が寄り付かないようにお願いしてしまおうかしら……




