レッドフット/廃工場殺害事件 1の幕
「起きた?」
今日で俺がルシウスさんの隠れ家に入ってから1週間が過ぎた。
2次審査に合格した俺はルーク・ボードウィンと研修生として生活している。
キラーになると痕跡を残さない為に指紋とかは全部なくした。学校も中退した。
ちなみに俺らはまだ雑用と現場見学だけ。これが1年かかるらしい。大変だな。頑張ろう。
「それでなんだけど、君達そろそろ任務受けてみない?」
「え、いいんですか?」
「本当はキラー研修を始めてから2週間立つと現場に出れるんだけど君達優秀だから特別許可が降りちゃいました!」
(それ、さらっと言う事じゃなくないすか?)
「まぁ流石に最初は俺の仕事の手伝いみたいな感じだから安心して。最初から1人でやるわけじゃない」
「良かった」
ルークが呟いた。
ルークは遠距離武器の扱いに長けていて、俺に扱い方を教えてくれた。
「僕は10年以上遠距離武器を使ってきたからやり方は体が覚えているのさ!」
俺の殺人術だと遠距離武器の球は血液で補うからあまり打つことは出来ない。
最近、殺人術を鍛えているうちに気付いたのは、俺の殺人術は傷が無い場合は体の血管から無理矢理血液を押し出すらしくその場合、使いすぎると貧血で倒れる。後、生命を作る事はやはり出来ない。
2次審査で生命を再現してみせたあの子はどうやって再現する方法を編み出したのか謎だ。
「それじゃあ準備をして! 早速任務にしゅっぱーつ!」
「お出かけの雰囲気で言うな!」
後、ルークはツッコミ上手だ。
「今回は酷くやられたな。まさか被害者が3人とは」
ルシウスさんと向かったのは路地裏の廃工場。
「どうやらトレイターにやられたみたいだな。頭部が完全に消し飛んでる」
ルシウスさんは殺人術の分析を始めた。
「アダムとルーク、こっからメモね。殺人術には使用後アビリティフットポイントっていう特殊な足跡が残ることが多い。この足跡を肉眼では見ることは事実上不可能なんだけど、裏方に見れる奴がいる。紹介しよう! 裏方の最大術所持者のレッドフット君で〜す」
僕らの前に現れたのは赤髪の傷跡を持った男だった。
「こんばんは。レッドフットです。今回からルーク君の保護監督者になります」
「・・・保護監督者?」
「ルシウス、お前説明してねえの!」
「まぁまぁ落ち着けよ! これから説明すっから!」
(父さん、能天気すぎね)
「仕方ない、説明してやろう!」
「何で上から目線なんだよお前は!」
「ルークみたいな殺人術無しで2次審査を通過したキラーはそうそういない。ただ、殺人術無しだと死亡するリスクが倍以上になる。リスクを下げるためにキラーの運営チームが作った暗黙のルール! それが保護監督者の動向無しで任務に行くことができないっていうルールだったわけ」
「そうなんだ。説明早くしようね父さん」
「あとルシウスさん? 俺ら裏方の事も聞いてないんだけど?」
「あ、」
ルシウスさんは黙り込んだ。
「ワッスレッテター! ごめんちゃい!」
「はよ説明せい!」
レッドフットさんのツッコミ力も群を抜いていると思った二人だった。
「キラーには殺人術を持っているが戦闘に使えない! という事例がたびたび起こる。そういう人材は情報の通達やレッドドットみたいに索敵などでのみ働く裏方っていうキラーのパターンに移行する。キラーと裏方は基本ペアで移動することが絶対条件になってくる。レッドフットはルークの裏方についてもらう予定だ。だから保護監督者も基本は強力な裏方に任命されることがほとんどってわけ」
「なるほど」
アダムは自分の裏方はいないのか? という疑問を抱えつつも理解した。ルークも同じく。
「それじゃあレッドフット。足跡の具現化を頼む」
「了解した」
レッドフット。殺人術は血液の足跡。普通は見えないアビリティフットポイントを血液に変え肉眼で見えるようにする術。裏方の中で最も強力な殺人術を持つキラー業界の柱。
「見えろ!」
アビリティフットポイントが何かに燃やされたような跡を残して再現され始めた。アビリティフットポイントは必ずしも足跡の形を示すわけではなく殺人術に関する跡を残す。
「これは…車か?」
「車を操る殺人術か? だったら圧死とか轢き殺すとかしそうなもんだけどな」
「なぁルーク?」
「どうしたんだい? アダム君!」
「死体は頭部を完全に消し飛ばされてたよな?」
「そうだね。それがどうしたんだい?」
「もしも被害者の頭部に猛スピードで車が突っ込んできたとしたら?」
「車を遠距離武器として使ったと言う事か!」
「アダム君その根拠はあるのかい?」
ルシウスさんとレッドフットさんが頭に?マークをのせて聞いてきた。
「この廃工場。おそらく元々車の工場だったみたいです。ほらあそこに車の部品が」
「確かに飛ばす車なら大量にある。だがなぜ車なんだ」
「そういう殺人術なんじゃねえのか? アビリティフットポイントが車を示しているということは車を暴走させるとか格納するとかそういう類の殺人術なのかもな。まぁ一番有力なのは…」
「車を銃弾という概念にして拳銃のように使う術ってことか?」
「多分そうだろうな。アビリティフットポイントの解析を裏方に任せとくからルシウスとアダム・ナイト君は引き続き捜査を続けてもらって、俺とルーク君は一旦本部に連絡しに戻る。それでどうだ」
「了解。ルークを頼むよレッド!」
「任せろって!そっちも死ぬなよ!」
「大丈夫だって。心配すんな!」
この最初の事件がルークと俺の運命を大きく変える騒動を巻き起こす事を俺達はまだ知らなかった。
久々に投稿できました。待たせた方すいません。




