13話 青春悲劇(4)
ルシウス達がキラー試験の特訓を始めて3日が経った。
遂にキラー試験当日──
「遂にこの日が来たな! アネモネ!」
「おう! ヘレンさんの為にもパパっと受かるぞ! ルシウス!」
ルシウスとアネモネはキラー試験会場に到着した。
ルシウスとアネモネは特別枠(キラー教育学部の生徒)としての受験なので1次審査はパスできる。
「それでは2次審査を始めます!」
ルール説明が終わり遂に運命の2次審査が始まる!
「よーい! 始め!」
シュン!
ルシウスとアネモネが空気を斬ってその場を立ち去った。
一方、試験を閲覧する場所には封印寺とエスワーがいた。
「遂に始まったか! キラー試験2次審査!」
「ルシウス達、大丈夫か?」
「安心せい。封印寺も協力して3日間トレーニングしたんだ。それにあの2人は確実に…」
「戦闘は大化けするぞ!」
一方、試験会場──
「ルシウスどういう作戦で行く? 狙う? 隠れる?」
「安全策取るんだったら隠れるが最善だがここで隠れたら現場出た時に確実に敵にワンパンされる!」
「てことは!」
「狙う一択だろ!」
「ん? なあトム? 何かこっち来てないか?」
「そんな訳無いだろ! ちゃんと近くに他の受験者がいないって確認したんだ! こんな速くに他の受験者が来るわけ…」
「お〜い!」
「え?」
「ちょっと! やらせてね〜!」
「マジかよ!」
「トム! 応戦だ! 死ぬぞ!」
「おう! マントよ体を纏え! 殺人術 硬化!」
「アネモネ! 俺はあの石ころ野郎をやる! お前はもう片方をやれ!」
「おう!」
ルシウスとアネモネの最初の戦闘が始まった。
「1発目はシンプルに殴るか!」
ボカン!
「グッ!」
(何だこの力は! 俺の硬化したマントの盾にヒビが入った! そんな事があるか!)
「ヒビだけ星人かよ! ならもういっちょ!」
ボカン! ボカン!
「オラー!」
ルシウスはとてつもないスピードで硬化した体を殴り続けた。
「グハァ! まずい! 硬化が切れた! そんな事があるのか!」
「分かんねえなら教えてやるよ! 俺とお前だと人間としての格がチゲぇんだ!」
「待て! やめろ! やめてくれ! こんなとこで死ね…」
ブシャー!
ルシウスの拳が受験者の頭を潰した。
「おーし、一人討伐成功!」
一方アネモネは…
「うわ〜何だよ! 何でこんな建物だらけの場所に!」
「植物が生えてんだよ|〜!」
「これが俺の|殺人術! 植物化だ!」
トーマス・アネモネ。現在での名前はドン・アネモネ。
殺人術は植物化。体の一部を植物に変化させる殺人術。
最初の頃は指を小さな花に変えることしか出来なかったが、キラー教育学部での殺人術の訓練で身体を大きな根にして叩きつける攻撃や食虫植物を作り攻撃する事まで出来るように鍛え上げた。
「お前には悪いけどここで死んでもらうよ! 技名くそダサいけど許してね〜!必殺! 植物化! 根っこアタック!」
「おおきな根が15本! しかも全てが俺の方に向かって来る! にげなければ! 早く逃げ…」
グシャ!
「ヤベ! 結構グロメにやっちゃった!」
こうしてルシウスとアネモネは受験者を一人ずつ葬った。
そして、2人は殺人術で人を屠った影響でゾーン状態に突入する事に成功する!
「なあ、アネモネ?」
「どうした?ルシウス?」
「出来るか分からねえけど俺に大量の受験者を討伐する作戦がある!」
ゴニョニョ
「よし!その作戦のった!」
そうして2人は大量の受験者が集まる中心部まで移動した。
「ん? なんだありゃ?」
「1人の男が空を飛んでこっちに向かってくる!」
「迎え撃て!」
バンバン!
「まだ完成していない大技をここでぶち込む! 負の魔法! インフェルノ!」
「何だあの技は!」
「みんな逃げろ! って何だ! 体が動かない!」
「ルシウス! 火傷したら試験の後にアイス奢れ!」
「わってるよ!」
ルシウスは2次審査の本番にて新技を繰り出す! その名を仮称インフェルノ! 仮称インフェルノは試験会場中を焼け跡にし、2次審査は終了した。
一方封印寺達は──
「あれは何だ!」
エスワーは口を開けて驚いた。
「負の魔法で炎を作り出したか! ぶっつけ本番でどデカいのぶっ放しやがって! 本当に同じ人かよ!」
仮称インフェルノはルシウス家初のルシウスオリジナル技。
負の感情を溜めて溜めることで一度に放出。青白い炎に形を変えて一直線に突き進む。
ルシウスがゾーン状態に入ったことによりぶっつけ本番で手に入れた新たな力。
試験後──
「ただいま封印寺!」
「俺ら受かった!」
「2人ともお疲れ! 最高だぜ! ルシウスもアネモネもぶっつけ本番でとんでもねえもん決めやがって!」
「ありがとう。でも仮称インフェルノは当分出せないと思う」
「え! 何でだ!」
封印寺とアネモネが驚いた。
「仮称インフェルノは今まで溜めて溜めた負の感情を一度に放出する事で炎を作り出す。だから負の感情を溜めないと使えないんだ」
「マジか〜キラー殺しに決められれば最強だったのにな〜」
「悪いな。でもキラー殺し戦までに負の感情を出来るだけ溜めてみるわ」
「そうしてくれると俺らもありがたいわ!」
「うんうん!」
「じゃあ俺とアネモネがキラー免許証発行し終わったら教育学部戻るか!」
「おう!」
こうしてルシウスとアネモネのキラー試験2次審査は終わった。
その後、3人は試験の結果を学長に伝えに行った。
コンコンコン
「失礼します。キラー教育学部の封印寺涼介とキラー試験受験者です」
「入って」
「私とルシウスの試験結果を伝えに来ました」
「そうか。2人とも結果はどうだった」
「受かりましたよ」
「それは良かった。流石ルシウス君とアネモネ君だ」
「なのでゲイリー学長。明日からヘレン・ワトソンさんの任務に向かいます!」
「そうか。幸運をいのるよ! すまないね。君達の最初の任務がこんな大きい物になってしまって」
「いえいえ大丈夫です」
「それなら良いんだ。もし任務中に緊急事態が起きたら直ぐにキラー協会に連絡するんだぞ!」
「はい!」
こうして明日からヘレン・ワトソンのキラー殺し討伐依頼を受けることになった。
その日の夜──
「なあ封印寺?」
「どうしたんだ? アネモネ?」
「何で俺達2人をキラー殺し討伐任務に推薦したんだ? 他に優秀なキラーなんていっぱいいたろ?」
「何でって決まってるだろ! 俺が信用して背中預けられるのが今はお前達2人しかいないんだよ!」
「封印寺…」
「それに他のキラーを推薦すると恐らく断られる」
「え! 何で断られるの!」
「俺がまだ19歳の新人だからだよ」
「それってどういう」
「俺が今所属しているキラー協会専属キラーの隠れ家は上下関係が激しいんだ。だから下っ端の俺の推薦を受けることが上のキラーにとっての恥なんだよ」
「そんな」
「だからお前らみたいに俺を信用して一緒に闘ってくれる奴との方が安全だろ!」
「お前はマジでいい奴だな」
「違うよ。アネモネが良い奴なんだよ」
「そんな事は…ん? 待って封印寺」
「え? どした?」
「ルシウスは? こんないい話している時に、しかも夜にあのルシウス・ボードウィンがいないぞ!」
「マジかよ。あ〜仕方ない。エスワー先生に外出許可貰ってルシウス探しに行くぞ!」
「うん!」
「おーい! ルシウス! どこー!」
「駄目だ全く返事がない。一体どこに…」
「待てアネモネ! 闘技場に明かりがついてる! ちょっと行ってみよう!」
「本当だ! よし! 行こう!」
ガチャ!
2人は闘技場の門を開けた。
するとそこには汗だくで体術の強化トレーニングをしているルシウスの姿があった。
「あ! ルシウスいた!」
「ん? あぁ2人とも! 何でここに?」
「何でってお前が夜になっても部屋に帰ってこないから心配で探しに来たんだよ」
「待って!もうそんな時間なのか!」
「もう夜の11時だぞ。こんな遅くまで闘技場で何してたんだ?」
「次の任務までに身体を鍛えておきたくてさ。試験の結果報告終わってからずットここでトレーニングしてたんだ」
「お前…珍しく真面目じゃん」
「一応これで俺も人様の命預かるんだって実感湧いてさ。やるしかないって思ったんだ」
「タクッ! なら次はもっと時間に気をつけろよ!心掛けはめっちゃ良くなってるから」
「メンゴ!」
「ほら風邪引くから2人とも早く部屋に戻るよ!」
「あいよ!」
俺達の悲劇。この時はまだあの事件があんな結末になるなんて思ってもなかったんだ。




