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少し不幸な女の話
この話はとある1人の女性の話である。
その女の幼少期の話から物語は始まる。
名前は千佳と言う。
千佳は真田家の次女として産まれた。
千佳の父親は医師で、母親は専業主婦だった。
家にはいつも母がいた。
それが今思えば幸せな環境だったのだとわかる。
父は仕事が忙しかったし、休日になるとゴルフで朝からいなかった。
そして子供嫌いだった。
言葉が通じない子供が好きではないと今でも言っている。
そんな不在が多い父に母は不満を抱いていた。
2人は喧嘩が多かった。
子供ながらに怒鳴り合う2人が怖かった。
将来は父のような旦那さんは嫌だなと思った。
千佳には4歳上の姉がいた。
姉は一言で言えば、天は何物姉に与えたのだろう、、
というひと。
顔よし、頭よし、性格よし、
全て揃っていた。
最初に産まれた姉に、全て持っていかれたような気持ちだった。
夫婦仲が上手くいかなくても、母の支えは姉だった。
母は姉を溺愛していた。