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かつてシリーズ

かつてごく普通の令嬢だった少女は、復讐のために剣をとり戦場を駆けまわった

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/02/09






 その少女は、かつてはただの貴族令嬢だった。


 家族や友人に囲まれて、普通に暮らしていた、普通の少女だった。


 しかし、少女は復讐のために剣をとり、戦場を駆け抜けていく。


 とある一族を滅ぼすために。







 少女の両親は、一つの領地を治めている人間だった。


 厳しくもあり、優しい両親。


 そんな二人の親を、その少女は尊敬していた。


 常日頃から、自分も大きくなったら、そんな風になりたいと思っていた。


 しかし、その夢はかなわない。


 ある日、鬼族という人間とは別の種族がやってきて、その領地を滅ぼし、両親を殺してしまったからだ。


 物置小屋に隠れていた少女は、難をのがれたが、その日から悲しみに暮れる事になった。







 いつも嘆き悲しんでばかりいた少女。


 両親のもとに行きたいと考えていた少女は、死ぬことばかりを思い浮かべていた。


 しかし、そこに現れた一人の人物が少女の手に剣を握らせていた。


 生きる意味を見出せないなら、剣を持て。


 自分の為に生きられないなら、人のために生きろ。


 その言葉を聞いた少女は、両親の為に復讐しようと思った。


 その日から、剣を振る日々が続いた。


 幸いにも才能があったようだった。


 少女の剣の腕はめきめきと上達していった。







 そして、少女は鬼族と戦争している国に赴いて、戦いに参加する事にした。


 それは魔法使いが多く暮らす国だった。


 魔法で何でも行うのが当たり前の国だ。


 そんな中で、ただの人間である少女の存在はかなり目立った。


 しかし少女は、その国の人々が向ける好奇の視線を気にしなかった。


 剣一つで成り上がり、人々からの信頼を勝ち取った。


 だからこそ、目立ったのだろう。


 戦相手である鬼族はこぞって、変わり者の少女を狙いはじめた。


 少女は、復讐相手に困らなくていい、と喜んで剣をとる。


 そして、一人でも多くの鬼族を血まつりにしていった。







 しかしある日、戦場で遅れをとった少女は、重い怪我をおったまま、近くの川に落ちてながされた。


 そして、どこかの辺境に流れ着いたのだが、彼女は怪我のショックで記憶喪失になっていた。


 自分の名前も分からない少女が保護されたのは、鬼族の変わり者達が集まる小さな里だった。


 少女は新しい名前を経て、その里の者達に親切にされながら暮らしていった。


 しかし、ある日、少女は自分の記憶を思い出す。


 復讐に身を投じていた時のことを。


 少女は、両親の敵を討たなければ生きている意味がないと思って、泣きながら恩人たちを切っていった。


 そして、全ての里の者達を切った後、自分の命もその剣で命を絶ったのだった。







 しかし、偶然にも凄腕の医者がその里に訪れた。


 医者は、里で倒れていた者達の状態を見ていく。


 そして、みながまだ息がある事に気が付いて、治療を行っていった。


 里の者達は、誰も致命傷を負ってはいなかった。


 多くの者達が住む里でなかったことも幸いしただろう。


 医者一人でどうにか面倒を見れるだけの数だったための、幸運の結果だった。


 彼等は、全て後遺症もなく回復していった。


 そして、里の者達は少女の死を悲しんだ。


 彼等はその少女について、「きっと悪い魔法使いに魔法をかけられて、豹変してしまったに違いない」と、考えていた。


 だから、彼等は復讐を誓った。


 もし、里の近くを魔法使いが通ったなら、少女の復讐をしてやろうと。




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