含み損、万歳 ~半年ちょっと株をやって辿り着いた領域~
含み損とは、株などの投資で買った後に下落して赤字を抱えることです。そのまま売り捨ててしまえば損失が確定してしまいますし、持ち続けた場合には、V字回復で逆転勝利か更なる下落で損失が膨らむことになります。
半年近く株やFXをする中で辿り着いたのは、含み損は愛すべきというものだったので、それについて語りたいと思います。
※ここに書いてある内容を信じれば上手くいくものではありません。むしろ多大なリスクを抱えるやり方です。皆さんが大損することになっても私は責任を取れませんので、ご注意ください。
―――含み損。それは、投資の世界に足を踏み入れたなら避けて通れない道。ならば、必ずや抱えることになるそれを、心から愛そうではないか―――
さて、3月に株価が暴落したので、その回復に乗っかろうと株取引を始めました。ただ、投資信託に300万ほどあるので、共倒れにならないよう短期の取引を軸にやっていたのですが、上手くいきませんね。まだ経験は浅いですが、半年近くやってみて分かってきたことを綴りたいと思います。
まず、頂点に立つ絶対真理を1つ。
・投資は、自分との戦い
何言ってんだと思うかも知れませんが、もはやこうとしか言いようがありません。不安や恐れに打ち勝つ心、忍耐を続ける精神、欲望を抑える自制。それらが勝敗を大きく左右します。やってみれば分かりますが、ビックリするほど上手くいきません。「なんでだよ!」と叫びたくなるようなことが頻発します。
上がり始めたと思って買ったら下がりますし、じゃあ今度は下がったところを狙って買おうとしたら、下がらずに上昇を続けるか、下がったところで買えてもその後で更に下がる。そして極め付けは、損失の拡大を恐れて売り捨てたらV字回復するのです。マジでビビりますよ。
もちろん利益が出ることもありますが、私の性格上500円とか千円でも勝ち逃げする一方で、損失は数千円とか万単位まで膨れ上がります。そして、それ以上のリスクを背負えず損失を確定させる売り捨て。するとその数日後にアラ不思議、V字回復を見せるのです。なんでだよ!!
そんな日が続くうちに自分の投資スタイルが確立されてきました。私の場合は、
・少額でもさっさと利確する
・ロスカットはしない
・ナンピンは割とやる
に落ち着きました。用語の説明をしますと、
利確 :利益を確定させる売り注文
ロスカット:損失を確定させる売り注文
ナンピン :買った銘柄の株価が下落した時に買い足す注文
です。つまり私は、含み損を抱えてしまったらプラスに転じるまで待つというスタイルになりました。しかも、下落したら買い足します。回復する保証がどこにもない中でこれをやるものですから、リスクが高いことがお分かり頂けるでしょう。
しかし、個人的な実績として、ロスカットしてきた株の大半が、ずっと持ってればその後プラスに回復しています。つまり、ロスカットが下手クソなんですよね。
それもそのはず。そもそも、含み損を抱えてしまう時点で買うのが下手クソなのです。それでして売るのが上手いワケがない。要は、自分は売るのが下手だという前提に基づき、ロスカットはしないのです。
利確については、利益になるんなら問題ないという考えです。売った後も株価が上昇し続けて「持ってれば1万円の利益だったのに~」ということも多々あります。しかし、利確ができている時点で利益が出ているのです。
そもそも、ずっと持ってれば1万円の利益になる保証もどこにもありません。様子を見てるうちに下落して含み損に・・・なんてことも何度もありました。前述の通り、私は売るのが下手なんです。運よく利益になるのなら、落ちる前に手放さないと。数百円でも、いいじゃないですか。晩ご飯をちょっと豪華にできます。数十円だって、いいじゃないですか。駄菓子が買えます。
さて、ロスカットをしないという手法を取る以上、高値でつかみたくないので落ちた時に買うのが基本となります。注文方法としては、成行 (なりゆき)と指値 (さしね)の2通りがあります。
成行は、文字通りその場の成行の株価で取引されます。買い注文の場合は、他の人の売り注文が並ぶ中での最安値で、売り注文の場合は、他の人の買い注文が並ぶ中での最高値で売れます。ただし、値動きが激しい時は変な値段で取引されることもあるようです。
指値は、売り買いの値段をこちらで指定できるものです。○○円まで下がったら買いますとか、△△円まで上がったら売りますとかです。注文さえしていれば、放置していても株価がその値段まで動いたら自動で取引されます。
私は指値を使うことが多いですね。常にパソコンやタブレットに張り付いてるなんて無理ですし。基本的には、「ここまで落ちるようなら買おう」、です。運が良ければ、見事なV字の値動きで知らないうちに利益になってたりします。
ですがもちろん、指値よりも下に落ちて含み損になることもあります。というかそっちの方が多いです。圧倒的に。
後は、指値の一歩手前でV字回復して買い逃すのもありますね。なんでだよ! と叫びたくもなりますが、利益を逃しただけであり、損はしなかったと割り切りましょう。損しなかったのなら、いいじゃないですか。
問題は、発生してしまった損をどうするかなのです。あなたが株取引を始めた時、ほぼ確実に含み損という壁に直面するでしょう。あなたが買った株は、下落します。歩いてたら段差につまづくことがあるのと同じように、株は買ったら下落します。何者が自分を貶めようとしてるのではないかと思うってしまうほどに、下落します。
冒頭で述べたように、含み損とは、買った株が下落して赤字を抱えたものです。この後の対処としての選択肢は3つ。その時点での損失を許容してロスカット、保持したまま様子見、ナンピンで買い足す、です。
で、私は保持したまま様子見をするのが定番なのと、ナンピンも割とやります。ただでさえ更なる下落のリスクがあるのに、なぜナンピンをするのか。それは、ちょっとした回復なら起こり得るためです。
例えば、1株500円のものを100株買ったとします(最低でも100株ずつしか買えません)。これが490円まで落ちた時、含み損は1000円です。このまま追加せずに待っていると、498円まで戻ってまた落ちる、という動きをされた時に何もできません。
しかし、490円で追加購入しておくと、495円まで回復すればトントン、496円になれば200円の利益になります。これがナンピンの狙いです。ただ私は、500円で買ったものと490円で買ったものを独立して考え、490円で買った方は493円ぐらいで売り注文を入れ、500円で買った方は503円にするといった感じで、個々の購入分全てを利確させる方針にしています。
こうしている理由は、495円まで回復する保証もないためです。とにかく小さな利益をちまちまと集めます。
しかしもちろん、493円まで回復する保証もありません。490円でナンピンした後にまた下落して480円になるなんてザラです。そんな時、どうするか? 更にナンピンするのです。というか、500円の買い注文と同時に490円と480円の買い注文も入れておくのです。
こうすると、480円まで落ちた時点で含み損は3000円。しかも、まだまだ落ちる可能性さえもある。このため、ナンピンは絶対にしないと決めている人もいるでしょう。
実際、気付いた頃には470円になってて含み損6000円、なんてことも起こります。しかし、私は更に買うのです。勇気を振り絞って、買うのです。これ以上の下落は怖い、と思うところで買い渋ると、何故か回復することが多いのです。本当に、なんで・・・。
しかし、ここで勇気を振り絞ることは簡単ではありません。では、どうするか。初めから、勇気を必要としない範囲の投資に抑えるのです。投資の世界において、心の乱れは破滅を呼びます。まともな判断ができなくなるようなリスクを抱える投資は、避けるのが無難でしょう。
過去の値動きのチャートを見れば、どれくらいの変動が起こり得るかは予測が付きます。ナンピン資金を用意し、「〇円刻みでナンピンしよう」と決め、注文する。時間がある時に状況を確認して、買えていたら利確の売り注文を入れる。
するとアラ不思議、一瞬だけ値上がりした時に利確の注文が通ってることが、たまにあります。そしてまた、売れた値段よりも安いところに買いの指値を入れるのです。これをひたすら繰り返します。どんなに含み損を抱えてしまっても、売らない。なぜなら、自分は売るのが下手だから。ラッキーパンチによる利益に乗っかるしかないのです。
さて、何重にもナンピンする前提に立った時、問題になるのが資金です。上の例で書いた1株500円というのは安い方で、300円切るようなのも確かにありますが、3000円を超えるようなものもあります。
そして、100株ずつしか買えませんから、一度の注文で数万円か、数十万円さえも必要になります。
必然的に私は、500円を切って来るような銘柄がメインとなります(800円代のものをナンピンして逼迫してしまったのもありますが)。
株価が安いとショボい会社しか無いなんてことは無いです。大手でも、メガバンクでさえも500円切ってるところがあります。反対に、よく分からない会社が1000円超えてるのもあります。それぞれの懐事情に合わせて銘柄を決めるといいでしょう。
ただ、どうしても、100株ずつしか買えないので、数千円の含み損は平気で抱えることになります。それさえ耐えられる自信がない、そもそも何万円も資金がないという場合には、外国株に挑戦するのも手です。
証券会社によっては1株から取引でき、アメリカを例にすると、1株当たり10ドル切るようなのもザラにあるので1000円以下の投資もでき、練習にいいかも知れません。もちろん利益も0.5ドルとか0.6ドルとかになってきますが。
少額の資金で多額の取引をする手段として「信用取引」というものがありますが、慣れないうちは手を出さない方がいいでしょう。私も勇気が出ずに踏みとどまっています。
これは、レバレッジと呼ばれるものがあって、例えば、「レバレッジ3倍」であれば、5千円の資金で1万5千円分の取引ができます。なので見込める利益も3倍になります。ですがそれと同時に、損失が3倍になるリスクも抱えることになります。しかし資金は、5千円。1万5千円分の取引ができると言っても、資金の方が底を突きそうな含み損を抱えてしまった場合、強制的にロスカットされます。しょっちゅう含み損を抱える私には不向きです。
あと、恐ろしいのが「空売り」。これは、株価が下がる方に賭けるものです。証券会社に株を借りて、それを市場に対して売るようですね。なので、最終的に証券会社に株を返すために、買い戻さなければなりません。仕組みを考えるのが面倒な方は、仮想的に株を売って安くなってから買い戻した差額で利益を出すもの、と思えばいいと思います。ただし、株価が上がっても買い戻さなければなりません。
空売りには、無限のリスクがあります。買い注文の場合、株価にマイナスはないので買うのに使ったお金以上の損失は出ませんが、空売りだと株価が3倍や4倍になるもことも有り得ます。最近だと、アメリカの某自動車メーカーが凄いですね。100ドルで空売りしたものが400ドルになると、損失は300ドルです。日本でも、株価が半年前の10倍になってるような銘柄もあります。
空売りは、等価的に保有株がマイナス1になるので、必ず買い戻さなければなりません。一応ロスカットを設定することはできますが、いつか下がるはずとまた空売りして・・・何倍にもなった株価で、あなたは買い戻すことができますか?
普通に買った株のロスカットさえまともにできない私にとって、空売りはもはや自殺行為です。FXで何度かやりましたが、ヤバいです。株であれをやろうなんて、頭と心臓のネジというネジを全部狂わせないと無理ですね。
さて、普通の株取引の話に戻りますが、心を乱されない範囲の損失で済むように投資額を抑えましょうという話でした。しかし、我ながら情けないもので、欲というものが出てきます。投資額が増えれば、利益も増えるのです。私にとっては、ここが最大の「自分との戦い」になります。
なんだかんだで、信用取引こそしないものの、1000円オーバーや、3000円オーバーのものにさえ手を出してしまうことがあります。なんせ、上手くいけば数千円の利益になるので、「あ、下がってる!」と思ったら注文を入れてしまうんですよね。そして抱えることになる数万円の含み損・・・。
一応、慎重にやるようにはしています。しかし、「ここまで下がったら買ってもいいだろう」という指値を入れても含み損になっちゃうんですよねえ・・・。
1000円オーバーになってくるとナンピンする資金も勇気もないので、回復を信じて待つしかありません。私にできるのは、ロスカットをしないことだけです。どれほどの時を、過ごしただろうか。長い、長いトンネルのようでした。暗い暗い闇の中で、その先に出口があるかどうかも分からず、むしろ崩れてしまうのではないかという恐怖の中で、利益になるまで付き合うと決めた株たちと共に、ひたすら、ただひたすら、光が見えるのを待ち続けるのです。
やみつきになっちゃいました。
この、何でしょう、辛い状況を耐え忍ぶ日々。辛いことは辛いんですけど、愛着が湧いて来るんですよ。君は絶対、利益にしてあげるからね。だからこの辛い日々を、共に乗り越えようねと歩み続けるのが、1つの楽しみになりました。
そして実際、数万円の含み損が消えちゃうこともあるんですよ。回復してきて、もうすぐで手放すことになりそうだという時の寂しさ、いつの間にか利確されていた時の喪失感といったらもう・・・言葉にできません。もう、何かしらの含み損を持っていないと落ち着かない体になっちゃいました。
皆さんはここまで病的になる必要はありませんが、数万円の含み損を何週間も抱えることになっても、たった数秒でも利益になったところを突ければ、勝ちなのです。そしてそれは、指値を入れてれば自動的に通ります。朝一番や午後一番は、指値以上のスタートになればその額で売れるので本当に数千円の利益になります。そしてまた入れてしまう買いの指値と、迎え入れることになる含み損。これはもはや様式美です。
こんなことをしていると、いつか来る暴落に巻き込まれるでしょう。なので、暴落するまでにいくら利益を溜められるかという勝負になります。そして暴落してしまうと、長い長い含み損との付き合いになります。あの、暗くて出口の見えないトンネルが、訪れるのです。
なのでくれぐれも、株価の高いものには安易に手を出さないようにしましょう。私はもう、手遅れです。次の大暴落まで待った方がいいと分かっていても、ちょっとの下落で買ってしまうのです。そして含み損を迎え入れ、愛し、共に歩み、光の訪れを待つのです。
そんな含み損にも、ささやかな救済があります。配当と株主優待です。会社によって2月末だったり3月末だったり他の月だったりするのですが、株を持っているとプレゼントがもらえます。
配当は、ガチでお金です。「今回は1株当たり〇円です!」みたいな発表がなされるかと思います。株主優待も会社によりますが、小売や飲食関係だと商品券や割引券、メーカーでもギフトカードやカタログギフトを贈ってくれることもあります。
半年に一度なのと、株の値動きに対しては小さなプレゼント額だったりもするのですが、指定日付近に1日だけでも持ってればOKな会社が多いので、指定日が近付いたら買って権利を受けたら翌日すぐ売るという人もいるので、値動きは大きくなりやすいです。権利日が近付いて株価が上がってきたら利確するのも、そのまま持ち続けて配当や株主優待をもらうのも、あなたの自由です。
もちろん、株さえ持ってればもらえるので含み損じゃなくても大丈夫ですよ。私の場合、買ってすぐに利益になるようなお調子者は愛せないのですぐに手放してしまうだけです。
もはや私は、含み損しか愛せません。自分はどうしてしまったのだろうかとも思いましたが、どうやら私だけではないようです。
調べてみると仲間がたくさんいるようで安心しました。もはや、「含む」というだけで「含み損を抱える」を意味が成り立つようです。それにあやかって言うならば、人は、株を買えば含みます。含んでしまうのです。何故か。そういうものだからです。あなたが株を買った時、それは含むことになるでしょう。自然の摂理です。あなたは悪くありません。含まずに勝ち続けることなど、始めから不可能なのです。
その考えが完全に心に染み付いた時、良くも悪くもロスカットをしなくなります。場合によってはありますよ、一旦ロスカットをしてその後の下落で買い直した方が良かったこと。でも、そのロスカットの判断を誤ってしまうのです。なので、含み続けるのです。ロスカットしなかったらしなかったで含み損が大きくなるのだとしても、含み続けるのです。
含み損をロスカットせずに抱え続けるスタンスの人、「含みスト」と呼ぶことにしましょうか、含みストにとって、ロスカットは大罪です。もちろん、罪には罰があります。どんな罰かと言うと、売り捨てた子の株価がその後に回復するという形で返ってきます。本当に、懺悔もんですよ。悔やんでも悔やみきれない後悔が、待っているのです。愛し続けることができなくて、ごめん。何度、そう涙を呑んで来たことでしょうか。
そう。愛すべきものは、含み損のみ。含み損を愛せない者は、少額のロスカットを繰り返して資金が底を突くであろう!
と言いたいところですが、どんな取引のやり方が良いのかは、人によります。いかんせん、取引をする本人の性格や精神構造がものを言うので、人によっては、思うがままに売り買いをしているだけでもポンポン利益が生まれるでしょう。
しかし私は、そうではなかったのです。まず、センスがない。買った後で落ちるし、売った後で上がる。そして、運もない。その場の判断をサイコロで決めるという手段を使っても、1/2なのに外す。
センスも運もない以上、株価の回復に賭けるしかありません。この不況下の中で大丈夫かと思うかも知れませんが、GDPがマイナスになろうとも、デフレが何年も続こうとも、株価だけは回復するので、それに乗っかる以外にセレブへの道はないと判断しました。
しかし、注意したいのが、誰かが取引で黒字を出す時、他の誰かが赤字になっています。これは、避けられないものです。あなたが買ったものは誰かが売ったものであり、あなたの売ったものは誰かが買うことになるのですから。
取引相手はそれぞれ別人かも知れませんが、自分 vs 他の人全員という構図を考えた時、「自分」が黒字なら「他の人全員」チームは赤字です。チーム平均が赤字なら、必ず誰かが赤字になっています。
その赤字を富裕層が請け負うことになれば庶民がセレブに近付くのですが、そう上手くもいかないでしょう。投資というのは、資金が多い方が有利です。極端な話、無限の資金があれば1人で大量に買いまくって株価を吊り上げることができます。そして後から慌てて付いて来た人たちに高額で売りつけることだってできます。市場の動きは、多額の資金を握っている人たちの取引に左右されます。
なので間違っても、金持ちの人たちをひと泡ふかせてやろうなどと考えてはいけません。ビート板1枚で無敵艦隊に挑むようなものです。市場の動きは彼らが作るので、私たちにできるのはせいぜい、彼らが起こした波に乗っかることぐらいです。
さて、株の話がメインなりましたが、FXについても基本は同じです。下がったと思った時に買う。あるいは、ここまで下がったら買おうかと指値を入れる。株と違って夜でもできるのでリアルタイムで取引しやすく、外貨預金のような感覚でやってます。
外貨預金との違いは、信用取引の話で触れた「レバレッジ」があることです。25倍がメインなので、1ドル105円なら4万2千円の資金で1万ドル買うことができます。信用取引をしてない私がこっちに手を出したのは、株ほど値動きが激しくないためです。それでも含んじゃうんですけどね。
また、FXは空売りが可能です。ですが私はもうやりません。むしろ、空売りをしないと決意するに至ったのが、このFXです。
ビビってロスカットしてしまうんですよ。FXの空売りは円高に賭けることになり、円高になると株価が落ちやすいのでリスク分散になるかなぁと思ったのですが、円安になって含み損を抱えるとビビってしまうのです。そしてロスカットした後で円高に傾いて後悔・・・。ビビったとしても耐えればいいのですが、その強さを保つのが困難なので、ビビってしまうような事態を招くことは始めから避けるべきなのです。
1万ドルの取引をしたら1ドル105円が104か106になるだけで1万円の損益になるのですから、背負うリスクは買いも空売りも変わらないんじゃ、と思うかもしれませんが、ここでFXの第3の要素、スワップが絡んできます。
これは何か言うと、利息みたいなものです。日本とアメリカを比べた場合アメリカの方が金利が高いので、1万ドルを買ったという状況であるならば金利差のお金をあげましょうというのがスワップです。
反対に空売りは、マイナスのスワップが付きます。含み損だろうと含み益だろうと、空売りのポジションを持っていると、1日当たり10円強のマイナスが付きます。
下手クソなので含み損を抱えることは避けられない。その上で、長期保有になるとマイナスのスワップが積み重なっていく。ただでさえトンネルの出口が見えないのに、その出口が着実に遠ざかっていくのです。そんなトンネルに入る勇気はありません。
1万ドルという取引でも、数千円の含み損は簡単に発生します。数万円になることもあります。そのリスクを背負えない場合は購入単位を減らすか、普通に外貨預金にするのも手ですが、手数料が割高になってしまいます。ただ、ドル円であっても手数料を上回るぐらいの値動きなら頻発するので、高額投資で心を乱されて変な取引をしてしまうよりは、そちらの方がいいでしょう。
もちろん米ドルの他にも通貨はあります。注意したいのが、日本よりも金利が低い所だと、買いでマイナスのスワップが付きます。その代表はユーロです。空売りだとプラスのスワップなのですが、もう私の中に空売りに対する拒絶反応があるので、やってません。
買いでスワップのプラスが大きいのは新興国通貨です。外貨預金でも利息が高いのを見かけることがあるかと思います。しかし一方で、じゃじゃ馬な値動きをされます。買うと簡単に含んじゃうんですけど、これがまた可愛いんですよ。含み損が1万円になったり、数百円ぐらいまで回復したと思ったらまた3000円ぐらいになったり。何て言えばいいんですかね、これ、もう・・・はい。これを愛さずにどうすればいいんですか。
そんな訳で、含み損への愛を叫ばせて頂きました。現状の通算成績ですが・・・2000円のプラスです。ただし、いま持ってる含み損が来週膨らむだけですぐ赤字に転落します。
てか半年やって2000円かよ・・・しかも3月の大暴落後に始めてこれですからね。市場の動きには付いていけてません。当時は「まだ落ちるかも」という不安があったのと、私は投資信託という長期保有枠も抱えているのでビビッてロスカットしまくったのです。あそこで耐え、更には買う勇気がある人がセレブになれるんでしょうね。投資信託の方は無事に回復したので、やっはり、含み損を手放さずに愛し続けることが、結果論ですが正解だったようです。
以上のことから、私は、含み損はロスカットせずに持ち続けることにしました。私は含み損を愛し、共に歩み続けると決めたのです。もし暴落したら? その時は運命を共にするだけです。それが愛なんです。利益に転じるかゼロになるその日まで、決して手放さない・・・。
※ここに書いてある内容を信じれば上手くいくものではありません。むしろ多大なリスクを抱えるやり方です。皆さんが大損することになっても私は責任を取れませんので、ご注意ください。




