ブタ
ママは僕にミルクを飲ませてくれた。
とっても端っこだった。
しかし、ママは優しかった。
何も言わず、ただ横たわっていた。
他の兄弟が飲み終えるまで。
何も言わないが、優しかった。
思春期を迎えた頃、トラックに乗せられた。
その時、何となくママを思い出した。
ママから離され、汚くて臭い場所に閉じ込められる気持ちが分かった。
ただ、疲れていたんだ。
鬱憤と臭気にあてられて、どこまでも病んでいたのだ。
僕はトラックに揺られ、どこかに連れていかれていた時、扉が丁度開いていた。
その時、ママを思い出した僕は、そこから飛び出した。