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おつかい道中記  作者: Ash Rabbit
1/55

プロローグ


 それは嵐の夜だった。

 豪雨と暴風、時折雷が鳴り響く。


 ドンドンドンドンッ!

 

 誰かが、店の外からドアを激しく叩いていた。


 ドンドンッ!!

「――っ! ――――いっ!!」


 暴風雨に混じるその声に、老店主チェロベックは聞き覚えがあった。

 長年連れ添った妻カローシェに目配せすると、互いに頷き合う。

 二人は急いで鍵を外し、ドアを開けた。

 

 行き先を見つけた激しい風がゴウッと勢いよく、雨を伴って店内に入り込む。

 二人が羽織っているガウンがバタバタとなびいた。

 

 そこには一人の青年が立っていた。

 外套はぐっしょりと濡れ、絶え間なく雫が滴っている。

 その腕には、毛布にくるまれた幼い子どもを一人抱きかかえていた。


「すみません、この子を、ビーをお願いします!」

「な、何があったんじゃ」

「話してる時間はありません、僕はもう行かないと」

 

 青年は早口でそうまくしたてると、自分の胸に抱いていた子どもをカローシェに押し付けた。

 取り落とすまいと、老女は慌てて手を伸ばす。


「一体どうしたんじゃ!?」

「二人にしか頼めないんです! すみません、ビーをお願いします」

 

 チェロベックが止めるのも聞かず、青年は再び嵐の中へ飛び出していった。



 


読んでいただき、ありがとうございます。

週1で更新予定です。


つたない部分も多いと思いますが、これからも読んでいただければ嬉しいです。


よろしくお願いいたします。

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