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黒龍の詩  作者: ばいくのひと
プロローグ
1/4

 女神(エイラ)歴115年。各地方で戦争が勃発していた。大国が小国を吸収していき、さらに大きくなる。そうして肥大化していった巨大勢力がさらなる発展を望み、潰しあい、吸収していく。最後の一国になるまで、もはや止まらない戦争だった。生活に使われていたはずの魔法が戦いに使われるようになり、戦争の規模が急速に拡大する。末期となった時、とある小さな村が絶望的な状況に終止符を打った。

 その小さな村は、いつ占領されてもおかしくないと思われるほど力も財産もなく、農民が貧しく暮らしているような村だった。しかし、とあるきっかけで竜との共存の関係を築き大きな力を手にすることになった。

 その時点では勢力は3つしか残っていなかった。ここまできたら最後までやりあうべきだと考える国が2つ。ここで終わりにして共存すべきだと考える国が1つ。戦争を続けたい二国が共存を唱える国を攻撃した時、その小さな村が仲裁に入り、戦争が終わった。

 3か国+小さな村で協定を結び不可侵条約を結ぶと、3か国が資金を出し合い、工業大国を建国した。それを境に技術提供や共同開発に拍車がかかり、技術の発展が凄まじいほど進んだ。また、かの「龍の村」はドラゴニア帝国という名で建国した。龍の王と契約を結ぶことで大きな力を手に入れた帝国は、畏怖と敬意を共に受け、少しずつ大きくなっていった。

 この平和は500年近く続き、永久の平和エターナル・ピースと呼ばれた。

そう、ドラゴニアが一変するまでは……。


 体が熱い。ぬめりとした感触と液体の生暖かい感触。ソレが乾き、カピカピと張り付く感覚。ぶちまけられたソレが発する独特のにおい。そして、貧血時の冷たさ、痺れと似たような状態が、自分が持ちうるすべての感覚器官を刺激する。視界は真っ赤に染まり、パチパチと音を立てて燃える火の音以外は何も聞こえない。だるく、重く、押さえつけられるような感覚に身を任せ深い深い眠りに落ちていった。


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