純白Catastrophe
狂ってしまえば楽になれるのかしら?
ねぇ、貴方――私の為にどうか狂ってくださらない?
溶けてしまえばいいのよ。こんな想いも、貴方と言う存在も。在るだけで許されないのなら、ドロドロになるまで私が毒を注いであげる。そしてぐちゃぐちゃになるように混ぜて混ぜて混ぜて混ぜて――ほら、綺麗な貴方の出来上がり。そうすれば全て許されるでしょう?在ることだってきっと認められるでしょう?ねぇ、そうすれば、きっと――この想いすら赦されたのだわ。でなければどうしてこんな私が笑っていられると言うの。狂ってしまえば楽になれると言うの。全て失ってしまった私が貴方を求めて求めて求めてそれでも捕まらない貴方を恨んで狂って狂って狂って――あぁ、なんて悲劇!!なんて喜劇!!なんて狂劇!!誰も知らない識らない終わりすらない劇と言う舞台の上で、私達、繰り返すだけなのね。天罰が欲しいわ。そうすればきっと誰もが見られる舞台になるのよ。ねぇ、そうでしょう?だって、そうじゃないと、ねぇ、私、貴方を掴めないわ。それとも貴方が私を掴んでくださると言うの?無理でしょう?無理なのでしょう?だって、貴方は――もう、いないのだもの。
眼の前に転がる男に縋り泣きわめく女の艶やかな微笑みが全てを舞台へと塗り替えて――あぁ、これこそがアイなのだと人々に知らしめるのか。