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転生した先で、暗殺家業を営む(猫被り少女と、腹黒強引貴族令息の攻防)TwitterSS

 ミルネ伯爵令嬢のお茶会は実に有意義な時間だった。

 同世代の女性達が揃えば話題は恋の話になる。そこで私はストーカー並みにしつこいヴィッツ公爵令息の話題を取り上げてみた。


「優良物件だけれど、恋の話は聞かないわね」

「恋人ではなく夫にしたい人よ」

「そうそう。悪い噂は聞かないし、是非とも妻にして欲しいわね」

「でも、無理でしょうねぇ。私達では家柄が釣り合わないし」

「遠くから眺めている方が良い御方なのかもれないわね」


 等と意見が分かれている。ふむ、皆現実主義者だなあ。何だかんだ言ってもシビアな世界で生きる貴族なのだ。そうそう夢など見てはいられない。


「でも、素敵な殿方よね。落としてみたいわ」


 そう豪語するのは主催者のミルネ伯爵令嬢だ。

 私は然り気無く猛プッシュしてみる。是非とも落として貰いたい物だ。いい加減うっとおしくて仕方ないから。

 げんなりする程の甘ったるい手紙はノーセンキュー。他を当たってくれ

 そうして恋の話題で盛り上がった後、私は屋敷に帰った。その玄関ホールで何故か帰還を待ち受けていた男の姿は見なかった事にする。無駄にきらきらしい男は嫌いだ。けっ!


「ユリアナ嬢、今日もお美しく」


 然り気無く手を握ろうとする男をやんわり押し退けて私は微笑んだ

 最近、やさぐれ具合が増してきた気がする。適当に相手をしていると、癒し系従者の姿が見えない。


「ノエル様はどちらに?」

「私だけでは御不満ですか?」

「さあ、どう思われますか?」


 逆にそう問うてみれば、男の機嫌が一気に下がる。


「私だけを見て居て下さい。あなたの視界に入る全てを壊してしまいたくなる」


 不機嫌そうにしながらも何故か物騒な言葉を呟いた男は王都で有名な焼き菓子を手土産を寄越し、今日も今日とて我が家に居座るつもりらしい。

 帰れ。

 内心でそう毒吐きながら私は溜め息を堪え、輝くような笑みを浮かべる男の顔を見つめ返した。


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