2015年1月25日の私
2015年1月25日(日)の私 ―――ランチの後日譚―――
「おはようございます」
結衣ちゃんに話を聞いてもらってすっきりとした気分で家に帰り、真夜中を通り越した明け方にきた透からの電話で、今日の私はだいぶご機嫌だった。
「お、田部井、戻ったな」
「戻った?」
「ここ最近、ちょっと疲れてるかなっとは思ってたんだが、さすがだな。1日でうまく戻してきたか」
主任にバンと肩を叩かれ、仕事に向かう。
「田部井さん!結衣ちゃん、なんか言ってました?」
遠くから手を振りそうな勢いで来る藤堂はまるで大型犬。中身は気まぐれ猫だけど。
「うん」
「なんて?」
「寝起きが最悪だって」
「え?」
「藤堂の寝起きが最悪で、昔は遅刻癖がひどかったって」
「・・・それだけ、ですか?」
藤堂が明らかに落胆した。
「私の話をとてもよく聞いてくれて、すごくいい子だった。しかも、またランチしてくれるって!」
私の言葉に、藤堂はさらに落胆。
「そんなぁ・・・俺だってまだ2回しかデートしてもらってないのに、だめです。田部井さんはしばらく遠慮してください」
「結衣ちゃんは藤堂のものじゃないでしょ!」
「もうちょっと俺が頑張ればいずれは・・・!」
私と結衣ちゃんの取り合いになって焦る藤堂も面白い。どちらかといえば普段の藤堂はポーカーフェイスで何があっても涼しい顔をしているタイプだ。
「それはどうかな?」
「脈ない感じですか?どうしたらいいと思います?」
無駄に良いがたいの割に闘争心というか、日常の戦闘能力が低めの藤堂はやっぱり、弟のようで可愛い。
「んー・・・脈はあるんじゃない?」
「本当ですか?どうしてそう思います?」
私の言葉にきらきらと目を輝かせる。
「だって・・・」
「だって?」
興味津々で私を見つめる藤堂。
「うん、やっぱ教えない」
「え?」
「ほら、そろそろチェックアウトの時間でしょ?」
藤堂のでかい背中をフロントに押し出す。不満そうな顔で一瞬振り返るも、すぐにいつもの藤堂スマイルでフロントに立つ。うん、大分成長したな。頼もしくなった藤堂の後姿にうなずく。
だって・・・
『田部井さんの輝きが失われたら、彰が泣いちゃいます』
なんて、可愛いセリフ。もったいなくて藤堂には聞かせられない。
透、日本も意外と楽しいよ。




