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頑固な私と誠実な貴方  作者: 白石 玲
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ミュージカルデートのふたり おまけの後日譚

   ミュージカルデートのふたり ―――おまけの後日譚―――


 玲、俺が断ったのに受け取るなんて・・・ま、その素直さが可愛いとも思うけどね。


「どっちがいいと思う?」

 玲の左右の手の平のピアス。片方は金色のグリーンのグラスビーズがきらきらした葡萄のピアス。もう片方も金色でサーモンピンクのキューブガラスが三連に連なったピアス。

「こっち」

 俺が指差した葡萄のピアスをつけて、二人そろって玲の部屋を出る。

「じゃあ、行ってくるね」

「おう、気を付けてけよ」

 今日は彰かに家から出る気がなさそうな格好のお兄さんに見送られて家を出た。

「宗ちゃん」

「ん?」

「ミュージカルの後にこの前のカフェに寄っていい?」

「またチョコレートサンデー食べる気でしょ?」

「ううん、今日は宇治抹茶パフェにしようと思ってるの」

「・・・・・・」

 どっちでもいいけどさ、食べ物抜きで俺とのデートを楽しもうと思ったりはしない?

「ねえ、宗ちゃん」

「ん?」

「今日は夕ご飯外で食べて帰る?」

「んー・・・どうしようかな・・・」

 やっぱり玲のお出掛けの基本は食べることなんだ。誰といるかよりも、何を食べるかのほうが重要なんだな。まあ、別にいいけど・・・。

「玲はどうしたい?」

「外で食べて、帰りにイルミネーション見て帰りたい」

「イルミネーション?」

「うん。駅前のテラスでやってるらしいよ!この前ゆずはちゃんが」

「彼氏とデートで行ったんだって?」

 玲の言葉を引き取れば、玲は茶色のマスカラで縁取られた大きな瞳をますますぱっちりと開いて俺を見つめた。

「どうして知ってるの?」

「玲が言いたいことくらいわかるよ」

 素知らぬ顔で言ってやれば、立ち止まっていた玲が小走りに追いかけてきて俺の手を掴んだ。

「!」

「よかった。宗ちゃんは何でもよくわかってくれてて」

 それは玲のことが好きだからだよ・・・と、思わず言いそうになったけど、そんな俺の声はあっけなく遮られた。

「三井くん、玲ちゃん!」


 藤堂さん、この間の期末試験のご褒美の件もそうですけど、俺、そろそろ本気で怒りますよ?





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