9話 魔力を動かしてみる
(もう一週間くらい経ちますが)あけましておめでとうございます!
分かりづらい文もあると思いますが、これからもよろしくお願いします。
内容に大きく関わる場合のみ、改稿を行った事を前書きに書こうと思います。
魔法について話していると、目当ての洞窟に辿り着いた。
「ここで一旦休憩にしましょう」
空狐の言葉を聞いた俺はすぐに近くの石に倒れるようにして座った。
「はあー、疲れたぁ」
「お疲れ様です」
俺は何となく洞窟内を見回してみる。
見回してみて分かったが、今居るこの洞窟はどうやら人の手によって作られたみたいだ。
そう思ったのは、壁や地面、天井、今座っている石の椅子すらも綺麗に整えられていたからだ。
ある程度見回すと空狐が出口に移動し始める。
「どうしたの?」
「索敵の結界を張ろうかと」
空狐には世話になりっぱなしだな。
どうにかして、恩返し出来ないだろうか……。
何かないか考えていると、空狐が戻ってきた。
「主様、結界張り終わりました。これで魔物が近づいてきてもすぐに分かりますよ」
「そうか、ありがとう」
そう言うと、空狐は嬉しそうに尻尾をパタパタと振る。
しばらくして、「そうだ」と空狐が言う。
「主様、もしよろしければ魔法を覚えませんか?」
「ずいぶん唐突だな、どうした?」
「いえ、自衛のためにと思いまして。二四時間三六五日一緒にいれればいいんですが、流石にトイレなどに行くときは一人で行きたいでしょう?」
「まあ、そうだな」
俺は頷き、同意する。
「もちろん私は扉の前で待機してます」
「出来れば扉の前に待機するのは勘弁してほしいな」
「はい、まあ、それはそれとして、トイレの中では主様一人になってしまい、万が一もあり得ます」
む、軽く流された。
「なので私としては、今すぐにでも、せめて身体強化は覚えて貰いたいんです」
確かに一理あるな。
でも、魔法は俺にとっては未知の領域、一朝一夕で出来とは思えない。
「安心してください、全身強化は取得に時間が掛かりますが、部分強化ならすぐに出来るようになります」
……また心を読まれたな。
まあ、それは一旦置いといて、強化の魔法は覚えておいて損はないだろうな。
「主様、どうしますか?」
「…お願いしようかな」
「はい、お任せください!」
嬉しそうに言う、空狐。
「ではまず初めに目をつぶってください」
目をつぶる。
「次に、お腹の当たりに意識を集中してみてください」
集中、集中っと………。
すると、何かがお腹の当たりに集まってる感じがした。
「…どうやら、何か集まるのを感じたようですね」
頷く、俺。
「今感じているものが魔力です。魔力は誰にでもあり、地球でも極稀にですが、魔力を持って生まれる人がいます。つまり主様の事ですね」
おぉー、特別扱いされた所為か、何かテンションが上がってきたぞ。
「主様、集中してください。魔力が乱れてきてますよ」
空狐が少し強い口調で言う。
その事に驚きながらも意識を集中する。
「……安定してきましたね。では次にその魔力を右手に動かしてみてください」
……急に難しくなったな。
魔力を移動させるのがこんなに難しいとは思わなかった。
ほんの少しでも集中を切らしたら魔力を維持できなくなる。
苦戦していると、空狐がアドバイスをくれた。
「主様、魔力を固体として移動させるんじゃなくて、液体の様にして流してみてください」
早速実践してみる。
…おぉ!さっきより楽に移動できた。
ある程度魔力を流すと、右手が暖かくなるのを感じることができた。
「上手くできましたね。これで右手を強化する事が出来ました」
空狐が拍手する。
「魔力を右手に集めただけで出来るんだ」
「はい、これを応用し、空中に魔力を集めると魔力障壁を作る事が出来ます」
「A○フィールドみたいな?」
「人によって形や色が違うので、全員が○Tフィールドみたいな魔力障壁を発動するとは限りません」
裏を返せば、似たようなの発動する人がいるかもしれないって事か。
「話は戻しますが、こんな感じで魔力を全身に行き渡らせる事で全身強化する事が出来ます」
それを聞いた俺は勢いのままに実践し、失敗し、魔力切れで倒れるのはすぐの話。