8話 魔法について
遅くなりました、8話目更新です。
来年からは遅くても一週間以内に次話投稿するのを目標に頑張ります!
疑問を無くすはずが、次から次へと湧いて出てくる。
どうしたものかと、頭を悩ませていると、空狐が俺を呼んだ。
「主様、あそこの洞窟で一旦休憩しましょう」
空狐が指さす先を見ると、遠くの方に洞窟がある。
熊とかの大型の生き物が十分に住めるであろう、そこそこ大きな洞窟だ。
「なんか魔物とか住んでそうだな」
そう言うと、空狐は「安心してください」と言った。
「魔物の気配は無いので大丈夫です。それに、魔物が近づいてきても、結界を張るのですぐに分かります」
「結界?もしかして、魔法的な何か?」
「はい、そうです。……そういえば、魔法については話してませんでしたね。折角なので魔法についても知っている範囲の中でお話しましょうか?」
「よろしく」
俺はワクワクしながら、空狐の言葉に耳を傾ける。
「まず、魔法には 火、水、風、土、光、闇、無、時、空の計九つの基本属性があります 」
ゲームみたいに属性は五種類くらいしかないと思ったが、結構多いな。
「火、水、風、土、光、闇は何となく分かるけど、無とか、時、空属性ってなんなの?」
「時属性は時間に作用する属性の魔法で、空属性は空間に作用する属性の魔法です。残りの無属性ですが、この属性は別名その他属性と言われており、無属性以外の八つのどれの属性にも属さない魔法を指します」
「例えば、どんな無属性魔法があるの?」
空狐は「そうですねぇ」と考え始める。
「私が人化するのに使った人化の魔法とかが無属性に該当しますね」
俺が「なるほどな」と言うと、空狐は「では、続きをお話します」と続ける。
「魔法には初級、中級、上級、超級、聖級、神級の六つのクラスに分かれており、魔法の精度、威力、範囲などによって、初級から神級にクラス分けされます」
なんか、ゲームみたいだな。
「俺も魔法使えるのか?」
「はい、練習すれば使えるようになります」
「ど、どうすれば魔法を使えるの!?」
魔法が使えると聞き興奮した俺は、空狐に顔を近づけ詰め寄る。
「えっ、あ、はい、空、時属性を除く、火、水、風、土、光、闇、無属性は魔法の練習によって魔法を使えるみたいです。空、時属性は継承などにより魔法を覚えることが出来、これも練習によって自分のモノにすることで使えるようです」
と、顔を少し赤らめながら説明する、空狐。
「魔法かぁ、俄然やる気になってきたな」
異世界転移モノと言えばやっぱり魔法は欠かせないよな!
どんな魔法があるのかを考えていると、ふと疑問が浮かんだ。
「……そういえば、魔法を三属性までしか使えないとか、制限ってあるの?」
「いえ、特に制限はありません。基本的に九属性全ての魔法を使うことは可能です。可能ですが、魔法には適性が存在しています。適性が低ければ、極めようとしても初級、良くても中級止まりの魔法しか使うことが出来ないんです。逆に適性が高ければ、極めようとしなくても上級魔法を使えるみたいです」
「へぇ~、その適性ってどうやったら分かるの?」
「すみません、適性の判別方法までは分かりません」
んー、まぁ、分からないなら仕方がないな。
「あ、そういえば、空狐はどんな魔法が使えるの?」
「空属性の短距離転移と索敵の結界、無属性の身体強化、あとは火属性の上級魔法をいくつか使えます」
『空』狐ってついてるから空属性の魔法が得意かと思ったら、意外に使える魔法は少ないんだな。
そんな事を考えていると、ふと思った。
「なぁ、空狐」
「はい、なんですか?」
にっこりと微笑む、空狐。
「なんで、この世界の魔法についてそんなに詳しいの?」
「…それはですね、生まれた時にすでに知識としてあったからです。恐らくですが、私を作った人が私を作るときに魔法についての情報を組み込んだのだと思います」
「魔法以外のこの世界についての知識はあるの?」
「えっとですね……魔法と自分の事のみですね」
(どうせならこの世界についての知識も組み込んでくれれば良かったのに)
そんな俺を見て心を読んだのか、空狐は苦笑した。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今年の投稿はこれで最後となります。
それでは皆様良いお年を。