お金があるっていいね!
「いらっしゃいませ」
初めての防具屋だ。
武器屋の厳つい親父と違って、柔和な笑みを浮かべるおばちゃんだ。
防具屋よりもアイテム屋とかのが似合っている感じ。
「何をお探しですか?」
「え~と」
《因子覚醒》時に得た情報パート1。
防具は頭、胴、腰、腕、脚の五カ所に装備可能。
ついでにアクセサリーは物理的につけられる限り、無限に装備できる。
「初めてなんだけど何がいいですかね?」
「ご予算はいかほどですか?」
「銀貨10枚」
おばちゃん、目が落ちちゃうよ?
という位目を見開いている。
「当店最高装備一式持って行かれますか?」
何というか、ちぐはぐな感じだった。
身体は全身鎧、頭は鉢巻、脚というか足はブーツ。
絶対動きにくい。むしろ今動きにくい。
顔に出ていたのだろう。おばちゃんがちょっといいことを教えてくれた。
「すいませーん、防具屋のおばちゃんに紹介してもらいましたー」
「おう」
うーん、ドワーフ。
ずんぐりムキムキ、どこからどう見てもドワーフですありがとうございます。
ちなみに《鍛冶屋》です。
「それで? 《材料》は?」
おばちゃん防具屋最高装備一式を《具現化》してドサドサ。
「随分金を持っているようだな」
「なけなしのお金なんでボッタくるのは止めて下さいね?」
「するか、そんなモン。で、これをどうして欲しい?」
《鍛冶屋》の仕事は大きく二つ。
《素材》から武具を作る、武具を《材料》としてその形を変える、らしい。
「全部まとめて布装備みたいにって出来ます?」
「この盾と小手、兜は無理だ」
まあ、だいたい想像はついたよ。
っていうか盾がアクセサリー扱いってすごいよな。
さておき。
「兜はバンダナですかねー」
「好きにしろ」
好きにしました。
あっという間に《鍛冶》が終わるとその場で《具現化》して持ち帰った。
頭に鉢巻、身体から足に掛けてはリアルの服装、ライダーグローブにスモールシールド。
大丈夫だろうか。周りから変に見られないだろうか?
「ちわー」
「らっしゃい」
初代厳つい親父、まあつまり武器屋だ。
「銀貨1枚、使いやすい武器頼んます」
「……羽振りがいいな」
そんなにわかるかな、キョロキョロと。
うん、ただの服だ。
「銀貨1枚か、なら《自動整備スキル》の《ショートソード》はどうだ? 折れるまで酷使しなければ実質耐久度∞だ」
《ナイフ》で《スライム》数撃だったからこの金額の武器でまずはいいだろう。
ショートソードといえば初心者向けの武器としてイメージ出来るし。
一応街を出るまでは《ディスク》の状態にしておいた。
さあ、二度目の外出だ。
こんな装備で大丈夫かな? ……大丈夫でしょ!




