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見守る者たち

「善戦しているようだな」


 沸き上がる革命軍の間をすり抜け、ライルの隣にやって来たリバルがジャンヌの動きを見て感嘆の声を上げた。


「そうでなくては困る。ここであいつが負けたら我々の負担が増えるだけだからな」

「そうだな。士気の下がった部隊で、あの包囲網を抜けるのは大変そうだ」


 ライルの意見に賛同しながらも、リバルは難しい顔をする。


「どうした。何か不安なことでもあるのか?」

「彼女は強い。それは誰の目から見ても明らかだ。だが、あのままでは決闘には勝てない」

「……どういう意味だ?」

「ひょっとしてだが……ジャンヌは人を殺した経験がないのではないのか?」

「…………」


 押し黙ったライルを見て、リバルは確信する。


「図星……か。決闘とは過程は関係ない。最終的に相手の命を奪った者の勝ちだ。ジャンヌの動きは確かに凄まじいものがあるが、あれは相手の命を奪う戦い方ではない。あの方もそれに気付きつつある。このままでは……」

「だが、我々には何も出来ん。ここで見ている以外は、な」

「……全くだ」


 ライルの突き放す言い方に、リバルは肩を竦めて見せる。


「なら、せめて俺は状況が変った時にすぐに動けるよう、準備でもしておこう」


 そう告げると、リバルは軽く手を振って去って行った。

 去っていくリバルの背中を見つめながら、ライルは親指の爪を噛む。

 リバルがわざわざここに来たのは、最悪の状況になる可能性が高い。だから、その為の覚悟をしておけ、と伝えに来たのだろう。

 言われるまでも無い。そんな覚悟は、ライルはとっくにしていた。


「どうやらこの戦い、貴様の真価が問われる事になりそうだな」


 ライルは誰となくひとりごちると、猛攻を続けるジャンヌを無表情で眺め続けた。

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