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地球防衛軍の三人

軍隊の階級について


大将


中将


少将


准将  


大佐


中佐  


少佐  


大尉  


中尉


少尉


准尉/特務曹長


上級曹長


曹長


軍曹


伍長


上等兵


一等兵


二等兵


「USM出動、直ちにA地区に向かって下さい。」

 警報音を鳴らしながら、アナウンスがしゃべりたてる。自分の部屋の中にいた隊員たちは、あくびをし、ぶつぶつと言葉を発しながら隊員の服に着替える。

「まったく、まだ朝の三時だってのによ・・・・・」

 一ノ瀬蓮はつぶやいた。背中に『USM』と大きく書いてある、周りからは『カッコいい』と言われるが自分は似合わない、と考える制服をいやいや着る。

 朝食を食べていないのに歯を磨き、顔を洗い、頭に攻撃(・・)されても少しは大丈夫なようにヘルメットをかぶる。

「・・・・行くか。」

 一之瀬蓮は部屋を出た。


「うっわ、でけえ・・・・・・・・・・・」

 目の前には50M位はあるであろう、赤い目をしており、体は青く、ロボットのような姿をした宇宙人(・・・)がいる。その大きさは周りのビルと比べてもすさまじいものだ。

「こいつ倒すんすか?このでかさじゃ倒してもその辺りの街倒壊しちゃいますよ。」

 二宮真が、まぶたが閉じそうなのを必死に耐えながらしゃべった。蓮もそれに反応する。

「そうは言っても倒さないよりはましだろ・・・・・・・・ほら!来るぞ!!!」

 宇宙人は大きな唸り声をあげながら、両腕を地面に向かって思いっきり叩きつけた。もし蓮たちがそのままでいたならつぶされていただろうが、蓮たちは宇宙人が両腕をたたきつけるよりも早くに空中に浮かんでいた。制服から出ている黝い(あおぐろい)ジェットエンジンから、常にエネルギーが放出されている。蓮が、宇宙人を見つめたまま叫ぶ。

「二宮ァ!!俺が撃つからフォロー頼む!!!」

「OKっす!!」

 そういうと、二人とも腰のベルトについているMS (マシンガン)を取りだす。宇宙人に向かってしっかりと構える。

「撃てえぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

それを合図に二人とも銃の引き金を引いた。


              *

 1995年4月27日、地球に謎の飛行物体が飛来した。その物体は、世界を転々としながら爆弾を落としていった。その爆弾の火力はすさまじく、一つ落としただけで数万人もの人が死んでいった。地球人は最後の力を結集し、この物体を撃破しようと無数の方法を試みた。しかし、その物体はとても素早い動きをして、ミサイルを打っても、人間がドッジボールの球をよけるより簡単によけられた。

政府はUMA(未確認生命体)対策精鋭特殊部隊、通称USMを設立した。USMの最大限の努力と最新鋭の武器の力で、1995年5月5日、ついに謎の物体の撃破を成功したのである。このことは全世界のニュースで大々的に報道され、USMの人気を格段に上げるきっかけにもなった。しかし、悪夢は終わらなかった。1995年6月12日、再び謎の飛行物体が飛来した。USMの前回の一件もあってか、全世界の人々は、それほどあわてなかった。1995年6月23日、その日の新聞には大きな見出しでこう書いてあった。

『USM全滅!世界の終わりか』


             *


 MSから流れ出る銃弾とともに、辺りに銃声が鳴り響く。その激しい音の中で、かすかに蓮の声が聞こえる。

「こいつは、LL‐141型の攻撃兵だ。脚の関節部分を打てば崩れる!」

 真はその声を聞き、黙って頷いた。関節部分に向かって、急いで銃口を向ける。しかし相手もただの木偶の坊ではない。大きな腕をグルっと上に回し、大胆に、それでいて正確に振り下ろす。大砲でも打たれたかのような轟音と共に、まるで弾丸のような速さの腕が二人を襲った。

「やばっ・・・」

 真が言いきる間もなく、腕はもうすぐそこまで迫っていた。蓮は、こういった危機的状況になると逆に冷静になる。素早くジェットエンジンを操作し、急いで後ろに下がる。ここで、蓮は後悔した。

 ボールがバットに当たった時の音の、何十倍も低いような音がA地区に響いた。蓮の目から、水の粒が落ちて行った。一粒二粒と、どんどん落ちていく。蓮ののどから、『二宮』のふた文字が出てくる前に、蓮はなにかがおかしいことに気付いた。よく見ると、LL‐141型の腕が、さっき真を叩いた辺りで止まっている。

 涙をふき、しっかりと見る。人影が二つほどある事に気づき、ギョッとしたが、それが誰か分かった瞬間安堵した。

「頼みます。三雲先輩!」

 泣きかけのような変な声で、精一杯叫ぶ。三雲優美は苦笑いしながら、黙ってうなずいた。


 三雲は、武器を使う蓮たちとは違い肉弾戦で戦う『格闘兵』である(蓮たちは『武装兵』)。

格闘兵は基本的に男性で構成されているが、優美は数少ない『女性隊員』である。格闘兵は人工筋肉で全身を覆っており、本来の何倍もの力を発揮する事ができるが、武装兵と違い敵の近くまで寄らないと攻撃できないため、よくけが人が出ることが多い。さらに、直接自分の力で戦闘を行わなければならないため、力の弱い女性隊員では何かと不利なことが多い。だが、優美はUSMの訓練を一年間続け、その努力のおかげで強力な力と武術をものにした。さらに、その力で数々の功績を残し、ついに『伍長』に就任した。(蓮たちは二等兵)。蓮達からすれば、カッコいい先輩である。


 三雲の腕が真剣白刃取りをするように、とんでもない速さで飛んできたLL‐141型の腕を抑えていた。その腕は、痙攣のような状況になっているだけでほとんど動かない。LL‐141型は何とかして腕を動かそうと、体をひねったり、引っ張ったり、押し込んだりするものの、全く動かず、もはやその姿は滑稽ですらある。

 三雲はにやりと笑いながら、白刃取りの体形から背負い投げの体形へと変わった。

「うおおおりゃああああああああああああああ!!!!!!」

 三雲は、先ほどのLL‐141型の唸り声にも負けないほどの掛け声をかけながら、LL‐141型を宙に浮かせた。

 しかし、この状態で敵を思いっきり地面にたたき落とせば、A地区が壊滅してしまうのは道理である。

だが、三雲はそんなことは全く考えていなかった。

ビルが何棟も壊れる音がした。人はすでに避難しているため、悲鳴のようなものは一切聞こえなかったが、建物の壊れる音がさながら悲鳴のようだった。恐ろしい宇宙人は倒した、人のけがもなかった、他の宇宙人が攻撃してくるようなこともない。だが、3人の顔は、真っ青に染まっていた。


できるだけ質の高い文章をあげたいと思いますm(__)m

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