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6/7

キスもサーモンも黒けりゃ分からん

永遠のようだったが、実際は5秒もなかっただろう。


キスを交わしている私たちを現実に戻したのは、お母さん?の声だった


「かぐらぁ~ちょっと晩御飯手伝って~!」


スッと現実世界に戻ってくる2人。あわてて距離を取り気まずい雰囲気が流れる。


「かぐらぁ~聞こえてるー?」


この声に反応してようやく神楽かぐらが反応した。

「わ、わかった!今行く!」


気まずい雰囲気を避けるように神楽かぐらはドタドタと一階へと降りていく。

対して、私は


──キスしちゃったぁ


人生初めてのキスで頭がボーっとしていた。

パパとママに「ルックスはいいんだから」

と言われ続けて15年。

誰からも好かれてこなかった。

ずっと彼氏が欲しいって言っていた。


それが実質的にさっきのキスで叶ったのではないだろうか。


「よく考えれば神楽かぐらはお兄ちゃん、なんだよね。」


パラレルワールド、というものがわかりにくくしている分、半分血がつながっているという実感はほとんどない。

最早、神楽かぐらを異性として見るな、ということは不可能だった。



どれくらいだっただろうか、3分かもしれないし5時間かもしれない。

ボーっとしている私を現実世界に引き戻したのは怪異なメロディだった。


最初は神楽かぐらが何かの楽器を奏でているのかと思った。

確か、彼は吹奏楽部でパーカッション担当だったはずだ。

ただ、何かを叩いている、という印象はない。


なんかこれは、声?


何かの曲だろうか。

音階が滅茶苦茶でよく聞き取れない。

ただ、メロディを脳内で必死に検索した結果、


①スーパーで特売品とかのコーナーで流れてるあの曲

②神楽が歌っている


という以上2点がわかった。

なんでこんな興ざめのようにまとめているのかというと


(自分でもわかったことが奇跡…!)


そう、リズムは正確なのだがすべて音の高さが違う。

究極の音痴。

そりゃ冷めるわ。カエル化現象って多分こういうことだと思う。


そのあとに漂ってきたのは何やら焦げくさいもの。


やや時間が経つと、

爽風蘭そぷら飯だぞー」


とパパにしてはテンションの低い声が響く。


お腹は減っているには減っているが、匂いが匂い。呼ぶ声が呼ぶ声。

はっきり言って悪い予感しかしない。


ただ、空腹が勝り階段を降りていく。

4人掛けのダイニングテーブルを見たときに最初に見えたのは──


黒い何か。魚?

これは?


疑問に思っていることを察したのだろう神楽かぐらが近寄ってくる。

「ああ、これか?サーモンwith炙りチーズ。頑張って作った。」


これサーモンなんですかあああああ?

ダークマターの一種ではなく?


「かぐらぁ、これキスよ。」


黒いから見分けつかねえええええ


焦げ臭いにおいの正体はこれだったらしい。

頑張った、とはどや顔で言われても、正直食べられる気がしない。

少女漫画で女の子が作っていたらおそらくキッチンが爆発していただろう。


ここまで少女漫画みたいなストーリーで日常が進んでいたが、ここにきて料理をするのが男の子のほうでよかった。

いや、そんな展開あるんだな。


「ごめんねぇ、久々に料理を任せてみたんだけど、ウチの子料理が壊滅的に下手で」

とお母さん?のフォロー。

?が消えないんだよな。だって、私だって「部分的にウチの子」になるだろうし。


「お母さ…ん……冷蔵庫の中身を確認してもいい…ですか?」


これはもう1品自分で作った方がよさそうだ。

そう判断した私はお母さん?に尋ねる。


「いいよー。あ、そうだ、爽風蘭そぷらもうちの子ねぇ」


ちょっと陽気なお母さん<ここまで来たら?はいらないだろう>に聞き、冷蔵庫を開ける。

こっから手っ取り早く作れる料理を頭の中で検索する。

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