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いっけなーい遅刻遅刻~サーモンver~

とにかく、私は昨日からこの異世界日本に住むことになった。

どうやらこちらの中村家はサーモンの養殖をやっているらしい。


なので、長男の神楽かぐらはサーモンが好きすぎてサーモンの着ぐるみまで自作した。

しかもそれが本人にとっての一張羅らしくてそれを着てどうしても告白したかった。


いやいや、そうはならんやろ。


一応、パパに聞いたけど、

その感性を持ち合わせているのは神楽かぐらだけのこと。

当然昨日の告白は据え置き。


サーモンってのもあるし、もともとこっちが一方的に知られていたのが怖かったってのもある。


あまりにも口説かれるものだから、中村水産の建物の別荘(パパはこっちで結構お金持ちだったらしい)にある山側に住むことになった。


とりあえず私は高校1年生として生きていく。

神楽かぐらが兄くらいがちょうどいいだろう。

一旦ステイということで一度昨日の告白はなかったこととして、同じ高校に通うことにした。もしかしたら第一印象が最悪なだけかもしれないし。

うん、頑張れ私。


ということでどっと疲れた身体に鞭をして新しい部屋でパジャマに着替えた。

そのまま身体をベットに預けた私は寝てしまっていたのだ。


次に目を覚ましたのは朝7時53分。学校は確かここから歩いて10分くらいのところ。確か昨日パパに8時15分には学校についているようにしなくてはならない。


転校の準備はなぜかできているらしいが、制服は学校で配られるらしい。

元居た世界の制服を急いで着て、髪をとかすなど

なんやかんやお年頃の女子高生として必要最低限のことを済ませる。


そのままパパが朝食を準備しているリビングにドタドタと向かう。


「おは──」

「どうして起こしてくれなかったの!?」


そんなよくありふれた少女漫画にありそうなやり取りをしているなぁと思いながらパパとやり取りをする。


いや、起こしていたぞ

起きてなかったら意味がない


なんてやり取りをしながら、朝ごはんしているパパに朝ごはん、時間がないからパンでいいだろう。

を催促する。


それを聞いたパパはキョトンとする。

「昨日も言ったと思うが、この世界ワールドでパンって朝食で人気なくてだな…サーモンならあるぞ」


(そういえばそういう設定ありましたねぇ!?!?)


と心の中で叫び(パラレルワールドの設定に文句言っても仕方ないからだ)


パパが指さす朝食の中で丼の中で一番大きなサーモンの切り身を口にくわえる。

少女漫画にもある程度精通しているパパが

ブッと

吹き出す。


そうだ、これから私がやるのは

『いっけな~い遅刻遅刻!』のサーモンバージョンだからだ。

非常にシュール。


昨日教えてもらったこの建物と新しい学校の位置関係を頭の中で書きだす。

確か、山を下りて角を右に曲がればなんとかなるはずだ。


転校初日から遅刻するとクラスの第一印象も最悪だからな。

仕方なし!と思い、昨日持ってきた転送装置兼リュックを背負って(これしかバッグがなかったのだ)口にサーモンの切り身を加える。


曲がりくねってはいるが、田舎の一本道。

様々な家が立ち並ぶが、そこからトーストの香りはしない。


強いて言うなら、白米を炊いたにおいがするがトーストはしないな。

なんてことを考えながら山を下っていく。


途中、車が通る瞬間があったので、隙あり!と加えていたサーモンの切り身を半分食べる

あと少しで学校というところ、左に曲がれば学校が見えるというところ。

右側通行を律儀に守り、いざ曲がろうと交差点まで突き出ると私は男の子とぶつかる。


ですよねえええええええ!?


パラレルワールドでシュールな形ではあったが、


①転校初日に寝坊

②朝ごはん食べながら走る

③曲がり角がある


こんなん誰かとぶつかってくださいというくらいのノリだ。

もちろん、ぶつかった相手は


神楽かぐらだ。


手持ち型の通学バックを左手の人差し指と中指でひっかけた状態で左肩に載せている。

すまん、大丈夫か?と言いつつこちらに右手を伸ばしてくる。

ただ、昨日はセンスが終わっていたサーモン型ではなく

明るい日差しの中、彼の制服姿を見ると


かっこいいじゃん


そう思った。

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