あなたはかくも美しい
暗闇の向こうを見つめながら、ロザムンドは冷たい錬鉄のバルコニーの手すりに重くもたれかかり、その滑らかな表面を指でなぞった。探求心にも似たエネルギーが込み上げ、心臓の鼓動が速まるのを感じた。空気はひんやりと澄み渡り、彼女の肌を優しく撫でていく。その風は、松の土っぽい香りと、眼下に広がる大地のかすかな湿り気を運んできた。月光は優しく幻想的で、銀色にきらめく川のように彼女の上の谷間に降り注ぎ、周囲を非現実的な輝きで照らし出していた。驚いたことに、彼女の夜の視力は異常なまでに鋭敏で、昼間よりも鮮明に物を見ることができた。遠くの教会の尖塔のてっぺんにある、月光にかすかに照らされた繊細な十字架。谷間に寄り添うように建つ村の家々の、夜の闇に縁を柔らかく包まれた茅葺き屋根。そして、遠くの白樺の木に静かに舞い降りるフクロウの壮麗な翼。その羽が風にかすかに擦れる音まで、驚くほどの明瞭さで捉えることができたのだ。
静寂に包まれてはいたが、夜は微細な音で満ちており、それらが混じり合って静けさそのものと共鳴しているかのような、柔らかな交響曲を奏でていた。フクロウが止まり木で身じろぎすると、羽が優しく擦れる音がし、それに続いて空中に弱く響き渡る、低く物悲しい鳴き声が聞こえた。コウモリの羽音が静寂を切り裂き、月を横切るそのシルエットが、明るい円盤を背景に一瞬の影を描いた。木々は風に穏やかに揺れ、その葉が囁きの合唱のように擦れ合い、まるで闇だけが理解できる言葉で古の秘密を交換しているかのようだった。
かつてロザムンドは夜を避けていたが、今やその嫌悪感を呼び起こすことはできなかった。かつては脅威的な危険として迫ってきた影が、今では彼女を神秘と安らぎの繭、優しく、そして母性的でさえある温もりで包み込んでいた。月光が彼女の上に広がり、その柔らかな輝きが彼女の魂を鎮め、まるでその静かな祝祭に加わるよう誘っているかのようだった。優しく、心地よい重みとともに、彼女は悟った。ここが自分の真の領域なのだと。夜、そして闇こそが。これほどまでに計り知れない、息をのむような美が闇の中に存在し得るとは、夢にも思わなかった。まるで世界が昼間の見せかけの仮面を剥ぎ取り、より私的で、隠された一面を現したかのようだった。それは、彼女の心の奥深くにある、言葉にならない弦を震わせる響きを持っていた。
彼女のすぐ後ろに、長身で痩躯のイヴァール伯爵が現れたことに、彼女はほとんど気づかなかった。彼の出現に驚きはなかった。むしろ、それはその夜の自然な成り行きであり、避けがたく、滑らかな出来事のように感じられた。
「どうやら、夜が君の思ったほど恐ろしいものではないと学んだようだね」彼は、周囲の夜の交響曲によく溶け込む、柔らかく旋律的な囁き声で話した。
「ただ…これほど美しいとは思いませんでした」彼女の言葉は、その瞬間の絶妙な平和を壊すことをためらうかのように、か細い囁きとなってこぼれ落ちた。
イヴァール伯爵がためらったとき、ロザムンドは彼の沈黙の思考の重みを感じることができた。彼の思慮深い静寂が長引くにつれて、彼女は息をのみ、彼が二人の間の距離を縮めるのを待った。
ついに彼は、慎重な口調で切り出した。「もしかしたら、時が経てば、私が君の思うほど卑劣ではないと分かってくれるかもしれないだろうか?」
その問いは濃い霧のように空中に漂い、ロザムンドは唇を噛んだ。その言葉が伝える深さに彼女は心の準備ができておらず、返すべき言葉を見失っていた。遠くのフクロウの鳴き声と、風に揺れる木々の優しい囁きだけが、静寂を破っていた。
月光の穏やかで官能的な輝きが、彼女の心を落ち着かせていたからだろうか。イヴァール伯爵の腕が後ろからそっと彼女の腰を包んだときも、彼女は驚かなかった。彼は、まるで彼女が闇に消えてしまうのを恐れるかのように、ためらいがちに、軽く触れた。彼の冷たい気配が肌に触れると背筋に震えが走り、続いて彼の唇が彼女の肩に触れた。柔らかく、くすぐったいその感触が、感覚の火花を散らした。彼のキスは彼女の喉を伝い、耳の後ろの繊細なくぼみへと続き、奇妙で浮き立つような温もりが手足に広がっていった。未知の感覚が目まぐるしく乱舞する中で、彼女は無意識に頭を後ろに傾け、小さく喘いだ。
顔を巡らせ、彼女は彼の深く、突き刺すようで、魅惑的な黒い瞳を見つめた。その瞳は夜の本質そのものを映し出しており、もし身を任せれば、その中に溺れてしまいそうだった。
考えるより先に、彼女の唇は彼の唇と重なっていた。閉じた瞼を通して月光が染み込んでくるかのように、感覚が銀色の霞に包まれた。彼女を襲った震えは、恐怖からではなく、疑念と欲望が複雑に混じり合ったものだった。彼の腕が彼女を抱きしめ、情熱の奔流を押しとどめるかのように、力強くも慎重だった。
少し身を引くと、彼女は驚いた目で彼の謎めいた顔を探った。彼の表情は穏やかだったが、その瞳は彼女の心臓を激しく高鳴らせる情熱で燃えていた。まるで魔法から覚めたかのように、パニックの激しい波が彼女を襲った。自分の行いの重みがのしかかってくるのを感じながら、彼女は彼の腕から滑り出て、室内へと逃げ込んだ。心臓が肋骨を激しく打ち、ベッドに崩れ落ちると、彼女は両手で顔を覆った。その息は乱れ、途切れ途切れだった。
「ロザムンド!ロザムンド!すまない!」イヴァール伯爵の心配と後悔に満ちた声が彼女を追ってきた。「申し訳ない、君をこんなに動揺させるつもりはなかったんだ」
しかし、彼の言葉は、枕に押し付けられた彼女の恥じらいの嗚咽にかき消された。なんてことをしてしまったのだろう?自分が常に戦うと誓ったはずの力に、屈してしまった。彼を憎むべきなのに、まるで炎に吸い寄せられる蛾のように、彼に惹かれてしまった。彼女の内なる苦悩は収まることなく荒れ狂い、自分ではどうすることもできない嵐となっていた。
彼女の苦悩を聞き取り、彼の声は狼狽の色を帯びた。「すまない、ロザムンド。もし君が望まないのなら、二度とキスはしないと誓う!だから、どうか泣かないでくれ。何が君をそれほど苦しめているんだ?」
それこそが問題なのよ!混乱のさなか、彼女の心は叫んでいた。一番悲しいのは、私がそれを望んでいたということ!言葉にしない告白でさえ、胸が痛んだ。自らの信念を裏切ったという羞恥心に、彼女は打ちのめされていた。
涙が喉を詰まらせ、彼女の言葉は意味をなさなかった。彼はベッドの端に腰を下ろし、その存在は安らぎであると同時に苦痛の源だった。彼が落ち着かせようと囁く声は、穏やかで安定した糸のようだったが、彼女のすすり泣きは続いた。彼が優しく背中をさすり、その指が彼女の髪を梳く慈しみが、彼女の混乱をさらにかき乱した。そこに映し出されるであろう真実を恐れて、彼女は枕に顔を埋めたまま、彼の目を見ようとはしなかった。
苦しい時間が過ぎた後、ついに彼は身をかがめ、彼女の髪に優しくキスをした。その仕草はあまりに穏やかで、彼女を再び打ち砕きそうになった。イヴァールは声にならない重荷をため息に込めると、立ち上がり、静かに部屋を出て行った。彼の後ろで、ドアがカチリと小さな音を立てて閉まった。




