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探偵マックス・ベル短編集(Detective Max Bell)  作者: 湖灯
★ブルックリン区、1番街の荷降ろし場事件
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【1番街の荷降ろし場⑨(The loading dock on 1st Street)】

 車を埠頭の影に止めたビルに小僧を預け、直ぐ近くの病院に連れて行くように言った。

 小僧を運ぶ俺の後ろ姿を見た奴らが、俺が尻尾を撒いて逃げているのだと勘違いして奴らの中の2人が追いかけて来ていたものだから、小僧をビルに預け埠頭に戻ろうとしたときに鉢合わせした。

 相手は面食らった顔をしていたが、俺的には想定内の出来事だったので、拳銃を握ったまま1人の顔面にパンチを入れ、もう1人には出会いがしらの勢いのままストマックに膝を減り込ませてやると2人とも素直に失神した。


 拘束する暇は無いから、ココから急がなければならない。

 時間が掛かってしまうと、失神から覚めて逃げ出してしまうから。


 勘違いされては困るので説明するが、コレは俺のためではなく彼らのためだ。

 ミッションに失敗した悪党の下っ端は、逃げ帰ると酷い仕打ちを受ける。

 ソレで足を洗えれば言うことはないが、たいていの場合は見張りに監視され、そういった素振りがあると判断されれば容赦なく消される。

 まあこの場合見た目上では、自殺や事故死、あるいは薬物中毒死と相場は決まっている。

 もし彼らにヤル気が残っていれば更に悪事を積み重ね、大物へと育てられる。

 コレが悪の組織の仕組み。


 だから、そうならないように、俺たち警察は下っ端でも容赦なく捕まえて牢屋に放り込むのだが、そこで更生出来るヤツは極僅かな者だけだが更生できる可能性が少しでもある限り機会を与えてやらなければならない。


 これまでの守勢から、一気に攻勢に転じて突進してくる俺に、残った奴らは焦った様子を隠そうともしないで右往左往しながら銃を乱射してくる。


 下手なくせに動きながら銃を撃つものだから、倉庫の屋根に穴が空いたり、逆に俺の足元で銃弾が跳ねたりと危なっかしくして仕方ない。


 とうとう俺も我慢の限界。

 と、言うより狙った所に当たる射程圏に入ったので反撃の射撃を始めた。

 俺が銃を向けると、奴らは直ぐに遮蔽物に身を隠す。

 だがロクな所に隠れていない。

 空のドラム缶、木箱、古いソファー、横に寝かしたテーブル、シャッター。

 テレビドラマの見過ぎ!

 そんな物に隠れても、銃弾からは逃れることはできない。

 特に45口径のM1911からは。

 ただひとつ面倒なことは、頭を引っ込めた位置から割と状態が掴める上半身は狙わずに、俺は奴らの脚を狙っていると言う事。


 頭や上半身に弾を当ててしまうと、奴らから更生の機会を奪ってしまう恐れがあるから。

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― 新着の感想 ―
「頭や上半身に弾を当ててしまうと、奴らから更生の機会を奪ってしまう恐れがあるから。」 これは余裕の発言ですね(^_-)-☆
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