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探偵マックス・ベル短編集(Detective Max Bell)  作者: 湖灯
★ブルックリン区、1番街の荷降ろし場事件
6/37

【1番街の荷降ろし場⑥(The loading dock on 1st Street)】

 奴らに逃げる隙を与えないように、絶え間なく姿を晒す。

 いくら相手が銃の扱いに不慣れだと言っても、下手な鉄砲数撃ちゃ当たると言うように、それなりにリスクはある。

 だが、そんなことを気にしていたのでは、この商売は務まらない。

 もし俺が撃たれたら、後は相棒のボブが上手くやってくれるだろう。

 最悪でも事件としてチャンと記録されるし、万が一俺が死んだとしてもNY市警が黙っちゃいない。


 警官殺しの案件に対して、警察や検察は組織全体で対応に当たる。

 表向きには中立の裁判官もこのときだけは裏で融通を利かしてくれ、司法に関わる全ての組織が犯人の検挙に向けて一致団結するから、これまでのぬるい捜査じゃない。

 つまり俺の死は無駄にはならないばかりか、その死によって悪の組織が丸ごと一つ吹っ飛んでしまうって訳だ。


 死んで英雄と崇められ、そののちにハリウッドで映画化される事だろう。

 なにせノンフィクション物は人気があるからな。

 主役である刑事マックス・ベルを務めるのは、俺に似たイケメンのジェンセン・アクレスか?(※ジェンセン・アクレス=全米で2005年から2020年にかけて全15シーズン327話が放送された大人気ドラマ『Supernaturalスーパーナチュラル』)で、主人公の1人ディーン・ウィンチェスター役を務めた俳優)

 そして俺の墓には、ファンの娘たちの間で聖地として崇められ、週末には墓は花で埋め尽くされる。

 と、そんな事を考えていると、いつも以上にヤル気が出てきた。


 奴らとの距離を20ヤードくらいまで詰めた。

 さすがにこれだけ接近すれば、下手くそな奴らの銃弾も割と俺の近くに集まるようになってきた。

 俺がこれまで船にしか銃を撃っていないから、おおかた弾が切れたのだと思っているのだろう。


 丁度そう考えていると、ヘンテコな悲鳴を上げながら俺に向かって来るヤツが現れた。


 突進してきたのはアフリカ系で、身長こそ大人並みに高いが、まだ15・6くらいのケツの青いガキ。

 ただでさえ生活が苦しい家庭が多いアフリカ系で、こんなガキの頃から悪党の下っ端として働いていたんじゃあお先真っ暗な人生を歩むことになる。

 拳銃で撃つのは簡単だが、準備体操をするために俺はポケットの中で手に持っていた拳銃を腰のホルスターに戻した。

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― 新着の感想 ―
準備体操って格闘ですか?(^_-)-☆
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