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探偵マックス・ベル短編集(Detective Max Bell)  作者: 湖灯
★コロンビア大学拳銃乱射事件(Columbia University shooting)
30/37

【美少女と坊主①(Beautiful girl and boy)】

 携帯を仕舞う時、電源も切っておいた。

 電源を切ることによって、マックスさんには私の危機を、そしてサミュエル君には安心を届けられるはず。

 特に自暴自棄になり家から復讐のために拳銃を持ち出した彼の事情を聞く上で、この事は一番重要になる。

 通常の精神状態の場合でも友達との会話の途中で他の友達から電話が入るだけで、話していた友達の占有感がなくなるだけでなく、電話が長引けば無視されているような失望感や不信感を少なからず覚えてしまうはず。

 今回の相手は特に精神的に難しい状態のはずだから、うまく相手の気持ちを引き出すことができたとしても、たった1本の電話で全てがパーになるどころか相手がパニックに陥る状況も考えられる。

 もしそうなれば、私も無事では済まないだろうし、事件は最悪の結果をもたらすかも知れない。


 大丈夫!

 マックスさんなら、きっと私を見つけ出して彼を良い方向に導いてくれるはず!


 “頑張れ!私‼”



「やだチョッとあのひと私たちの下半身ばかり見てない?」

「どう見ても名門コロンビア大学の関係者には見えないから、エロ目的で校内に入って来たオッサンよ」

「や~ねぇ~」


 女子大生の2人組がコソコソと話しているのが耳に入る。

 誰がオメーらの下半身なんか見るかよ!

 俺はただ靴を確認しているだけなんだ。

 そりゃあ、まあ、タマには綺麗な生足に釣られてしまうこともあるが、コレは俺の余裕と女のトラップのせいだ‼

 ところでシーナと別れて15分経つが、10分おきに連絡を入れるように言っておいたはずなのにソレがまだない。

 まあ俺から連絡してもいい訳だから掛けてみる……ところが彼女は携帯を取らないどころか電源を切っているか電波の届かない場所にいるらしい。

 このNYで電波の届かない場所なんてないから、電源が切られていると言う事だろう。

 いまどきの若い女性は携帯バッテリーの充電状態にはシビアだから、たった15分で切れるような事にはならない。

 まして彼女のような真面目ななら、バッテリー残量が少なければ、そのことを予め俺に伝えて代替えの連絡手段を提案してくるはず。


 それが無いと言う事は、こりゃあ何か不測の事態があったのかも知れない。

 不測の事態……。

 なんだか悪い予感しかしない。

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― 新着の感想 ―
見事に当たってますね!!(^_-)-☆
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