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攻撃力には自信があります!  作者: 支烏 灯鬼
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プロローグ

 冒険者になりたいと思った。


 世界を自由に冒険したり、魔物と戦ったり、いろんな人と出会ったりする冒険者になりたい。


 けど私はまだ16歳だ。20歳以上にならないと冒険者になるための試験を受けられない。


 はっきり言って試験は簡単だ。


 試験には筆記試験と戦闘試験の2つがあり、その2つの試験を受け、その合計点が合格点を越えれば晴れて冒険者になれるのだ。


 私には全ての試験に合格する自信がある。

 なぜなら私は小さい頃からおじいちゃんとおばあちゃんに色々教わってきたし、戦闘経験も豊富だからだ。


 おばあちゃんからは言語と数学、大陸史、一般常識、魔法などを教えてもらい、おじいちゃんからは武術と剣術、弓術といった戦闘面に関する知識を教えてもらった。そういえば、おばあちゃんがぶつりがくとかげんしとか言うのを教えてくれたなぁ。けどその時はまだ小さかったし、話が難しくてよく覚えてないや。


 おじいちゃんは戦闘訓練もよくしてくれた。

 森の木を切って広場を作り、そこで時々稽古をつけてもらった。魔物を倒しに森の奥まで連れて行ってくれたこともよくあった。おかげでレベルが上がって今では200を超えている。


 そんなわけで、私にはもう合格する未来しか見えない。

 あとは年齢だけなんだけど、どうしようかなぁ。

 おばあちゃんに相談したらなんとかなるのかな。

 昔から私のお願いよく聞いてくれてたしなぁ。

 う〜ん……よし!行ってみよう!なんとかなるかもしれない!

 私は勢いよく部屋を飛び出した。


 「おばあちゃ〜ん!!!」

 「あら、急にどうしたのニア」

 「私、冒険者になりたい!」

 「あら、そう……」


 おばあちゃんの表情が曇る。

 やっぱり無理なのかなぁ。


 「……そうね。ニアはもう森の魔物なんかデコピンだけで倒せちゃうものね。ちょっと早いけど、ニアにはいろんなことを教えたし、あなたのお母さんからも好きにさせてあげてって言われてるし…わかったわ。ちょっと待ってて。」


 そういうとおばあちゃんはどこかに出掛けて行った。

 どこに行ったんだろう。


 数時間後。

 「ただいま〜」


 あっ、おばあちゃんが帰ってきた。


 「おかえり〜。どこに行ってたの?」

 「それはね……」


 そう言っておばあちゃんはカバンから何かを取り出した。

それは一枚の銅のプレートだった。


「おばあちゃん、これは何?」


「これはね、ニア、あなたの冒険者カードよ。これを作りに行っていたの」


 へぇ〜、これが冒険者カード……


 ……………え?


 ………ん?


 …えっ?


 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?!?


 いやいやいや、えっ?冒険者カード?私の?なんで?試験は?私合格する気満々だったのに!?というか年齢は!?私まだ16で冒険者になるには20歳以上にならないと……待って色々飛ばしすぎじゃない!?


 「お、おばあちゃん…もう一回聞くけど…これ何?」

 「だからこれはあなたの冒険者カードよ?聞いていなかったの?」


 聞いてたよ!しっかり聞いて聞き直したんだよ!なんでなの!?なんで私の冒険者カードがあるの!?


 「お、おばあちゃん…なんで私の冒険者カードがあるの……?」

 「ちょっと無理言って作ってもらっちゃった♡」


 作ってもらっちゃった♡…じゃないよ!何者なのおばあちゃん!


 「おばあちゃん、どんな無理言ったの…?」

 「ほら〜私って昔は世界最高の大賢者だったって話したじゃない?」

 「あぁ〜、そういえばそんなこと言ってたような…」

 「昔ね、私はおじいちゃんと勇者パーティに入ってたのよ。ちなみにおじいちゃんは世界最高の剣聖って呼ばれてたわよ」


 初耳である。

 待って、私のおじいちゃんとおばあちゃんそんなすごかったの…?


 「それでね、その時の肩書きをちょっと使ったのよ」

 (…まぁそれだけじゃないんだけどね)

 「とにかく、そんなわけだからこれでもうニアは冒険者よ。外の世界を知るいい機会だから、思いっきり楽しんでね」

 もうなんでもいいや。考えると頭が痛くなる。


 これで今日から私も冒険者かぁ…!


 ん?


 カードの右端に何かある。

 これは…バッジ?4つあるけど…なんだろ。まぁいいや。


 「あっ、そうだ」


 おばあちゃんが本棚に近づき、本棚をスライドさせた。

 すると本棚の奥から扉が現れた。


 その扉の向こうにあったのは…研究室?

 床には剣や瓶やらが散らかっており、左右にある棚には本や液体が入った瓶が並んである。


 「おばあちゃん、ここ何?」

 「ここは私の研究室よ。ここで魔法とかポーションとか作ってるの。まぁポーションとか作っても使わないんだけどね…」


 棚に並んでるこの瓶は全部未使用のポーションだったのか。

 というかここ、微妙に臭いんだけど。


 おばあちゃんが研究室の奥の壁に飾ってある剣を取った。

 なんか強そう。


 「おばあちゃん、これは?」


 私は剣を受け取りながら聞く。


 「これはおじいちゃんの剣をあなた好みに改良した剣よ。名前はリルハニア」

 「私好みに?」

 「ほら、あなた脳筋だから」

 「のう…きん?何それ?」

 「まぁ知らないならいいわ。そのうち知るだろうし。でもあなたってやたらと攻撃力にこだわるじゃない?ときどきあなたのステータス見てるけど、レベルアップ時に貰えるボーナスポイント全部攻撃力に使って攻撃力上げてるじゃない。おかげで攻撃力だけ異様に高くて…おばあちゃんちょっと困ったのよ?あなたにあった武器を作ろうとしたのにあなたが攻撃力にこだわるから…」


 おばあちゃんの愚痴が始まった。

 まずい、早く止めないと数時間は続く。


 「あー、それで、その剣が私好みにどう改良されてるの?」

 「あぁ、それはね、持ち主の攻撃力に応じて剣の切れ味と耐久性が上昇するようにしてあるのよ。私の自信作。作るのに3年かかったわ。」


 すごい。ちゃんと私好みになってる。私の高い攻撃力を活かせるところがいい。


 これならなんでも切れそう。あの純金ゴーレムとか一太刀で倒せちゃいそうなくらい。


 「ありがとう!一生大事にするよおばあちゃん!」


 喜ぶ私。だが1つ問題がある。私は剣の装備の仕方がわからない。


 「おばあちゃん、剣ってどうやって装備するの?」

 「装備?空間収納魔術で異次元に収納すればいいじゃない」

 「はぁ、わかってないなぁ〜」


 おばあちゃんはわかっていない。剣というのは装備するからカッコいいんじゃないか。


 昔、おじいちゃんが剣で戦ってる姿を見てカッコよかったのを私は覚えている。魔物を殲滅し、剣を鞘にしまう。あの姿に私は少し憧れていた。だから剣を装備したい。


 「装備?困ったわね。鞘は作ってないのよ。とりあえずおじいちゃんの鞘を使って」


 おじいちゃんは今出掛けている。本人がいないのに勝手に使うのはどうなんだろう。


 まぁ多分おばあちゃんが説得してくれるよね。

 ありがとうおじいちゃん。大切にするよ。


 と、そんなことを考えてるとおばあちゃんが鞘を持ってきた。


 「とりあえずこれでいいかしら。変えたくなったら鍛冶屋に行って鞘を作って貰えばいいわ」

 「ありがとう!おばあちゃん!」

 「どう致しまして。さて、そろそろいくわよ」


 玄関に立って改めて実感する。私、冒険者になったんだ!


 「あっそうだ。ニア、これを」


 そう言っておばあちゃんが渡してきたのは、小さな袋だった。


 なんかジャラジャラいってるけど、これお金かな?


 「その中には100000ルース入ってる。そこら辺の宿なら100泊以上できるわ」

 「うわぁ…!ありがと!」


 人生初めての私のお金だ!嬉しい!正直お金の価値はわからないけど、100泊以上できるならそれなりの価値はあるよね。


 「行ってらっしゃい。ニア」

 「行ってきます!」


 私は玄関の扉に手を掛け、世界への扉を開く。

 ここから始まるんだ!私の物語が!

 期待に胸を膨らませ、私の物語の第一歩を今、踏み出した。

読んで頂きありがとうございます。

小説を書くのは初めてなので色々と気になるところや思うところがあると思いますが、温かい目で見て下さい。

次回も不定期に更新しますので気長にお待ちください。

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