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10万円でOK! 【その5】

 

 これは?


「これは国民生活センターのHPだ。そして、これは今月の注意情報のお知らせだ」


 えっと? 生活センターって・・・・


「見て! 揚羽(あげは)さんここ!」


 七星(ななほし)さんが私の袖を引っ張りながらディスプレイを指差す。



『害虫・害獣駆除のトラブルにご注意──若い世代でトラブル急増中』


 えっと・・・私のこと?



「君、えっとアゲハさん? 君と同様の問題は今が旬。アゲハさんは幸運にもまだ被害という被害は受けてはいないようだが、これから受ける恐れがあるだろう。聞こえて来た話では、苦情に繋がらないよう巧妙に引き込んで来るタイプの業者のように思える」


 大久茂(おおくも)さんの眼鏡のフチが、キランッ✧ と光った。


 真剣な横顔で画面を見ていた七星さんが、ポインターをくるくるさせて、私に一文を示す。


「揚羽さん。ここにのってる『消費者の不安を煽り、契約を急かす勧誘』って項目、当てはまらない? 私、1匹の背後に100匹いるかのような煽りとか頂けないと思うの。Gの卵で不安にさせられて、期間限定割引をちらつかされたのよね? わわッ、見て、この事例。10万!? こちらの事例では15万も請求されてる。相場の倍以上みたい」


「取り敢えずアゲハさんは冷静になって、今日の見積もりは一旦キャンセルしたらどうだろう? それから考え直しても遅くはないのでは? 僕は強制はしないが」


「そうね。私も揚羽さんは落ち着いてから考え直してもいいと思います。10万、15万も請求されたら今月の給料の大半が吹っ飛んじゃうよ。私たち、Gから身を守るために働いてるわけじゃないのよ?」


「そりゃ、私だってGのために大金をはたくなんてイヤです。だけど、また出たら、私どうすればいいの? こんな対処、他人には頼れないし、身内にも事情で頼めないし」


「揚羽さん・・・・本当にごめんね・・・G関連の件に対しては私、お役に立てなくて。だって、あれはキモいし怖過ぎる。本当にごめんなさい・・・」


 申し訳無さそうな顔を向けて、なにげに潤んだ黒目がちの瞳で私を見つめる七星さん。こんなの七星さんには関係無い問題なのに。


「私が、私がもっと強かったら・・・・揚羽さんを助けてあげられるのに・・・・悔しい・・・」


 行き場の無い子猫のようなウルウルの瞳に間近で見つめられて、ドギマギしてしまう。


「えっと、そんなこと・・・七星さんが気にすること無いって・・・」


「でも・・・困ってる揚羽さんを助けてあげられない自分が・・悔しい・・・グスン・・・」



 ────ちょ、待て。七星さんよ? 健気過ぎない? 抱きしめたくなっちゃうでしょ!! ヤバッ、これまでこの憂い顔で何人落として来たのやら・・・


 (;・∀・) ‥‥‥



 彼女のことは好きだけど、私にいつの日か彼氏が出来ても、七星さんには決して会わせまい。うん。


 (; ・`д・´) 天然のタラシ。魔性を秘めたヤバい子だよ。



 感情を誤魔化すためにうつ向き黙り込んだ私は、Gとは無関係なことをあれこれ想像していた。


 しばしの湿っぽい沈黙の間が、3人に訪れた。



 ────どうやらこの二人には、私が対G対策で悩んでうつむてるように見えてくれた模様だ。



 その証拠に、遂にこの間に耐えられなくなったと見られる大久茂から、ちょっとイラついた厳しい響きを含んだ声が放たれた。


「・・・アゲハさん! 君、一人暮らしなんだろ? なら、これは独立した誰もが乗り越える試練だ!! 一人暮らしの人は皆、Gがお越しになるたび業者を呼んでいるとでも思ってるのかッ?」


 私はおもむろに顔を上げて大久茂を見る。お、この人肌がめちゃキレイ。どんなお手入れしてるんだろ?


「いいか、一人暮らししてるんならもうちょっとしっかりしろよ! よし! 本日、アゲハ、七星、大久茂の3名は就業後、個室居酒屋ワタミンにて『一人暮らしにおけるG対策』会議を行う! いいな? アゲハは予約した見積もりを即刻キャンセルしておくように! 以上、対Gチーム、一旦解散ッ!」


 大久茂は言い終ると同時に、テーブルに両手をついてガタっとイスを鳴らし立ち上がった。


「は、ハイッ! 了解です!」


 真面目な七星さんが続いて立ち上がり、律儀にお辞儀してる。待てよ! この子、こんなことに巻き込まれて、まんまOKなのッ?!



 ───おいおい? ちょっとどうなっちゃったのよ? なんで私が仕事終ってからそんなワケワカメの会議に出なきゃいけなくなるわけ? 大久茂、さっきは強制はしないって言って無かったっけ?


 私は座ったまま、唖然と二人を見上げてる。



「あ、今日は俺が全ゴチすっから」



 出口から消える間際に、大久茂が振り向いて言った。



 ────ワオ! ならいっか (人´∀`).☆.。.:*・゜ 夕食代浮く。お酒も飲めちゃう。ラッキー! ついでに大久茂のお肌対策も質問出来る。



「よくわかんないけど良かったね。揚羽さん!」 ヾ(。>﹏<。)ノ゛✧*。



 ワワワ、七星さんが嬉しそうに、私の腕に絡みついて来た! (¯―¯٥)









                    すみません m(_ _)m 続く──




次回こそ、終るはず。小説書くといつも長引いてしまうという‥‥ ( ´ー`)φ



参考:独立行政法人 国民生活センターHP

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