近藤依頼について考える
真理が帰ったあと、近藤はデスクのパソコンを開く。
パソコンに『おおはし様』と打ち込み検索をかけてみる。
検索結果上位に表示されたのは、
『誰の仕業か?中学生遺体となって発見』
の文字だった。近藤は、サイトにアクセスした。
『3月7日より行方不明になっていた中学生遺体で発見。』
概要は、次の通りだ。
3月7日、友人6人と大橋山でかくれんぼ中、行方不明となっていた片山由紀さん(中学2年生)は
3月8日捜索隊によって発見された。
片山由紀さんは、亡くなっており顔面が潰されていた状態だった。
香川県警は、事故事件の両面から捜査を始めている。
この大橋山、おおはし様と呼ばれる神様の棲む山であり、近隣住民は神隠しにあったのではないか
と噂されている。
近藤は「神隠しか……」とつぶやくと静かに考え始めた。
山には、昔から怨霊に天狗、神様などさまざまな伝承がのこっている。
実際に奈良県の三輪山には神様が宿る山として入山規制があったほどだ。
今では、多くの人が山に入っていくが、大昔は山は神聖なものとして立ち入るのが
難しいものだったのだと考えられている。
しかし、このおおはし様は神様として信仰されているものか?
それに片山って真理と同じ名字?どういうことだ?
いろいろ考えを巡らせながら、近藤は、スマホから電話をかけた。