出会い
近藤は、探偵事務所を訪れた女性をソファに案内し、自分も女性の目の前に座った。
女性は、片山真理と名乗った。
近藤の真理の見た目における第一印象は、若くきれいな細身の女性。
髪はロング。一度も染めたことのないであろう髪が漆黒に輝いていた。
おとなしい感じの女性であろうと考察した。
近藤は、真理にどうしてここを知ったのか聞いた。
「知ったのは、YouTubeです。近藤探偵事務所は、神話や伝承、さまざまな謎に挑みますって言ってらっしゃいましたよね」
近藤は、「あの動画をみたのか」と独りごちた。
というのも近藤は、探偵事務所を始めた当初、お客を集めようと必死で、
YouTubeに広告として動画を投稿していたのだ。
投稿した近藤探偵事務所の動画は平均再生数47回。
誰の目に触れていないのも明らかであり、現在はまるで投稿していなかった。
「あれを見たのか。すごいね。全然再生されていなかったのに」
「はい。確かに再生回数はありませんでしたけど・・・神話や伝承について調べていて出てきたので私には本当にちょうどよかったんです」
「ちょうどよかった?あっお茶も出さずに申し訳ない。一人でやってるものだから。少し待って」
近藤は、立ち上がり事務所についているキッチンでやかんに火をかけた。
「立ち上がってで悪いんだけど、依頼内容おしえてくれるかな?」
近藤が話しかけると真理はうなずいて静かに話を始めた。