ユスティニアンはアスパギア星へ到着したようです
数か月の超光速航行の末、ユスティニアン一行は、スモリア王国の本星にあたり、その首都アンタリアがあるアスパギア星に到着した。ユスティニアンは今まで地球の外にいったことがなく、地球よりも美しい星はないと思っていたが、アスパギア星も、地球に負けず劣らず美しいと感じざるを得なかった。
アスパギア星は、地球から5436光年離れた惑星であり、地球人の支配下に一時的にでも入った惑星としては、最も遠い惑星である。地球人は、そこから百光年ほど先にも住みよい惑星を見つけていたが、侵略を実行する前に、山岳地帯でのゲリラ戦で反撃を始めて、地球人の武器を多数奪い、さらに奇襲で地球の宇宙船を何隻か奪って、地球の商船を次々と襲い、護衛艦隊も立て続けに返り討ちにしたリューネリアたちへ対して送った大規模な討伐隊が壊滅・降伏したことにより、アスパギア星から退却を余儀なくされたことにより、侵略計画は水泡に帰した。なおその惑星たちは、リューネリアたちの説得を受け、自治の承認を条件として、スモリア王国へ加わり、その領土となり、その対地球人戦線へ加わった。さらにスモリアは、地球人の侵略が及んでいない惑星へ使節と軍を派遣し、スモリアへ加わるように説得して回った。その結果、多くの地域がスモリアへ加わり、拒んだ地域もスモリアの軍事力で制圧された。現在ではスモリアから約千光年ほど、地球からは約六千五百光年ほど離れた地域までがスモリア領となった。地球寄りの地域では、スモリアから約四千五百光年ほど、地球からは約千光年ほど離れた地域までが、スモリアに制圧されていた。これには、地球に征服されていた先住民たちの支持があったという。スモリアの反対側の星域では、四千五百光年ほど離れた地域まで制圧していたので、地球の領土はなお広かったが、それでも多くの領土がスモリアに制圧されたことは否定できない。地球人も、スモリアに征服された地域に残存した、もしくは征服されたなどした人々が、多く官僚や学者、技術者、企業家などとして仕えるようになっていた。ユスティニアンは、スモリア支配下の地球人を見て、彼らが意外と生き生きとしており、その統治がそれなりに良いらしいことを、認めざるを得なかった。異星人たちに至っては、地球人支配下のそれが、恐怖に脅えながらも、どこか反抗的なものを感じさせ、もし地球人の支配がひっくり返ったらどうなるだろうと不安を感じさせる目をしていたのに対し、スモリア支配下の異星人たちは、堂々としており、あまり不安を感じさせる目はしていなかった。それらのことから、スモリアの統治の方が、地球のそれよりも良いということを、ユスティニアンは認めざるを得なかったのである。