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エルフとの話し合いと死んだ魚の目


 俺達は冒険者ギルドの奥にある大会議室に通された。


 部屋に集まっているのは俺達五人の他はコアリス、コアリスの護衛のエルフ三人、カノリス、そしてギルド長のジュンケン、全員で十一人だった。


 

 俺達五人とエルフ達五人がテーブルを挟んで向かい合って座りジュンケンは部屋の端に立ってどちらに座れば良いかもじもじしながら俺達を見てくる。


 「ジュンケンって何でここにいるの?」


 カノリスの心無い一言でみんなの目がジュンケンに集まる。


 「あの………ギルド長として?中立的な立場?と言うか………まとめ役?かな?」


 ジュンケンはしどろもどろになりながら自分の立場を説明しようとした。


 「まとめ役?私達にはまとめ役など必要有りません」


 カノリスは冷たく言い放つ。


 「まあ、外部には聞かせたく無い話しも有りますしね?」


 コアリスも冷たい微笑みの隠った目で見詰める。


 「別に居ても良いだろ?

 私には守秘義務が有るから秘密は外に漏らさない!」


 ジュンケンの言葉にケレリスが、

 「いいから真ん中の席にでも座っておけそんな所でもじもじチョロチョロしてると目障りだ!」

 

 そう言われたジュンケンは何故か上座に座り口を開く。


 「これからフゥ君パーティーとエルフの長老コアリス様の話し合いを始めます!」

 

 

 「?????」


 『何で突然仕切り出した?』


 みんなの心の中は?マークでいっぱいになった。



 「改めてフゥ君に聞くわね?」


 コアリスはジュンケンをスルーして俺に話し掛ける。


 「はい」


 コアリスは一つ頷くと、

 「フゥ君は魔法神様とどのような関係なのかしら?」


 「俺は……ラィが魔法神かは分かりません。

 ただ周りの人達が勝手にラィを魔法神だろうと思っているだけです」


 「解りました。それでラィさんとはどのような方なのですか?」


 「ラィは翼のある黒猫です」


 「翼のある黒猫?

 それであなたの着ている服はその方が?」


 「そうです」


 「他には服以外に魔法神様に由来する物とかは有りますか?」


 「この袋は生きているモノ以外今の処何でもどれだけでも入れられます」


 俺は腰に付けた袋を手に取る。


 「失礼します」


 コアリスが袋に手を伸ばし指先が触れると『パン!』と手を弾かれた。


 『この装備は外せません』


 頭の中に魔法石の声が響く。



 エルフ達に緊張が走る。


 「?……風魔法ですか?」


 「そうだと思います。

 魔法石からこの装備は外せないと言われました」


 「魔法石から言われる?」


 「そうです。俺の魔法石は自分で判断して魔法を発動させたり盾を出現させたりします」


 「魔法石にそんな機能が!」


 コアリスを始めエルフ達は驚きを感じていた。



 コアリスは一呼吸置いて、

 「盾はどのような物ですか?

 見せてもらっても?」


 「はい」


 俺は右腕の腕輪に魔力を込めて盾を出現させる。


 「ハー!この盾は神話に出てくる盾と同じ模様です!」


 コアリスは思わず手を伸ばして盾に触ってしまった。


 パン!


 また手を弾かれてエルフの護衛が剣の柄に手を添える。


 「これも………風魔法で守られているのですね。

 納得しました。あなたは魔法神様の関係者、いえ生まれ変わりかもしれません!」



 『生まれ変わり?

 いやいや、ただのお使いなんですけど。

 これは話しても良いのかな?』


 俺がそんな事を頭の中に浮かべた時。


 『お使いの内容は秘密です』


 魔法石からの言葉が頭に響く。


 『秘密?秘密って言われてもお使いの内容を聞かされて無いし知らないから!』


 『フフ。それは安心です』



 俺が頭の中で魔法石とバカなやり取りをしているとコアリスは不思議な顔で心配そうに見てくる。


 「大丈夫ですか?

 目が死んだ魚のようになっていましたが」


 「エッ!死んだ魚の目?

 俺、そんな目してました?」


 「ええ、心配になる位に」


 「フゥ君は前からたまにそんな目をしていましたよ?」


 ケレリスが横からそう言って来た。


 「そうなの?前から?

 それならその時、教えてよ!

 恥ずかしいよ!」


 「いや?なんか言いずらかったよね?あの顔は」


 ホチネも話しに加わる。


 「そうですね。ボクも馬車の中で初めて見た時は『ドキッ』としましたし、ゴブリンに襲われて返り討ちにしていた時も同じ目をしていて心配になりましたよ」


 ツラナも知ってたようだ。

 

 「みんな知ってたの?

 誰か教えてくれても良かったんじゃ無い?

 そんな目してたなんて思っても無かった」



 『ゴブリンに襲われた時は魔法石が勝手に盾で守ってくれて風の刃で首を刎ねたんだった。

 魔法石を使っている時はその目になるのか!』




 過去の俺の死んだような目の話しをパーティーメンバーで盛り上がっていると向かいの席から咳払いが聞こえた。


 「コホン。話しを戻してもよろしいですか?」


 「アッ、済みません。ハハハ」


 俺は笑って誤魔化そうとした。




 

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