表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/537

魔法の靴とフラグ


 今日は朝日が上って直ぐの時間から町の外に来ていた。


 「凄いですね!この靴!

 走っても全然疲れないですし走る速さも比べ物になりませんよ!

 町の定期馬車よりも速く走れるなんて!」


 ツラナはホチネから貰った靴が相当気に入っているようだ。


 それとツラナの言っている『定期馬車』とは、町の中の主要施設と各門を定期的に巡回している馬車の事である。

 安い料金で世界各地の町中の庶民の足代わりなのだ。

 ただ冒険者は武器や魔物などの素材を持っているので基本的に乗車禁止だ。




 嬉しそうなツラナは靴に魔力を込めて少し浮いてみせる。


 「凄いですよ!浮いてます!

 アーアー、でもバランス取るの難しい!

 魔力は意外と使いませんね。

 アー、体のあちこちに変に力が掛かりますね!

 こんな所を魔物に襲われたら大変だ!」



 『ツラナ、そこで変なフラグ立てないで!

 そんな事言うと魔物が来るよ』



 そんなツラナのフラグに釣られたのか蜂の魔物『ビース』が現れる。


 「ビースは初めて見る魔物だよね。

 お尻の針に麻痺毒があるから気を付けて!」


 俺の叫ぶ声にホチネは槍を構えてビースに向かって走った。

 走り寄るホチネにビースは上空に逃げそこから勢いを付けて針を出して突っ込んで来る。

 ホチネは水魔法でビースを囲むように防御壁を張り飛ぶスピードを落とした処に槍を突き立てた。


 「空を飛ぶ魔物は倒すのに工夫が必要だね」



 『シザトに比べて飛ぶスピードが速くて倒すのに苦労しそうだな。

 まあ俺の場合は風魔法で簡単に倒せそうだけど!』




 ツラナは靴での浮遊を止めて歩いて次の魔物を探し始める。

 だがなかなか次の魔物を見つける事は出来なかった。



 「ツラナ、靴に魔力使って浮いてくれない?」


 「どうしてですか?」


 「フラグだよ!フラグ!

 ツラナが浮いた時、魔物が来るかもしれないから?」


 「フラグ?とかちょっと言ってる意味が解らないののですが?

 何故?ボクが浮くと魔物が来るのですか?」


 「何故かって言われても解らないけど魔物が来た時と同じ事したらまた魔物来るかもしれないでしょ?

 だからもう一回浮いてみて!」


 「………なんか…納得出来ませが解りました」



 ツラナは靴に魔力を込めて浮く。


 「ワワワ、アー、浮き、ました、よ!」


 俺は回りを見回し魔物が来ないか警戒する。



 「………………来ないね?」


 ツラナは靴の魔力を止めると、

 「なんだったんですか?

 フゥ君は何がしたいのですか?」


 その時、ホチネが回りを見回す。


 「どうした?ホチネ?」


 「シッ!ビースの羽の音がする!」


 ホチネに言われ俺も耳を澄ます。


 ブーン!


 「後ろ!」


 ツラナの後ろにビースが姿を現す。


 俺は魔力を込めて風魔法を放った。

 

 ビースは風の刃で首を刎ねられツラナの後ろの地面に落ちた。 


 「びっくりした!

 フゥの言った通りツラナが魔法道具の靴で浮くと魔物が来る!」


 「そんな!偶然ですよ!

 ボクが浮いたからって魔物が来る訳無いでしょ?」


 「ツラナ、もう一回浮いてみて!

 次来たらフゥの事信じるし来なかったら偶然だったって解るから!」


 ホチネはツラナを真剣な目で見詰める。


 「……分かりました。後一回ですよ」


 ツラナはまた靴に魔力を込めて浮く。


 

 「………………………まだですか?

 魔物、来ますか?

 偶然だったでしょ!

 もういいですか?」


 ツラナが魔力を止めようとした時、

 「シッ!」


 またホチネが回りを気にし出した。



 トトットトットトッ

 

 何かが走って来る音が聞こえる。



 ツラナの横の草が揺れ魔物が飛び出して来た。


 「ツラナ!防御壁!」


 ホチネの叫びにツラナは反応出来ずに後ろに倒れる。


 魔物は倒れたツラナの上を通り過ぎた。


 ホチネはその隙を見逃さずに魔物に槍を突き立てる。



 「助かった!ホチネさんありがとうございます!」


 「本当に来た!

 これは凄いよ!

 ツラナが浮くと魔物が来る!」


 「ツラナ!次!次!早く浮いて!」


 ホチネはツラナを急かせる。


 「イヤー!もう嫌ですよ!

 この靴で浮いたら集中して他の魔法使えないんですから!」


 「大丈夫、大丈夫。あたしとフゥの間で浮けば。

 フゥ、こっち来て。

 二人でツラナを挟んで警戒しよう!」


 ホチネに言われた通りツラナを挟んで並んで次の魔物を待つ。


 ツラナは渋々靴に魔力を込め浮いてみせる。


 「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………来ませんね?」


 「来ないね?」


 「フゥ、本当に来るの?」


 「分からないよ」


 「エッ!来るんでしょ?

 フラグだよね?

 それで来るんでしょ?」


 「いや?フラグってそう言うのじゃ無いから」


 「止めますよ」


 ツラナは静かに地面に降りる。


 「やっぱり偶然だったんですね」


 ツラナの俺を怪しむ目に、

 「いや、偶然なんだけど偶然じゃ無いと言うか?

 偶然を必然にする?みたいな」


 「フゥ君の言っている意味が解りません!」


 俺のしどろもどろな答えにツラナは怒ってしまったようだ。



 「あー!きっとツラナが靴を上手く使えるようになって隙が無くなって来たから魔物がおびき寄せられ無くなったんだよ!」


 「確かに!ツラナ!その靴使い熟してる!」


 ホチネの指摘にツラナはもう一度靴に魔力を込める。


 「本当だ!凄い!意識しなくても浮いていられますよ!

 あれ?でもこれ浮くだけですか?

 移動とかは?」


 「移動は………風魔法?とかで後ろから押すかな?」


 「それって?フゥ君以外浮く意味ありますか?」


 「…………空中に浮いて攻撃を躱したり?そこから踏みつけて攻撃するとか?ハハハ」


 俺は笑って誤魔化す。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ