表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/537

ゴキムロンの大食い


 ゴキムロンは服を着て三本目の腕を隠してしまう。


 ケレリスは残念そうにジッと見詰めて、

 「その腕が神の手様ならその力を使う事も出来るのか?」


 「力なんて大したモノは無いのよ。

 落とし物や忘れ物を誰よりも早く拾うとか速く走ったりとかだけだよ?」


 「ゴブリンの特性や加護の補助的なモノなのかな?」


 ケレリスは何かを考え始める。



 結局、エルフについてはゴブリンの国に来ていたのがトーネスと呼ばれていた者の他は何の手掛かりもゴキムロンからは聞き出せ無かった。


 ケレリスは新たな研究課題を見つけたようで部屋の一つに隠ってしまった。


 ツラナはケレリスの研究の話しを聞きたそうにしているが、

 「まだ話せる段階では無い」

 として部屋に入れてもらえなかった。


 ホチネは全部の部屋を見て回ると豪華な部屋では無くて普通の部屋を自分の部屋にした。


 なぜか聞いてみると、

 「なんか緊張して眠れない気がする」

 だそうだ。


 ツラナも普通の部屋を選び勝手に豪華な部屋に閉じ籠もったケレリスの部屋の他にもう一部屋を俺かゴキムロンのどちらが使うか話し会おうとしたがゴキムロンも小さい普通の部屋を選んでしまう。

 

 「わしはベッドの上から手の届く所に全ての物を置きたいのよ」


 ゴキムロンの言葉に俺はハッとして俺も普通の部屋を選んだ。


 『一日中ベッドの上でゴロゴロするのに広い部屋は返って不便だ!』


 コアリスが来るまでの間なるべくベッドの上で過ごす計画を秘かに頭に浮かべて自分の部屋へと荷物を置きに行く。

 

 『あっ!俺荷物なんて無いや。

 全部袋の中だった!』


 部屋でベッドの固さを確かめ寝転ぶ。


 『最高!高級な宿はベッドもいい寝心地だね!』


 



 「起きなよ!フゥ!」


 ベッドの横にホチネが立っていた。

 ベッドの寝心地を確かめて本当に寝てしまったようだ。


 「ゴキムロンがお腹減ったって!」


 「ああ、分かった。今行くから。

 もう少し寝かせて」


 「……フゥ?起きる気無いでしょ。

 二度寝禁止!」


 ホチネは寝ている俺に水魔法で水を掛ける。


 「ウァー!ベッドが水浸しになったよ!

 これ!どうするの!」


 俺はベッドから飛び起きる。


 「大丈夫だよ」

 

 ホチネはベッドの濡れた所に手を置くと水を魔力に戻して消した。


 「水魔法の水はこんな時に便利だよね!」


 自信満々にホチネは部屋を出て行った。




 ホチネに付いて自分の部屋を出ると共用スペースでゴキムロンとツラナが待っていた。


 「ケレリスは?」


 俺はツラナに聞く。


 「教授は部屋で作業をしています。

 外で何か軽く食べられる物を買って来て欲しいそうです」


 俺は頷くと宿の受付でおすすめの食事が出来る所を聞きに向かった。


 


 受付は夕方の忙しい時間のようで混み合っていた。


 「今日は宿の食堂で食べない?

 俺、起きたばっかりなんだよね。

 外に出掛けたく無いよ」


 「いいけど?起きたばっかりなのは勝手に昼寝なんてしてたからでしょ!」


 ホチネは文句を言ったが食堂に着くと笑顔を見せた。


 「凄い!宿の食堂とは思えない!」


 「本当ですね!」


 ホチネとツラナはゴキムロンが真っ先に座った広いテーブル席へと向かう。


 『このゴキムロンの移動の速さも神の手様の効果なのか?』


 何となく変な考えが頭に浮かんで来た。



 席に着いた俺達に給仕が寄って来て、

 「四名様ですか?」


 「ハイ、そうです。

 一応もう一人来るかもしれませんが多分来ないと思います。」


 「あのそれでしたら……こちらの席では広いと思うのですが?」


 「大丈夫です。このテーブルでも狭いかもしれないので。」


 俺の言葉に給仕は頭を下げるとメニューを取りに行って戻って来た。


 まず始めに俺とホチネとツラナが一人前づつ注文して、その後ゴキムロンがテーブルに乗りそうな量の料理を注文した。


 『ゴキムロンもやっと分かって来たな!』


 前のゴキムロンに自由に注文させると一人でテーブルに乗らない量の料理を頼む事があったからだ。

 今では食べてからテーブルの空きを計算して追加の注文が出来るようになって来た。



 注文を取った給仕係はこのテーブルにした意味を理解してキッチンへと向かう。


 「それにしてもゴキムロンはいつもいつもよくそれだけの量が食べれるよな」


 俺が何となくつぶやいた一言に、

 「そうなのよ!この手はお腹がすくのよ!」

 三本目の腕のある所を撫でる。


 「エッ!その手があるとお腹が空くの?」


 「そうよ!わしの前にこの手があった曾祖母も小さい体なのに大食いでその前の手の持ち主も同じように沢山食べていたと聞いたのよ!」


 「そんな事があるんだな。

 この話しケレリスが聞いたら参考になったんじゃない?」


 俺がツラナの方を見ると既にケレリスに魔法石でメッセージを送っているようだった。




 俺達のテーブルにいっぱいの料理が並び食べ始めた時、食堂の入り口にケレリスが姿を現した。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ