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大騒ぎのエルフ達


 ジュンケンが俺からお金を借りて屋台の支払いを済ませて外に出るとケレリスから念話が入った。


 「フゥ、宿を取ったから場所を魔法石に送るよ」


 「うん、ありがとう。

 それでね。今、冒険者ギルドのギルド長と一緒にいるんだけど俺の格好がエルフには評判が悪いらしくて今は一応竜人族の服に着替えたんだけどそれもあまり評判が良く無いんだよ。

 後、残ってるのはパジャマだしどうしたら良いと思う?」


 ケレリスは少し考えた後、

 「新しい服を買いなさい」


 「それはそうなんだけどあの服じゃないと不安なんだよ」


 「今、どこにいる?」


 「屋台の前にいるよ」


 「場所を送ってくれすぐに行くから」


 俺は念話を切った後、魔法石でこの場所をケレリスに送る。




 五分程でケレリスとツラナが合流した。


 ジュンケンとケレリス、ツラナがそれぞれ自己紹介をすると俺を見て三人は考え込んでしまう。


 「そうだな……服を買うと言っても腕が四本あるフゥ君が着られる服は売って無いな」


 「そうなんだよ、売って無いんだよ!

 それにこの竜人族の服は暑くって!」


 涼しい水の聖域の服は赤月の今の季節には相当暑い。


 「仕方ない。いつもの服に着替えろ。

 冒険者ギルドには私も一緒に行ってやる。

 エルフの私が説明すれば大丈夫だ」



 ケレリスが説明すると言う事で俺達は冒険者ギルドにまた行く事になった。





 冒険者ギルドに着くとやっぱり俺に視線が集まる。


 

 ケレリスが俺の前に立ちギルドの中を見回して一つ咳払いをする。


 「ん、んうん、ああ。

 みんな聞いてくれここにいる少年、彼はフゥ君だ。

 そしてフゥ君は魔法神様の眷族である。

 この服も魔法神様に与えられた特別な服だ」


 ギルドの中は、

 「オー!」

 「本当か!」

 「魔法神様が遂にこの世界にいらっしゃったのか!」

 「これは直ぐにエルフの森に報告しなければ!」

 あちこちで俺の事や魔法神の話しで騒然とし出した。



 「フゥ君違う意味で注目されている。

 早く奥の部屋に行こう」


 ジュンケンが背中を押して俺達を奥の部屋へと押し込む。


 部屋の外からはガヤガヤと受付に詰め寄る声が聞こえて来る。



 「ケレリス、あんたに任せたのが間違いだっわ!

 これじゃ、しばらく外に出られ無いじゃない!」


 ホチネはケレリスを睨み着ける。


 「でもこれでフゥ君がその服を着ててもひんしゅくは買わないでしょ?」


 「ひんしゅくは買わないけど………変な注目が集まらない?」


 「変な注目?良い注目だよ。

 魔法神様と知り合いなんてとても名誉な事なんだよ!」



 『名誉とかじゃないと思うけどな。

 ケレリスは魔法神の事になるといつもの判断が出来ないよな!』


 

 俺達はゴキムロンの護衛の依頼料金とこれまでに掛かったゴキムロンの食事を立て替えた分のお金を受け取って外が落ち着くまでこの部屋で待機する事になった。

  

 



 コンコンと扉をノックする音が聞こえて一人のエルフが部屋に入って来た。


 「あの、実は……エルフの森の長老達から連絡がありまして…魔法神様の眷族を名乗る少年をエルフの長老会に連れて来るようにとの事です」


 「貴女はどちら様ですか?」


 ケレリスはそのエルフの前に立つ。


 「私は冒険者ギルドの副ギルド長カノリスと申します」


 「カノリス?と言う事は」


 「そう言う事です。ケレリス様」


 お互いに目線で会話している。



 『ケレリスに様付けなんてね。

 そして何かエルフ同士の言葉にしない目線だけの怪しいやり取り!』



 「話しは分かった。

 それではフゥ君は貴女が長老会に連れて行くと?」


 「そのように長老達より連絡を受けています」


 「ちょっと待って!俺はエルフの森に行くとか行かないとか言って無いのに話しが行く事前提で進んでない?」


 俺は二人の会話に割って入った。


 「そうよ!フゥはエルフの森には行けないわよ!

 フゥの後見人。いや、後見神は今のところ水龍神様なんだから!」


 『後見神って!ホチネ、そんな言葉あるのか?』


 ホチネに心の中でツッコミを入れる。


 「ケレリス様それはどう言う事ですか?

 魔法神様の眷族では無かったのですか!

 水龍神様との関係とは何です?」


 カノリスはケレリスに不信の目を向ける。


 「フゥ君は水の聖域で生まれ育ったのだ。

 だが魔法神様とも関係はある。

 だからエルフの森に入るには長老達にその事を納得して貰って許可を出すのか出さないのかの判断をしてもらわなければならない。」


 「それは………長老達にお伺いして来ます。」


 カノリスは部屋を出て行ってしまった。



 

 ケレリスは俺をジッと見ると真剣な顔で、

 「フゥ君、彼女が戻って来る前に聞いておきたい。

 エルフの森に行く気はあるか?」


 「エルフの森に?

 うーん?考えて無かったからなぁ。

 どんな所か見てみたい気はするけど何か面倒事になりそうな予感しかしないよね?」


 「ああ、多分面倒な事になるだろう。

 特に魔法神様が黒猫の姿なんて言ったら面倒では済まないかもしれない。

 ただフゥ君は魔法神様と何かしらの関係はあると納得はして貰えると思う」


 「それは何で?」


 「腕が四本だからだよ。

 魔法神様以外で四本腕の人種は今まで確認された事が無い。

 文献や神話では魔法神様が姿を現す時は四本腕の人の姿をしている」


 「それだけ?俺の腕が四本だから?

 魔法神が最後に確認されたのって、いつなの?」


 「正確には分からないが一万年以上前の事だそうだ」




 『一万年以上前って実際にあった人はいないって事じゃないか!』


 

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