表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/537

漁業の町に到着


 中立国の街道を海沿いに西に向かって進んでいる。


 初日は何事も無く二日目からもガードラやドウォンが出るだけで警戒さえ怠らなければ特に問題無かった。

 俺はガードラやドウォンの肉を食べるにはまだ躊躇を見せていた。


 「フゥはまだドウォンの肉が苦手なの?」


 「ウーン、なんとなくね。

 ホチネは聖域で食べた事無かったのに平気で食べれるよね。

 嫌いな食べ物とか無いの?」


 「別に無いと思うけど冒険者にとって好き嫌いは長旅をする上で致命傷になる事もあるからね。

 味も特に問題無いからフゥも食べれると思うのに」


 「いいよ。わしが代わりにいっぱい食べるよ!」


 ゴキムロンは残っている肉を全て食べてしまっていた。


 「ゴキムロンってよくそんなに食べれるよね」


 ホチネの嫌味のような一言に、


 「わしは昔からいくら食べてもまた食べ物があればいつでも食べるよ」


 「へー」


 ホチネは呆れたようにゴキムロンを見る。





 

 三日月国を出て今日で十日。

 街道の先に町が見えてきた。


 エルフ領との中間の町『漁業の町』に着いたのだった。


 

 「この町は漁業の町だったよね。

 それじゃ久しぶりの魚料理が食べれるね」


 「フゥ君が思う魚料理とは違うと思うよ。

 あまり期待するとがっかりするわ」


 俺にケレリスが忠告をする。





 町に着いてまず最初に宿を取る。

 受付で今日の宿泊する部屋の鍵を魔法石に読み込んで部屋に荷物を置いてこようとすると、

 「それじゃ早速ご飯を食べに行くよ!」


 ゴキムロンは早速出掛けるようだ。


 俺はゴキムロンの言葉をスルーして部屋に向かう。

 他の三人も部屋に向かうようだ。


 「一緒にご飯食べに行かないのょ?」


 小さい悲しそうな声でゴキムロンはつぶやく。


 「あたし達の食事代はゴキムロンが誘って来たから奢りよね!」


 ホチネは前にゴキムロンに奢らされたのをいつかやり返す機会をやっと叶えられて笑顔だ。


 「いいよ。わしの奢りよ!」


 ゴキムロンは胸を張ってそう言うと宿を出ようとした。


 「待て!部屋に荷物を置いてからにしようよ。

 馬車も宿の馬小屋に預けないといけないし。

 みんな馬車の中の自分の荷物を降ろせ」


 ケレリスが馬車の荷物を全部降ろして部屋に持って来るように言う。


 「なんで?

 必要な物だけ降ろせばよくない?」


 俺の不満に俺のケレリスは耳元で、

 「三日月国にいた時と考え方を変えろ!

 この国では回りは全てゴキムロンがいると思って行動しろ!

 中立国のこの辺りは元へゴブリンの国だった所だ。

 今は人種が混ざっていてゴブリンやオークなどに見え無くても先祖の習慣を受け継いでいる者も多い」


 「そうなんだ分かった。気を付けるよ。

 でも回り全てがゴキムロンって思うと恐ろしいけど笑えるよね」


 「そうだな、ハハハ。

 まあこの宿はホビットの経営だからまだ安心だぞ。

 宿を取る時はなるべくホビットの宿を選ぶ方が良い。

 ただし料金は安全な分高いから。

 ホビットはゴブリンとはまた違った意味でズル賢い。

 商売人としては優秀な事は多少のズルさも必要な資質だからな」



 ケレリスの話しを聞きながら馬車の荷物を降ろすのに外に出て荷台を覗く。


 

 「この荷物、フゥ君の何でも入る袋に入れてもらう事って出来ませんかね?」


 ツラナのつぶやきにケレリスとホチネは俺の方を見て深く頷く。


 「いいけど、俺が居ない時困る事が出て来るよ。

 前に農業の町の宿で夜中お腹が空いて俺の部屋に集まった事忘れて無い?

 寝てる時、荷物の事で夜中に起こされるのは嫌だからね!」


 三人は直ぐに使わない鍋や食器などを俺の袋にしまわせて馬車を宿の馬小屋に預けて各自自分の荷物を部屋に置きに行く。



 『回りがゴブリンだと宿の部屋に置くのも不安じゃ無いのかな?

 俺は全部袋に入れておけばいいや』


 いつもは護身用に袋から出してあるシイバに貰った短槍を袋に入れた。




 部屋から四人が宿の前に集まりゴキムロンがいない事に気付く。


 

 「あれ?あの爺さんいつからいなかった?

 馬車に荷物取りに行った時すでにいなかったような?」


 俺の言葉に三人も頷く。


 「誰かゴキムロンにメッセージを送るか念話して」


 俺の言葉にみんな顔を見合わせる。


 「誰もゴキムロンの連絡先を知ら無いのか!」


 俺達は誰もゴキムロンと連絡先を交換しておらず手分けして探す事になってしまった。



 

 ツラナからの念話でゴキムロンが見付かった報告を受けて俺達は屋台の一つに集まる事になった。




 『ゴキムロン一人で出掛けるのは一応護衛として雇われてる俺達からするとマズいよね?

 ゴキムロンも自分が命を狙われている事をもっと自覚して欲しいよ!』

 

 

 俺は走りながら思うのだった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ