中立国への入国と地名の由来
町で数日間体を休めて俺達は遂に中立国に入った。
正しくは国境の町の外れにある橋を渡って出入国管理所を越えただけで、まだ正確にはまだ国境の町の中だが中立国でもある中途半端な場所なのだった。
その日俺達は朝から買い物をして必要な物を揃えてその足で国境の橋を越えた。
途中でいつもの定食屋でもう一度食事をしようと店に行きその店がバイテルの弟の店だと言う事が判明したがただそれだけだった。
中立国に入国して早速次の町を目指す事にして西の方向のエルフ領に隣接する国境の町に向かっていた。
今日の馬車はケレリスとホチネが御者台で俺とツラナが荷台だ。
俺は中立国に入って一つの疑問にぶつかる。
それは町の名前だ。
三日月国と中立国の間の町も国境の町で中立国とエルフ領の間の町も国境の町、
『おかしいぞ?』
魔法石になぜそうなっているのか聞いて愕然とする。
『それはあなたのいた前の世界と今いるこの世界では言葉や考え方が違い過ぎてあなたの頭では名前を処理仕切れません。
そもそも町に名前を付けるなんて習慣はこの世界ではありません。
この世界の町の名前はその種族が昔から使っていた言葉で「何とかの町」と呼んでいただけです。
あなたの頭でも処理出来るようにしてあげてるだけで名前の読み方ならあります。
三日月国の国境の町は*******で、中立国の国境の町は*****ですが理解出来ましたか?』
『いや、ちょっと無理みたいだ。
全く理解出来ない。
他の町ももしかして同じように本当の名前の読み方はあるが俺の頭でも理解出来るように今の名前になってるのか?』
『そうです。他の町の本当の名前も聞きますか?』
『いやいい。どうせ理解出来ない。
これ人の名前も本当は理解出来ないのか?』
『そうだな私がおまえの頭でも理解出来るように苦労して処理してやってるのだぞ。
人の名前はおまえの頭の中の知識から付けるのが難しいのでな。
これで私がとても使えると理解出来たな!ハハハ!』
『なんか急に偉そうになったな。
でもそうだな確かに魔法石はすごく使える!
…………あれ?でもそれならおかしくないかな?
ラミネやシイバに会って名前を聞いたのは魔法石を貰う前だったよね?
なんで魔法石を貰う前から名前を変換出来てたの?』
『それは………秘密です』
『出たよ!都合が悪い時の秘密!
本当はおまえの力じゃ無いんだろ!』
『いえ、私の力のおかけです!』
『どの辺りが?』
『全てがです。
あなたが言葉を理解出来ているのも文字が読めるのも魔法が使えるのも命があるのもです』
『大きく出て来たな。魔法や命もとか。
それなら槍とかはなんで上手く使え無いかな?』
『それは元からのあなたのセンスの無さのセイです。
決して私のセイではありません!
私のセイでは無い!』
『なんで最後二回言ったのかな?
怪しい!
俺のセンスも無いかもしれないけどおまえも魔法以外のセンスが無いんじゃ無いのか?』
『そんな事はありません!
盾は得意でした!』
『ハハハ。盾はね。
なんか今日はおまえに勝てたような気がする!』
『私が負けるような事はありません!』
そう言い残すと魔法石はへそを曲げたように俺の問い掛けに反応しなくなった。
『拗ねたな。
魔法石が拗ねるなよっ!』
魔法石が返事をしなくなってしまい、いくつかの聞きたいと思っていた事は聞けずに終わってしまった。
『三日月国は三日月の形だから三日月国なのはなんとなく分かる。
でも中立国がなんで中立国なんて訳されたか聞きたかのに!
それと魔法石が盾を使っていた?
体を持っていた?
それも聞きたい!』
しばらく考えて横に座るツラナを見た。
『ツラナに聞いても分からないよな?
なんで中立国って訳されたのかってなんて聞いても。
まあでもいいか!聞くだけ聞いてみるか!』
「ツラナ?今、話ししてもいい?」
「はい?大丈夫ですよ。
何かありました?」
「ちょっと聞きたい事があってさ。
三日月国は三日月の形だから三日月国だよね?」
「そうですね」
「それなら中立国はなんで中立なの?」
「ああ、それはここがチャロック大陸の真ん中だからです。
東に三日月国、西に黒魔どワーフ国、南にエルフ領、北にオーガ国、その囲まれた真ん中に立てられた国で中立国です」
「途中気になる国があったけどまずはなんで中立国なのかは分かったよ。
でもそれなら名前的にこの国は他の国より後から出来た国になるのかな?」
「そうですよ。元々この辺りはゴブリンの国がありましたがエルフの森に襲撃して返り討ちに合い領地を殆ど獲られてしまいました。
更にオーガ国と黒魔どワーフ国も領地を提供するなど協力してこの地を共同管理地とする事になりそれぞれの国民が移住して人種がミックスされて新しい国になったのです」
「それでエルフの思惑通りにここがエルフの影響が強い国になったんだね」
『これゴブリンの襲撃もエルフが裏で糸を引いてたりしないよね?
エルフは本当はここで何がしたかったのだろう?』




