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誘拐事件の解決とおかしな噂


 誘拐されたオークの子供達を助けて俺達は町に馬車を走らせ戻っている。


 途中までゴブリンの援軍が追い掛けて来ていたようだが日が昇り明るくなって来た頃、諦めたようだった





 東門では冒険者ギルドの職員と町の警備兵が門の前で心配そうに街道の先を見つめて俺達の帰りを待っているようだ。


 俺達が門に近づくとギルド職員が走って近寄って来る。


 「カムリ!カムロ!」

 

 「お父さん!」

 ツラナが馬車を止めるとオークの子供達は走って来たオークのギルド職員に抱きついた。


 オークの職員は頭を下げて、

 「ありがとうございました」

 涙を堪えている。

 

 二人を追い掛けて馬車を降りたホチネが、

 「いいえ。あたし達は盗まれたカバンを取り返しに行っただけですから!

 たまたま泥棒が誘拐もしていただけですよ!

 偶然ですナジカヌさん!」



 『ナジカヌ?

 ああ、ゴブリンの移送に迎えに来てくれたオークの職員だ!

 ホチネはよくオークの顔の区別がつくな。

 俺には区別がつかない。

 前世でも外国人の顔の区別が難しかったのと同じかな?』


 

 「フゥ君?ボーッとしてどうしたの?親子の再会に感動した?」


 隣のツラナに俺は、 

 「そうだね。」

 と答えたが、

 『オークの顔の事考えてたなんて言えない。』





 親子の再会を終えて俺達の馬車は町に入った。


 馬車を冒険者ギルドの前に止めてケレリスがゴブリン達を荷台から降ろしギルドの職員に引き渡そうとした時ギルド本部から出て来たホビット?がそれを止める。


 「待て!そのゴブリンの商人はこちらで引き取る!」


 「いいや!その誘拐犯は冒険者ギルドで取り調べる」

 ホビットの後ろからギルド長のヤクサムが出て来る。


 「まだ誘拐犯と決まった訳ではないぞ!

 それに犯罪者であっても人権がある!

 私はこの町の知事だ!

 そんな事認められない!」

 知事と名乗ったホビットは、訳の分からない無茶苦茶な事を言い始めた。


 「何言ってるの!犯人に決まってる!

 あたし達が捕まえようとした時もナイフで襲って来ようとしたり子供にナイフを突きつけて人質にしようとしたりしたんだよ!」


 ホチネが大声で反論すると町の住民は、


 「人質にするなんてひどい!」

 「ひどいわ!」

 「そんな奴らを庇うのはおかしいぞ!」

 「あの知事になってから、犯罪が増えてるぞ!」

 「あの知事は信用できない」


 次々に知事への抗議の声が上がる。



 「クソ!このままでは済まないからな!」


 ホビットは捨て台詞を吐くと逃げるように帰って行った。


 



 「何だったのアレ。

 何であんなのが知事になれたの?」

 ホチネは呆れたようにつぶやく。

  

 「その話しも含めて明日また集まってくれ。

 今日は疲れただろ」


 ヤクサム達が誘拐犯のゴブリン達を連れて行く。


 馬車に積まれた盗まれたと思われる品々は町の警備兵により持ち主に返される事になった。


 

 


 宿に戻り馬車を預けて四人は俺の部屋に集まった。


 

 『何で俺の部屋?』

 そう思っているとケレリスが、

 「まだ昼前だろ。このままこの前のように寝てしまうと夜中に空腹で目が覚めてしまうのではないかな?」


 「そうだね。この前みたいにフゥがなかなか起き無いと困るよね」

 ホチネは俺の方を見る。


 「それ俺のせいじゃなくない?

 そもそも俺の袋が便利だからって荷物係にしてるのがおかしいよね?

 それならホチネが荷物半分持つ?」


 「無理無理!あたしのカバンはヒタリに貰った大切な物なのスープがこぼれて汚れたらどうするの」


 「それなら私が少し荷物を持とうか?」

 ケレリスは笑顔だった。


 「それパンとスープこっそり食べる気だよね!却下!」


 ホチネの『却下』にケレリスは暗い顔で落ち込む。



 『図星だったんだね!』



 「それならこれから朝食と昼食を兼ねてあの屋台通りに行きませんか?」

 

 ツラナの提案にみんな頷き早速出掛ける事にした。



 


 昼前のまだ混み合わない時間帯の屋台通りは少し静かだった。


 ホチネが匂いに釣られるようにこの前の食い逃げを疑われた店に入って行く。



 前回の事もあり俺は一人でお金を降ろして来る事にしてケレリスとツラナにホチネの見張りを頼んで冒険者ギルドに向かう。




 『これならさっき自分の分のお金も降ろしておけばよかったな』



 俺が一人で歩いているとチラチラ見てくる視線を感じた。

 そして何かヒソヒソと話している。


 俺は耳に火の付与魔法を掛けヒソヒソ話しを聞いてみた。



 『あの子が商人を誘拐犯だって捕まえたの』

 『虐待されてた子供を助けた商人だったらしいわよ』

 『人助けした商人を誘拐犯と間違えるなんてね』

 『本当に何考えているのかしら!』



 俺の耳に入って来た噂話しはとんでもない話しになっていた。


 『どう言う事?何で誘拐犯が商人になってるの?

 それに何でそんな変な噂に変わって伝わってるの?』



 俺は急いで冒険者ギルドに向かった。

 


 ギルド本部の前には数人の人が立っていて、

 「無実の商人を釈放しろ!」

 と叫んでいた。



 

 『何で?こんな変な事になってる?

 あの知事が何かしたのか?』



 ギルドに入ろうとすると一人の男が俺の肩をつかんで来た。

 「こいつだ!無実の商人に罪をなすり付けた犯人!」

 

 俺は訳の分からない事を言う男の手を振り払うようにして中に入る。



 『何が起きてる?』

 


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