食い逃げ?
俺はケレリスと朝から首都の冒険者ギルドでゴブリン討伐の情報を聴かれやはりゴブリンの大規模な殲滅作戦が予定されると聞かされた。
ギルド長のヤクサムはゴブリンの殲滅作戦に俺が参加するかは、
「話し合って決めましょう」
話し合ったらヤクサムに丸め込まれる気がする話し方をされた。
一通りの報告と提案をケレリスがして俺は今回の報酬をもらう事になったのだがホチネが来なかったのでまた後日となった。
ケレリスとツラナは冒険者ギルドに登録をしない事に為たらしくゴブリン捕獲の報酬を今度ホチネと来た時に俺のパーティーに特別参加の形でまとめて支払われる事になった。
この日のギルドでの用事は終わりホチネ達に合流する事にした。
ケレリスがツラナにメッセージを送って二人の居場所を聞くと屋台で食べ歩きをしていると返事があり俺達も屋台に向かう。
屋台が立ち並ぶ通りに入るとツラナが入り口で待っていてくれた。
「すいません。ホチネさんを止める事は出来ませんでした。」
俺がツラナの近くまで来ると急に謝って来た。
「ホチネが食べ過ぎただけでしょ?
予想はしてたから気にしなくていいよ!」
俺の反応にツラナは困った顔をして、
「それが違うんです。…お金を落としたらしくて無銭飲食で警備兵に連れて行かれたんです」
「お金を落とした?ギルドカードや魔法石で払え無かったの?
お金落としてもギルドカードや魔法石にお金入ってるでしょ?」
「ギルドカードもお金も全部無いですし屋台の多くはカードや魔法石での支払いが出来無いようなので。
ボクが払えればよかったのですがボクはあまりお金を持っていないので。すいません」
その言葉にケレリスが、
「それは私も失念していた。
ツラナにも少しはお金を持たせておくべきだったね」
ケレリスが俺とツラナに謝る。
『ツラナのお金はケレリスが管理してるのかな?』
「それにしてもホチネが無くし物するなんてあるかな?」
俺の疑問にツラナが、
「そうなんです。ホチネさんも無くしてない。『きっと盗まれたんだ。』と言っているんです。
それで事情を聴くと警備所に連れて行かれてしまって」
「それで……そのお店にはお金払ったの?」
「まだです」
「それじゃまずお店にお金を払って無銭飲食する気は無かったと証明しよう。
ツラナ、そのお店に案内して」
俺の提案に応じてツラナは一件の屋台に向かった。
「すいません。先程の客の連れなのですがお金を払いに来ました」
ツラナが顔を見せると屋台のオヤジが、
「オウ!さっきのおれは金を払ってくれればそれでいいんだ!」
ツラナに代わって俺が前に出て、
「すいません。ご迷惑お掛けして。
それでおいくらですか?」
「これだ」
オヤジに見せられた請求書はとんでもない金額だった。
『ぼったくりか?』
その金額に驚いていると、
「これがさっきのネーチャンの食った物だ」
俺はリストを見せられる。
『ホチネ!どんだけ食ってるんだよ!
ツラナ!警備兵に連れて行かれる前にこっちを止めて欲しかった!』
俺はチート袋に入れてあったお金で請求書の金額を払いオヤジにお礼を言うと屋台を出て警備所に向かう事にした。
『あんなに食べたらカードや魔法石じゃないと普通は払え無いわ!』
警備所は屋台通りのすぐ近くにありそっちの方に向かって歩いて行くとホチネを確認出来た。
姿と言うより声をであるが。
ホチネは外にも聞こえる声で警備兵に文句を言っている。
「だから!どこから無いかなんて分からないの!
宿を出る時に持っていたか持っていなかったか言われても!覚えて無いから!
それにあの金額なのに魔法石で払え無いあの店にも問題があると思う!」
「あのね。屋台の入り口にちゃんと『現金払い』と書いてあったでしょ?
それにアレはいくら何でも食べ過ぎだね。
あの金額になるまで食べ無いよね普通」
警備兵のど正論にホチネは奥歯を噛み締め叫ぶ。
「ずっと肉が食べたかったの!」
ホチネは聖域を出てから肉料理にハマったようだ。
『聖域は魚中心の食生活だったからな。肉料理にハマるのは分かる気がする』
俺は警備所の受付で事情を説明し店にもお金を払って納得してもらった事を告げた。
ホチネはまだ不満があるようだが頭を下げて外に出て来る。
「もう!あたしは食い逃げなんてしないよ!
それにまだこれから他の屋台も回るつもりだったのに!」
ホチネは外に出た瞬間叫んだ。
「ホチネ?まず宿に戻って荷物があるか確認しないと。
落としたにしても盗まれたにしても忘れたにしてもね!」
「分かってるよ!」
怒ったままのホチネを連れて俺達は宿に戻る。
宿に戻ったホチネは、自分の部屋を探した。
テーブルに置いてあるギルドカードを見て、何か思い出したようで。
「思い出した!確か、あたし、お金だけカバンに入れて出掛けたはずだ!
部屋を出る時は持ってた!
ツラナ、覚えて無いかな?ヒタリにもらったカバン持ってたの。」
ツラナは首を振る、覚えていないようだ。
『ツラナにヒタリって言っても、分からないだろう。』
部屋を出て、廊下を探し、受付で落とし物が無いかを聞き、
「よし!もう一度、屋台までの道を歩きながら思い出して行こう!」
と、走って宿から出て行く。
俺達はホチネの後を追った。
『歩きじゃないのかよ!走ってんじゃん!』




